さて、長年マリーンズのローテーション投手として投げ続けた清水直行が、正式にマリーンズから去りベイスターズに移籍することが決まりました。
昨年、バイアウト付き2年間複数年・総額5億2千万円という大型契約を勝ち取り、本来なら今頃、自分で自分の進む道をノーリスクで選択できるはずでした。 バイアウトを行使しない(≒FA宣言しない)場合、2010年度の年俸は成績に関係なく、推定2億8千万円を得られることになっていました。
結果的に、清水直行の2009年は、ファンにとって球団にとって、そしておそらく清水本人にとっても、満足いく結果は残せませんでした。 どちらかといえば、満足いかない、どころか、大いに不満があるピッチングだったと思います。 少なくとも、私は大変不満だった。
私は清水直行は決して嫌いではありません。 2005年優勝したのち、地元近くの某携帯ショップの1日店長(といっても、店長の仕事は一切せず、ちょっとした講演とサイン会だったが)に来ていたとき、硬球に直接清水からサインボールもいただきましたしね。 昨年のファン感では、サインを終えるとすぐにベンチ裏にいなくなる選手が多い中、出来る限り球場内のグラウンドに出て、ファンと交流しようという姿も多々見られました。 報道などによれば、投手陣からの信頼は厚いと言いますし、時折メディアを通じて発せられるコメントは、選手会長として、チームの投手の柱として答えられている非常に素晴らしいものが多かった。
また逆の側面では、野手がエラーすると明らかにその選手に対して不満な表情を浮かべたり、良いピッチングができなかった時には捕手(≒橋本)のリードが悪いだとかうまくコミュニケーションが悪い、というコメントも残すことも多かった。
良くも悪くも、人間味がある選手、とも言えるでしょう。 良くも悪くも、というのが、投手としての成績にもそのまま反映して、二桁勝利しても二桁敗戦する、というローテーション投手としては十分な役割を果たしているけど、チームのエースとしてはあまりにも物足りない、という結果になっていましたが。。。
結局、良くも悪くも人間味あるその性格が、契約交渉の場でも出たのが昨年。
昨年の新年早々、子供二人残して奥さんが若くして亡くなった。 だが、清水はこの年、13勝8敗と好成績をあげる。 シーズン終盤のCS権を争う局面で、リリーフとして登板して抑えた時、球場内(おそらくテレビで観戦していた人も)はそのピッチングに拍手喝采でベンチに戻る清水を讃えたこともあった。
そして迎えた昨年の契約交渉。 もちろん細かいことはわからないし、真実など絶対にあかされることはないのだけど、清水は米国進出の夢を強く語ったと同時に、球団側に自分をどれだけ必要といているのかを強く求めた。 単年契約では不満(必要と思われていない)と感じ、複数年契約を求めた。 そして、結果的に、バイアウト付きの複数年契約という選手としては自分で進路を選択できる「最高」といってよい条件を引き出した。 完全に私の勝手な想像だけれども、清水は自らの夢と子供一人残すわけにもいかないという安定という、清水の状況だと相反する二つの事を実現する必要があったのかもしれない。 どちらかを優先するというよりも、両方とも実現するために少なくとも1年、できれば2年間の時間が欲しかった。 そういったことではないだろうか。
今回のトレードでは、清水は年俸の下落はない。 予定通り2億8千万円の年俸を獲得できるようだ。 さらに、千葉から横浜の球団に移る、といっても、清水の住居は都内らしいし、球場へ通うにあたっては引っ越しも必要ないでしょう。 自分の所属チーム、という以外の環境は変わらなくてすむ。 子供の転校なども必要ないでしょう。 昨年、散々騒がれたタイガースへの移籍だったとしたら、確かに清水の実家近く(甲子園の裏だったらしいですね)にはなるけれども、子供にとっては大きな環境の変化となる。 母親が亡くなって1年も経たないうちに、また別の環境へと移る。 リスクは小さくない。 そう感じていたのではないかと。
球団側の本当の意図はわからない。 でも、移籍という大前提条件があったうえで考えたならば、清水本人にとってベイスターズへの移籍は非常に良い条件だったのではないかと思う。
清水直行、
思う存分、セントラルリーグで暴れてください!
(交流戦ではダメよ♪)
移籍してくる那須野と斉藤俊については、別途記事をあげたいと思います。
ロッテの清水が横浜へ 那須野&斉藤俊とトレード - (野球) - スポニチ Sponichi Annex ニュース
那須野選手、斉藤俊選手のメッセージ紹介 (ベイスターズ公式サイト)
清水直投手と横浜ベイスターズ那須野投手・斉藤選手のトレードについて (マリーンズ公式サイト)