はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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女子会を終えて

2015-01-22 22:40:29 | 鍼灸
1月21日の夜、母校の東洋鍼灸専門学校での女子会に行ってきました。
「女性鍼灸師と語ろう」というコンセプトで、入学を検討している女性を対象としたイベントでした。
冷たい雨の降る中、会場に足を運んでくださった参加者のみなさま、どうもありがとうございました

女子会には卒業生ゲストとして私を含め3名の女性鍼灸師が招かれており、鍼灸師を志したきっかけや学生時代の思い出、現在の状況などをそれぞれ話しました。
1年ほど前に同じく女子会のゲストとして招かれて以来だったので、前回と同様に緊張しすぎるかなぁと心配でしたが、程良い緊張感を保ちつつ話が出来たので何よりでした

参加者はもちもん全員女性。
どの方も真剣に話を聞いて下さり、質問もたくさん出て、活気のある女子会となりました。

私自身もそうでしたが、鍼灸師になろうと決意して実際に挑戦するかどうかを決断するまで、個人差はあれど様々なことを考え悩むと思います。
どの道を歩んでいくにしても云えることですが、何となく決めて進み始めてしまうと「あの時にこうしていれば…」という後悔につながりやすくなります。
実際、鍼灸師になるにはたくさんの時間が必要ですし、学費も決して安くはありません。しかも、入学してしばらくは地味で根気のいる勉強や基礎訓練が続きます。夢や憧れの気持ちだけで選んだとしたら、心が折れてしまう可能性もある資格の一つだと感じています。

自分がどうしたいのかをしっかり考えて決めたことは、その後にどんなに壁にぶつかっても必ず乗り越えられるし、少なくとも後悔はしないと思います。
必要なのは覚悟することと、その道をまっすぐに歩んでいく勇気を持つこと。

今悩んでいる方は自分が納得するまで悩み抜くのが一番だと思います。しかし、独りでは考え込まずに、既に鍼灸師になっている人などに気軽に何でも相談するのをおすすめします。

楽しい女子会はあっという間に終わってしまいました。もっとお話ししたかったなというのが正直なところですが、また何かのご縁でお会いすることがありましたら嬉しいです。

今回お話ししようかと幾つか考えていた中で、会場で話せなかったことがあります。
それは私自身これまでのことを振り返り、本当に大切だと感じたことで、これからも忘れないようここに書いておこうと思います。

『守破離』
しゅはりと読みます。
武道や茶道などにおける、師弟関係のあり方の1つとされています。
私には師匠がいるので、そのまま自分に当てはめやすいのですが、師匠を学校などに置き換えてもいいと思います。

守・・・師匠から教わった型を守る。修行の始まり。
破・・・教わった型を自分と照らし合わして研究し、自分に合ったより良い型をつくることで既存の型を破る。
離・・・師匠の型、また自分自身が造り出した型から離れる。そうすることで自在になれる。

何より大事なのは、まずきちんと「守」を実践すること。そこらかしか道は始まらないですし、「守」抜きではその後どんなに自分なりに経験を重ねても土台は脆いまま。だから全ての基礎となる学びをしっかりと行う。
次にその基礎を生かしつつ、型を「破」り自分に合う型に変えていくこと。いつまでも型を破らないままでは、それ以上の進歩が望めないと思います。
そして、学んだ型、築き上げた型、両方から「離」れて自由自在になる境地を目指すこと。これは一生涯をかけるものになります。
私の師匠も常に新しいことに挑戦し、その歩みは止まることがありません。その姿を見て、私もひたすら精進し続けていきたいという気持ちになります。

女子会の中での治療のデモンストレーションで、教員の方が簡単そうに治療されていましたが、それは「守」をきちんとされてきたからこそ。確かに学生でも鍼灸の効果は出せるようになりますが、ツボを探す精度を高め、より高い効果を持続させるような治療は、更なる学びと経験を経てからとなります。
学校選びはとても大切ですが、学校に入ったからといって何もかも教われるということはありません。むしろ、自分の意志がなければ、何も学べず時間が流れていくだけになってしまう可能性もあります。状況に関わらず、自分がどうなっていきたいのか理想や目的を常に明確にしていくことが大切だと思います。

今回参加された方々の中にも、今年、もしくは来年以降に鍼灸学校に入学される方がいらっしゃると思います。
3年間は長い様にみえて、あっという間に過ぎ去って行きます。
不安を抱えたり焦ったりすることがあるかもしれません。自分だけが出来ていないと感じることがあるかもしれません。でも、今回参加された皆様の真剣さは素晴らしく、一人一人が熱意を持って学ぼうとしているのを感じたので、きっと大丈夫でしょう!

いろいろと書きましたが、鍼灸、東洋医学を学ぶのは本当に奥深く、とってもやり甲斐があります。何より楽しい!

在学中はいろんな出会いがあります。
みなさまにとって素晴らしいご縁がありますように
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