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『アウトレイジ』 R15+
2010年・日本 (109分)
製作:森昌行、吉田多喜男
監督・脚本・編集:北野武
音楽:鈴木慶一
出演:ビートたけし、椎名桔梗、加瀬亮、三浦友和、国村隼、杉本哲太 ほか
鑑賞日:2010年6月16日(新百合ヶ丘)
思いがけず患った病から、やっとのことで回復したぼくに、
「ねぇ。久しぶりに映画でも観に行かない?」と妻。
「いいけど、何を観たいの?」
「たけしの映画。アウトレイジ。」
「えっ?アウトレイジなの?」
意表を突くリクエスト。
もしかしたら、勘違いしているのでは?と思い、
念のため、
「たしかバイオレンス映画だよね?大丈夫?」
と妻に尋ねましたが、
「わかってるよ。」と、あっけらかん。
「ほんとに平気?」
「平気、平気!」
「『菊次郎の夏』とか『HANABI』とは違うんだよ。」
さらに念を押すも、
「分かってるよ。だから、見たいの!」
「ぼく、一応病み上がりなんですけど?」
「知ってるよ。元気になって良かったね。」
「・・・・・・。」
「だって、観たかったんだもん。」
妻はどうしても観たいようなので、ぼくも覚悟を決めて劇場へ。
北野武監督作品としては7年ぶりのバイオレンス・アクション映画。
しかも、登場人物全員が【悪(ワル)】という異色作。
第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されるも、受賞ならず。
賛否両論の作品ですが果たして・・・。
一言で感想を言えば、
《痛っ!痛い痛い!!・・・でも、目が離せない~!!》
バイオレンス・エンターテインメント作品でした。
過激なバイオレンス・シーンに、妻は3回ほど目を覆っていましたが、
それでも、上映後は「面白かった~。」と満足した様子。
ぼくも、
縦横無尽なバイオレンスに思わず力が入りつつも、
痛々し過ぎて笑ってしまったり、
あくまで映画の中の事として「おお!?そういう殺し方があったか~!!」と、
そのアイディアに感心したりと、
デスパレートな男たちによる狂奏曲を堪能。
病み上がりであることを忘れて楽しみました。
さすがに、
カンヌ映画祭の公式上映後のような
スタンディングオベーションというわけにはいきませんでしたが、
心の中で拍手を送りました。
キャスティングも、北野作品には珍しい顔ぶれの俳優陣。
皆そろぞれに【悪(ワル)】な味が出ていて良かったのですが、
これだけ演技巧者が出演すると、
[ ビートたけし ]だけ、色が違って見えてしまうのは仕方がないところ・・・かな。
個人的には、柄本時生が、なぜか気になりました。(父親譲りの存在感?)
バイオレンス度:★★★★★★★
痛々し過ぎて笑っちゃう度:★★★★★★★
色んなものが凶器に見えてくる度:★★★★★★★★★
「コマネチ!」って言いそうでドキドキする度:★★★★★
総合評価:★★★☆
(大人だからこそ楽しめる作品。ひとりで観に来ている女性客の姿も。)
突然ですが、まだ『アウトレイジ』を観ていない人に、クイズ~!!
次のうち、いちばん間違った使い方をしているのは、どれでしょう?
①カッターナイフ
②歯科治療用ドリル
③菜箸
④黒い袋とロープ