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『ヤギと男と男と壁と』 壁の向こう側へ。

2010年08月27日 | 笑っちゃった映画

原題:THE MEN WHO STARE AT GOATS     PG12
2009年・アメリカ/イギリス (94分)
               
製作:ポール・リスター、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
監督:グラント・ヘスロヴ
脚本:ピーター・ストローハン ほか
音楽:ロルフ・ケント
出演:ジョージ・クルーニー 、ユアン・マクレガー 、ジェフ・ブリッジス 、ケヴィン・スペイシー
    スティーヴン・ラング 、ニック・オファーマン 、ティム・グリフィン ほか

 

鑑賞日:2010年8月25日(渋谷)
鑑賞前の期待度:★★★

妻に浮気された新聞記者ボブは、
一念発起し、イラク戦争の取材に赴く。
そこで、かつて存在していたアメリカ軍の超能力特殊部隊“新地球軍”に所属していたというリンと出会い・・・。


偶然にも、チャンネルNECOで、
千原ジュニアが、この映画の邦題をつけるという番組を見てしまっていたことと、
なによりキャスティングの良さに惹かれ、観てきました。


*以下、ネタバレありの感想です。ご注意ください。




鑑賞後の印象は、
「ハムスターと 男と 男と 男と 男と
 超能力と Love&Peaceと LSDと
 砂漠と 拉致と 戦車と ヘリコプターと
 ヤギと ヤギと たくさんのヤギと・・・・・壁!」
と、いった感じ。

小ネタには笑いました。
映画『スター・ウォーズ』でオビ・ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーが、
本作ではジョージ・クルーニー演じるリンに“ジェダイ”や“フォース”について語られ、
それを怪しんでいるところなど、充分心をくすぐられました。

俳優ジョージ・クルーニーの代名詞ともいえる目ヂカラを、
リンの特殊能力「キラキラ眼力」として見せるところも、また然り。

「山羊たちの沈黙」にも、まんまと笑わされてしまいました。


秀逸だったのは、
原題『
THE MEN WHO STARE AT GOATS 』の通り、
リンがヤギと向かい合うシーン。
本当はヤギを殺すつもりなどなかったのに、
ヤギの顔を正面からじっと見つめるうちに押さえ切れない感情がふつふつと沸き起こり、
思わず「キラキラ眼力」でヤギの心臓を止め、殺してしまう。

バカバカしくて笑ってしまったシーンだけれども、
キリスト教では、
山羊は悪魔の象徴である事や、
自分たちに従順でない者を山羊に喩えるという観点からすれば、
そこに込められているのはかなりブラックなジョーク。
この映画のテーマが、
このシーンからクッキリとしてきたように感じられました。

さらに、我々は『壁』を通り抜けることができるのか?
映画の冒頭で提示された命題が、ラストで再び提示されたとき、
『壁』の意味するものが何であるのかということと同時に、
この映画のメッセージが伝わって来たように感じられました。


G・クルーニーの魅力はやはり目だと思う度:★★★★★★★★
E・マクレガーの俳優としての振り幅に感心する度:★★★★★★★★★★★★★★★★
J・ブリッジスの軽々とこなす演技力に感服度:★★★★★★★★★★
K・スペイシーは、やはりこういう役柄が似合うと思う度:★★★★★
この邦題で正解だったと思う度:★★★★★

鑑賞後の総合評価:★★★☆



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