Keep Your Stick on the Ice!

カナダで出会った生きている英語

He's crazy as a loon.

2007年04月02日 | Weblog
 米国とカナダが良く似ていることはカナダ人以外の万人の承知するところだが、流通しているコインも、ヨーロッパのように通貨統合されているわけでもないのにそっくりで、愛称まで同じである。1セント硬貨はpenny、5セントはnickel、10セントはdime、25セントはquarter、めったに見かけない50セントはhalfというように。日常生活でもけっこう使われるので、覚えておく必要がある。今では両国でまたしても似たような$1硬貨が出回っているが、いち早く鋳造したカナダは、その愛称を"loonie"とした。日本語に訳せば「頭の変なやつ」である。その硬貨にはloonという、カナダのアウトドアを象徴する鳥、日本語ではアビ、が描かれている。Anneがその鳴き声を真似て、いかにおかしな声を出すかを教えてくれたが、"loonie"とはそこからきているらしく、"He's crazy as a loon."という言い回しさえある。実際、カナダでカヌーを漕いでいるとloonのつがいに遭うことがある。近づくと、潜水の上手な彼らは水中に潜り、1分ぐらいしてちょっと離れたところから姿を現す。夜、焚火の音以外何も聞こえない静かな森の中、彼らはしばしば例の狂ったような声を上げるが、今の僕にはなんとも美しい叫び声である。寝袋に潜ってテントの中でぐっすりと眠っていても、オオカミの遠吠えとともにその美しい響きが聞こえてくる。