感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

必要とされない赤ちゃんを守るセイフ・ヘブン法

2013-09-10 | 感動は命の肥やし
数週間前、ここからそれ程遠くない町のゴミ箱の中から、新生児が発見され捨てた親を探しているとのニュースが流れていたのを記憶している。そして、先週、子供を捨てた母親が見つかったという事だ。

39歳のこの女性は、自分のアパートで子供を出産した後、ビニールの買い物袋に入れてアパートのごみ収集所に捨てたらしい。

男の子は、ごみ収集所の近くの15歳の男の子とその友達が見つけた。
「僕たちは、何か動物でもいるのかなと思って、声のする袋を開けてみたら、ごみと一緒に赤ちゃんが入っていたんだ。」発見された男の子の赤ちゃんは、病院で手当てを受け、無事だと言う事。

「あなたの赤ちゃんを捨てないで」
欲しいと思わない生まれた子供の為の安全な捨て場所があります。
こういう見出しの法律があります。SAFE HAVEN LAW

赤ちゃんを合法に捨てる事ができるという法律です。ただ、捨てる場所が決められています。
病院のエマージェンシールーム、町の警察署(または消防署)です。
生後30日までの子供であれば、そして、虐待などの痕跡がなければ、
匿名で子供をおいてゆく事ができます。
何も、咎められません。
安全に捨てられた子供は、養子縁組などの法的な手段を取り、国がきちんとケアするという事です。

この法が制定される前、大学生がモーテルのゴミ箱に生まれたばかりの子供を捨てたり、卒業前の高校生が学校のトイレに新生児を捨てたり、そんなニュースが続いたとの事。
この法律は、親の勝手な事情で捨てられ、死んでゆく小さな命を救う為に作られたと言います。
1999年、この法が制定された最初の州がテキサス、ニュージャージーでは2000年にこの法が制定されます。

ニュージャージーで法制定前の12ヶ月間に8人の子供が捨てられたけれど、法が制定されてからの12ヶ月間に捨てられたのは、2人だけだったと言います。
そして、2011年までの間に、この法によって36人の尊い子供の命が、合法に捨てられることによって守られたとの事。それでも、この法律で命が救われるのは、捨てられる子供全体の60%、10人に4人は今なお、そのまま捨てられているのだと言います。

生まれてくる子供には、何の責任もない。子供の人権を守るアメリカの姿勢は、
いろんなところで見る事ができます。
保険の無い不法滞在者でも、その事は問われることなく、病院で無料で子供を産む事ができるシステムもそうです。子供を虐待した親が捕まるニュースは、普通に流れます。
公共の場で、子供を叩くなどといった行為はここでは許されません。
変な例をあげるなら、子供と一緒にお風呂に入るのも
ここでは考えられない事になります。特に、父親が女の子と一緒に入浴するなんて
とんでもない事です。(トトロの入浴シーンのように)

しかし、そうまでして法で守るしかない現実があるのだと思います。
子供を守れない親たちが多いのだと思います。
アメリカの家庭崩壊の一番の犠牲者は、子供たちなのだと、このニュースを見ながらいろいろ考えた一日でした。


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