原題:TRUE GRIT(PG-12)
2010年・アメリカ(110分)
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ
監督・脚色・製作:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、
ヘイリー・スタインフェルド ほか
鑑賞日:2011年4月1日 (新百合ヶ丘)
鑑賞前の期待度:★★★☆
「随分と、久しぶりに西部劇を観たな~!」という印象でした。
良い!
じつに良い!
さすが、コーエン兄弟!
やれば出来るじゃないか、分かりやすい映画を撮ること。
“コーエン兄弟の最高傑作”との声もあるけど、
やっぱり、S・スピルバーグが製作総指揮にかかわると、
老若男女、万人に受け入れられる映画になるんだね。
Good Job!
キャスティングもグッド!!
昨年度、
念願のアカデミー主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスの良さは、
語るまでもありません。一目瞭然。
じつに男くさい!! じつに渋い!
マット・デイモンも、スバラしい!
この人は、やすやすと役柄の垣根を越えて演じることが出来る俳優なんだなぁ~。
体重落としたり、髪の毛抜かなくたって、
揉み上げと口髭だけで、もうテキサス・レンジャーにしか見えないんだもの。
劇中、マット・デイモンが演じていることを、すっかり忘れて見入ってました。
本当に素晴らしい。
(ちなみに5月には、
フィリップ・K・ディック原案の『アジャストメント』が公開予定。
今度は、自分の運命を操作されている若手政治家という役柄。
どんなエンターテインメイトに仕上がっているのか楽しみ。)
そして、14歳の少女マティ役を演じたヘイリー・スタインフェルド。
なんだろう?この堂々たる演じっぷりは!!
映画初主演だというのに、
ジェフやマットたち相手に、一歩も引けをとらない説得力ある演技。
長ゼリフだって、もう完璧!
すごい。
映画評論でも絶賛なのに、チラシには名前が大きく載ってないのが不思議。
それにしても、なぜ娯楽としての西部劇は製作されなくなったのか?
理由のひとつに、
時代とともにアメリカの価値観や歴史観が変り、
ネイティヴ・アメリカン(=インディアン)を、
かつてのようには描けなくなったこともあるのではないだろうか?
では、本作ではどう描かれたのか?
そこは、コーエン兄弟だけあって、上手い!!
偏見と道理の違いを明確にした上で、
たとえ相手が子供であっても情け容赦なく蹴り飛ばす。
その突き抜けた演出に笑ってしまいました。
文句なし。
“スクリーンで観る価値あり”の映画でした。
久しぶりの西部劇を堪能:★★★★★★★★★★
少女の一途さにハラハラ:★★★★★★★★★★★★★
本物の男の強さを知る:★★★★★★★★★★★★★★★★
真の勇気度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
鑑賞後の総合評価:
追記:
ネタバレにしたくないので、手短かに書きます。
名作『シェーン』(1953)を例にするまでもなく、
良い西部劇は、ラストの余韻こそ命。
では、本作のラスト・シーンは、どうだったか。
ぼくは、
観客のイマジネーションを喚起する、
余韻溢れる見事なエンディングだと感じました。
心がはやります。
マット・ディモンの口ひげと聞いただけで
ぞくっとします。
楽しみで仕方ありません。
MR.コナのこのエキサイティングな文章を読んで沢山の人がこの映画を観に
足を運ぶことでしょう。
素晴らしいです!
いつも、コメントありがとうございます。
この作品は、ほんと面白かったですよ。
ぜひ、マット・デイモンの口ひげに痺れてください。(笑)
ヘイリー・スタインフェルドの飾らないまっすぐな演技にも注目ですよ!