様々な友人の話を聞くと、どうやらほとんどの人は第一印象を大切にするようである。だが私はこの見解を浅はかなものだと思う。いくら着飾っても長い付き合いをすれば、その化粧は落ちてゆく。そしていまや第一印象は、単なる過去の残像に追いやられる。その時になって、人々は知るはずである。自分の能力の限界、性格、思考方法などを知る事になる。もちろん、この時点に至れば、再度身繕いをしても無駄である。したがって私は第一印象で人を見極める事を浅はかなものだと思う。もちろん、ギリシャ時代から観相学と呼ばれる独特の人の見方は、学問として存在した。それは現代に至っても、なお精神医学の分野でそれは盛んに行われえている。ただし、この方法にも一定の限界がある。せいぜい出来てその人の性格の枝葉と才気ぐらいである。しかも後者は精確な判断力を持たなければ、出来ない。そのため、観相学とは直観に全てをゆだねていると言える。感受性豊かでさらに現実主義的な思考を持つ人しか、この方法は使えない。だから、観相学とは諸学問から揶揄されたのである。
だがそれでも人の見方に対する重要な知見は今なお存在する。ドイツの精神医学者クレッチュマー「性格と体格」において、観相学を不可解な学問から精神医学にとっては欠かせない重要な知見にまで引き上げたのである。その後、それは体系化され、現代の精神療法に活用されているのである。
だがそれでも人の見方に対する重要な知見は今なお存在する。ドイツの精神医学者クレッチュマー「性格と体格」において、観相学を不可解な学問から精神医学にとっては欠かせない重要な知見にまで引き上げたのである。その後、それは体系化され、現代の精神療法に活用されているのである。