自省の強い人は、自分というものをよく知っている。
つまり、自分で自分をよく見つめているのである。
私はこれを"自己観照"と呼んでいるけれども、
自分の心を一ぺん自分の身体から取り出して、外からもう一度じぶんというものを見直してみる。
これができる人には、自分というものが素直に私心なく理解できるわけである。
こういう人には、あやまちが非常に少ない。
自分はどれほどの力があるか。自分はどれほどのことができるか、自分の適性は何か、
自分の欠点はどうしたところにあるのか、というようなことが、ごく自然に、
何ものにもとらわれることなく見出されてくると思うからである。
※松下幸之助【一日一話】より