「衣食足りて礼節を知る」という言葉がある。
これは今から二千年以上も昔の中国で言われたものだというが、
今日なお広く使われているということは、そこに人間としての一つの真理があるからように思える。
ところが、今日わが国については、「衣食足りて礼節を知る」どころか
「衣食足りて礼節ますます乱る』と言わざるをえないことが多い。これはまさに異常な姿である。
この世の中を正常な姿に戻して社会の繁栄、人びとの幸福を生みだしていく必要がある。
そのためには、まず自己中心のものの考え方、行動をみずから反省し、戒めあっていくことが肝要だと思う。
※松下幸之助【一日一話】より