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沖縄本島の南東部にある斎場御嶽(せーふぁうたき)は、琉球王国時代に最高の聖地とされていた場所だ。
そんな斎場御嶽から海を眺めると、一つの島が見える。
周囲がわずか8kmしかない久高(くだか)島だ。
しかし、小さいからと言って侮ってはいけない。
昔から「神の島」と呼ばれるほど、特別な扱いを受けてきた場所なのである。
琉球の神話によれば、アマミキヨという神が最初に降り立ったのがこの島で、ここから大地や人々を創ったのだという。
その為、神々の世界に最も近い島として大切にされてきた。
今も沢山の聖域があり、男性の立ち入りが禁じられている場所も少なくない。
神の島というだけあって、久高島には他では見られない独特の神事も伝わっている。
それがイザイホーである。
これは12年に一度、午(うま)年に行われる祭りで、久高島生まれの30~41歳までの女性がノロになる儀式だ。
ノロとは神事を行う巫女の様な存在である。
祭りは4日間に渡って行われるが、事前の準備を含めれば、ひと月にも及ぶ大イベントだ。
新人のノロは七ヶ所の御嶽を回って霊力を授けて貰ったり、踊りや綱引きをしたりと、様々な儀式をを行う。
島の女性は全てノロになる事が宿命付けられているとは言え、こうした儀式を終えなければノロとしては認めてもらえないのだ。
イザイホーは600年以上も受け継がれてきたというが、近年では過疎化が進み、新しくノロになる女性がいなくなってしまった。
その為に、残念ながら1978(昭和53)年を最後に行われていない。