爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

高野山奥院に空海が

2021-06-13 17:47:11 | 日記
和歌山県と奈良県の県境近くに、標高1000m級の8つ峰に囲まれた天空の里の様な盆地がある。

そこが空海が創設した日本仏教の聖地の高野山である。

ここは仏の浄土であり、一度でも徒歩でお参りすれば、みずからが犯した罪を償えると言われているのだ。

高野山の西側では、真言宗の総本山である金剛峯寺をはじめ、117の寺が立ち並び、そこから東に向かって歩いていくと空海の御廟がある奥院に到着する。

ここが聖地と言われるのは、空海が即身仏となって「生きている」からだ。

即身仏とは、厳しい修行によってみずからをミイラ化した仏様である。

空海は835(承和2)年に瞑想の修行に入り、弟子たちは空海の即身仏を御廟の地下の石室に移したのだ。

それ以降1200年近くにわたり、御廟には朝夕の2回欠かすこと無く、空海の食事である御生身供(ごしょうじんぐ)が運ばれているのである。

そんな霊場と呼ぶに相応しい高野山だが、寺院の合間には学校や観光センターなどもあり、決して敷居は高くない所なのだ。

しかし、2013(平成25)年に発覚した資産運用スキャンダルは世間を騒がせた。

賽銭やお布施などの一部を金融商品で運用し、6億8000万円もの損失を出したのだ。

それによって宗派の議会にあたる宗会が解散するという事態にまで発展した。

生前と同じように空海に仕える僧侶と、マネーゲームに走る僧侶…。
高野山はそのギャップの狭間にある。

まさに、究極の「聖俗空間」といえるのかも知れない。

即身仏の空海は、このような事態をどう感じているのだろうか。












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