感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

ジョージ・ワシントン大統領と寄付文化

2012-02-07 | 感動は命の肥やし
韓国の中央日報のアメリカ版、正確にはNY版のコラムの欄に
時々寄稿される李・キルジュ教授の書かれる話は、いつも興味深い。
ご本人が、大学のアメリカ歴史専門なだけに、あまり知られてないアメリカの
歴史の裏話などを今の世情と比べながら書いておられる。

2月7日付けの新聞の記事がこの「ジョージ・ワシントンと寄付文化」

アメリカ歴史の中に、富はどんな役割を果たさねばならないかに対する自論のはっきりとした人物がいる。初代大統領のジュージ・ワシントンだとあるところから続く部分を要約して書き抜いてみる。

彼は5億ドル以上の財産を所有していた。
もともとは、地図を作り土地の取引を可能にする為に山を切り開くのが
仕事であった為、土地所有に対する欲望を持つようになったのは自然の成り行きだったはずだ。
20歳で始めて1500エーカーの土地を手に入れてからは,継続して近郊の土地を買い、財産を増やしていった。再婚相手の女性が持っていた土地も合わせるなどしていきながら、
彼は、アメリカの歴代大統領の中で最高の金持ちとなった。
ワシントンは、富を使うことに躊躇しなかった。豪華な自宅を立て
最高級の大型馬車に乗り富を誇示した。高級な英国製の特注の服を着、
金銀でできた装身具をつけることを好んだ。
富を積むことに積極的で、富を誇示することに躊躇しなかった彼は、
自分の死後の財産の扱いについてはっきりと立場を明確にしていく。
遺言状は、3つの”F”で整理できる。

最初のFはFREEDOM、解放だ。
まず、自分が所有権を持つ124人の奴隷をゆくゆく解放するようにとあり、彼らが一人立ちしてゆくに必要な教育、医療、定着のための訓練に必要な基金を準備した。
子孫らがこれに従わない可能性も考え「聖書の概念を守れ」とまで明示してあった。
今の視覚で見るなら、歴史的な悲劇の被害者達、
また社会の中で一番の弱者の事をまず考えたと言うわけだ。

次は、FUTURE、未来だ。
彼は多くの株式を所有していたが、それらを公共教育や孤児や貧民の子女教育の為に
そして、アメリカの子供達がヨーロッパの大学に留学する現状を見、
アメリカで大学教育が受けられるよう大学を建てるように株式を使うよう指示した。

こうした後で、家族と知人(FAMILYとFRIEND)に残りの財産を分けた。
まず、生活の大変な者から先に分けていった。

この原則に従い、ワシントンの一番下の弟チャールズには、
金の装飾が施された杖一本だけを残した。
「すでに、生活してゆけるだけの十分な事はしてやった。」との言葉を添えてだ。
遺言状には、誰とも相談したのでなく自分で決めた内容だと書き付けてあった。
誰にも不平を言わせないとしたわけだ。

アメリカで今も最高の尊敬を受ける理由があるのだ。

アメリカ人は寄付をすることを、子供の頃から自然に身に着けてゆく。
小学校の時から、孤児院や老人ホームなどに寄付をする機会が何度も与えられる。
余裕のある者が、そうでない者に分け与えてゆくということだが、
そういえば、去年のアメリカ東部地震でヒビが入ったワシントンモニュメント
(鉛筆みたいに空に向かって立ってる塔のこと)の修理費を
寄付した富豪の事がニュースで言われてたな…。

良い事は良いと素直に受け入れ、見習おう…同じ事はできないけどその精神をです。

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