
中公文庫『怒り』上・下
※優馬&直人のシーンのみネタバレあります。
先日、番宣仕様の表紙&しおりに惹かれ、
購入した『怒り』上下巻
映画公開を来月に控えたので、
さっそく読みはじめ、たった今上巻を読み終えました。
以前はハードカバーだったので、
重くて疲れましたが、やっぱ、、
読書は文庫本が楽ちんですww
それに、結末まで知っているので、
じっくりゆっくり読み進めることが出来ました。
秀逸な小説は、先が分かっていても
心地よく読むことができるんですね。
特に優馬&直人のシーンについては、3回くらい繰り返し読んでます^^;
吉田修一さんの文体って、、とても読みやすい
そのまま流れに身を任せていられるし、
言葉は直線的なのに、感情に包まれているような感じ。
心地よくて、圧倒的な安定感ですね。
最初に読んだ時には、先を焦っていたので気づかなかった想いもあります。
この物語は、どの家族の場面を切り取っても
切ないです。
でも、やっぱり
優馬&直人の場面では、
読み返しながら、あれやこれやと想いを馳せています

衝撃的な出会いのシーンは、
妄想Maxですよ~
腐女子の笑みを浮かべながら
ひたすら読みふけり、(怖いッ?笑)
優馬が、直人を愛しく思いはじめているのに、
なかなか素直に信じることが出来ない。
そんなシーンに歯がゆい思いをしたり、
優馬のお母さんが亡くなったあとの2人のやり取りなどは、
切なくて、涙で文字が追えないことも。
優馬だけでなく、
優馬のお母さんも、お兄さんも、友人で義姉の友香も、
みんなが直人のことを大好きになって、
本当の親族のような気持ちを抱くようになっていきます。

直人って、やっぱ、優しいッ

ぶっきら棒ではあるんだけど、
ちゃんと優馬に寄り添っているっていうか、、
お母さんの葬儀の時、
優馬は、学生時代の友人たちにゲイであることを知られたくなくて、
直人を家に追い返してしまうんです。
優馬は、直人に謝るんですけど
直人はひと言「いいよ」と。
そして、お母さんを失った優馬に対し、
こう言います。
“もう ちゃんと泣いた?”
“泣いた方がいいよ。
我慢したって、いつかは泣くんだからさ”
その言葉に、優馬は、お母さんへの想いが様々去来し、
“ごめん・・・・俺、泣くかも”
直人は、優馬をそっとしておこうと外へ出ていこうとします。
“どこいくんだよ?”
“外にいるよ”
“いいよ。 いてくれよ”
直人のさりげない優しさに、
優馬の心が溶けていく瞬間ですね(涙、涙)
このシーンのセリフは、直人のしおりにも使われていますね。
私的、上巻の神シーンかもデス


つらつらとスミマセンッ
最後までお読み下さった方、
ありがとうございました。