2週間ほどまえに、東京の一般試写会で一度目撃し、
今回は2回目です。
※ネタバレ、きっとします(笑)
知りたくない方は、鑑賞後にお立ち寄りくださいませ。
日悪パンフ(¥720?)←要確認
レトロな週刊誌っぽい
中は、役者さん、スタッフさんのPR、インタビュー
&コンストラクションレポートが中心です。
とっても見やすくて、読みやすいです。
原作者の稲葉圭昭さんのコメントも載っています。
収監中に書籍化のお話しがあり、
出版時に映画化されるといいなと思っていらしたこと。
話がきたときには「おおっ!遂に来たか!」と。
主演の綾野さんから「柔道の技はなにが得意なんですか?」と聞かれ、
「三角締め」と答えたところ、
柔道のシーンで使われていたと。(ニクイね、綾野さん
)
ご自身も作品に出演されたことや、最後の綾野さんの表情にグッときて、
涙が出そうになったことなど。
私も5か月ほど前に原作を読んでいますので、思入れも強く、
稲葉さんのコメントのひと言ひと言に、胸にくるものがあります。
「実話をもとにしたフィクション」
と字幕に出てますが、これはかなりグレーな表現を上手く使っていると思いました。
原作にかなり寄せて描かれていますからね。
稲葉さんは、過去の北海道警が犯した過ちを、風化させたくないという思いと、
この映画は、実話を基にしているんだと改めて伝えて欲しいと仰っていました。
その思いは、観客に十分に伝わったんじゃないかと思います。
さて、日悪の綾野剛さん。
すごいッ!のひと言です
主人公諸星要一以外の何者でもありませんでした。
何度も口から○○を吐かれたり・・・
よくぞここまでッ何度も「かぁ~」とか「ペッツ」とか(苦笑)
いつもの美しさはなく、カッコよくもありません(笑)
初めは純朴な柔道青年が、先輩刑事(ピエール瀧さん)に触発されて
まるで、ノルマをこなす営業マンのように、犯人を検挙し始めます。
スポーツなどで、すごいレベルに行く人って、
目標が定まると、とてつもない集中力で突き進んでいくじゃないですか、
そんな感じで、手段ではなく、結果を出すことに終始してしまう。
本末転倒型な展開は、ただただ笑うしかなかったですね。
刑事として頭角を現すようになると、
イイ女も近寄ってくるし、、
それを励みに、益々がんばろ~って、
粋な兄ちゃんっぽい諸星が、すっごく可愛かった。
とにかく色っぽい魅惑の女性が登場しますから、
男性にとって、楽しみなシーン満載かもしれません(笑)
物語中に、3人のS(スパイ)が登場します。
諸星は、徐々に彼らを単に仲間としてではなく、
ある種の“家族”のように感じ始めます。
彼らも、同じような気持ちを抱いていたと思うのですが、
年月と犯していく罪の狭間で、徐々にブレていくのです。
彼らの諸星に対する気持ちの変化が、
すなわち、諸星の運命を握っていたんだと思うと、
諸星だけは、ずっと純朴だったんだなと感じますね。
だって、最初のS黒岩(中村獅童さん)には、大きなヤマで裏切られちゃうし、
パキスタン人Sラシード(槙野行雄さん)には、刺されちゃうし、
挙句は太郎(YOUNG DAISさん)の告発で、覚せい剤取り締り法違反で逮捕されてしまうんですから。
3人のSを“家族”と思って、身を粉にして養い、
時に命を懸けて守っていたのにね。
この映画は、中盤くらいまでは、娯楽作品としてとても楽しめますが、
後半は、警察のおとり捜査を始めとする様々な闇の部分、
“家族”の裏切り、覚せい剤の恐ろしさ、など、
重いテーマが観るものに迫ってきます。
諸星が夕張へ飛ばされ、シャブ漬けになっているのを象徴するシーンは
特に忘れられません。
柔道をやってる少年を補導して、
親元に送って行くんですが、
その少年に、軽々投げ飛ばされてしまう。
その時の諸星の表情、、すべてのものがストップしてしまったような、そんな感じ。
柔道で鍛えたはずの身体が、覚せい剤によって、、
すっかり衰えてしまったんですね。
心が痛かった。
最後は、、逮捕された後、
弁護士が接見にきた時に、、
諸星が語った言葉が、あまりにも切なくて。
涙が込み上げてきました。
柔道しか取り柄のない自分に、
たくさんのチャンスをくれた道警に感謝していると。
早く罪を償って、道警に恩返しをしたいと。
手段は間違えてしまったけれど、純粋に自分の仕事を全うした諸星。
綾野さんの仰るように、ブレていないですね。
愚直なまでにも愛おしい諸星を生きた綾野さん。
お疲れ様でした。
人の、強いところ、弱いところ、醜いところ、愛おしいところ、
いろんなもの見せていただきました。
ありがとうございました。
でも、でもですよ、、
今はしばし、美しい綾野剛さんでいて欲しい。。
そして、念願の壁ドンでも、超ラブコメでもよいので、
美しいままで、生きて下さい。
そう思うのは、私だけではないはずです(笑)
長々だらだらスミマセン。
最後までお読み下さった方、
ありがとうございました。