国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

小論文の発想(3)

2006-02-14 10:47:37 | 国語
同類に注目するのと同じくらい大事なのが、対比だ。
つまり、反対の情報に注目するってやつだ。ついでに今日は「高度化」にも触れる。

そう言えば、今日はバレンタインデーじゃねえか。

よし、ここで【義理チョコ】を題材に対比の練習をしてみようじゃねえか。


まず、【本命チョコ】で対比とくるか。悪くねえぞ。

対比活用1
対義語を利用する。したがって、「主観と客観」「創造と模倣」などの対義語の知識は重要ということになる。


これをネタにすると、色々書けそうだ。そうさなあ、日本人の規範意識とからめて「本音と建前」論やら、世間論とかに持っていくてえのはどうだい。

あ、ここで「規範意識」とかって小難しい話をしやがるぜ、てやんでえと思っている方へ。

気持ちは分かるんだが、小難しい話もできるってことを大学に伝えてやるのも受験生の心意気ってやつよ。これを「内容の高度化」といっておこう。受験でも、恋愛でも言えるんだが、成長に必要なことの前には背伸びが大事ってことだ。高度化するためには大学の人のレベルを知るのが一番だ。極私的脳戸にもあるように現代文などを読めば、大学の人の思考のレベルがわかるだろう。


さて、いきなり反対語を持ってくるのもいいんだが、ちと、細かく見ていくのもいいな。こういうのを分析と言うんだが、そもそも、「義理」って何だ?

【義理】
①物事の正しい道理・筋道。「義理をわきまえる」
②今までの行きがかりや関係のため、さけられないつきあい・礼儀。「義理と人情の板ばさみ」「義理で出席する」「義理が悪い」
着物を買うて貰い、御飯も喰べさせて貰うた義理もおますよってなあ〔水上滝太郎・大阪の宿〕

ここで「義理と人情の板ばさみ」って言葉に注目できた人は偉い!

対比活用2
言葉の用例から考える。並列になっている場合や、「葛藤、矛盾、対立」などの対比を作る表現との関係に注目しよう。




「義理チョコ」ってのを定義すると以下の感じかな。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C1%CD%FD%A5%C1%A5%E7%A5%B3
バレンタインデー(2月14日)に、職場や学校などにおいて、特に恋愛感情を伴わずにプレゼントされるチョコレートのこと。

ここから「義理」と「人情」について考えることもできそうだな。
義理…職場や学校
人情…恋愛感情

ちゅー、構造も見えてくるな。ちと、高度化すると「義理=社会的関係」「人情=個人的心情」ってことか。高度化のコツもつかめてきたかな。つまり、抽象化するってことだ。

さて、近松門左衛門が「義理と人情」をテーマにしたのは有名だが、それも社会的関係と個人的心情の対立を扱ったとすれば、わかりやすいな(百川氏の説にあったような気がする)。だとすると、江戸も現代も同じだという内容の小論文も可能かも。

あるいは外国と対比させるっていう手もある。

Wikipediaのバレンタインデーによると「ヨーロッパなどでは花やケーキ、カードなどを恋人に贈る習慣がある。これは日本とは違い、女性から男性のみとは限らない」とある。このあたりから、男女論に持ち込むことや義理チョコめいたものがなさそうなことから切っていくとか色々な展開が可能だろう。

対比活用3
主な対比の軸は【日本と外国】【今と昔】【精神と物質】【プラスとマイナス】【一般論と自分の意見】である。




で、だ。

今回、小論文の発想について三日書いた理由なんですが、バレンタインデーに義理チョコの話を書きたかったからなんですね。
敬愛する友人と義理チョコについて語っているうちに、ブログのネタにしたくなったのですよ。

長々と付き合ってくださった方、ありがとうございました。
ダイエットは義理チョコを処理してから開始する予定の国語屋稼業でした。

つか、誰か本命ください。
おいらは今日(未明)、昔の彼女から結婚することになりましたメールが着ましたよ。
バレンタインデーって、そういう日じゃねえと思うんだけどな。

(一部、訂正&追加17:30)



コメント
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