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奈良市北部・高の原の昆虫

奈良県と京都府の境の町、高の原周辺の昆虫を紹介します。
旅行や、でかけた先のお店や、日々の事などもつらつら。

テングチョウ、金魚マークの生きた化石

2009年02月24日 | チョウ目チョウ タテハチョウ科
テングチョウのサナギを見つけて持って帰っては、
寄生バチとこんにちは。
そんなことが3回あり、諦めかけていました。

自宅周辺では成虫すら見た事無いのに、なぜかサナギだけ
見つかるんですよね。


2008年4月末のある日、庭のエノキに幼虫を見つけました。



う~ん、これは何だろう?
エノキなので、ゴマダラチョウかテングチョウか?
どちらも初齢幼虫を見た事がなかったので、
とにかく寄生されないよう、屋内に取り入れました。


しばらく育つとこのポーズをするようになりました。

2

ああ、これは、写真でしか見た事の無い、
テングチョウ幼虫の、威嚇ポーズです。
これでも威嚇なんですよ、怖くもなんともないのですが、
誰に対して効き目があるのでしょう。

テングチョウは、その原始的形態と、化石でも発見されていることから、
恐ろしく昔からいるチョウということで、「生きた化石」と呼ばれているそうです。
原始的形態と言っても、どこが原始的なのか自分は分かってないのですが、
あの天狗の鼻状の突起(パルピ)もその一部なのでしょうか。

タテハチョウ科テングチョウ亜科に分類する考え方と、
テングチョウ科テングチョウとして分類する考え方があるようです。
自分も後者の方が好きなのですが、
当の本人達にとってはどうでもいいことですよね。


食草は、上に書いたエノキの仲間です。
エノキに、なんでかモンシロチョウの幼虫がいるなあ、と思ったら、
それは高確率でテングチョウの幼虫です、ここポイント。

「エノキにモンシロチョウのアオムシがいるなあと思ったら、
 それは大抵、テングチョウの幼虫ですよ!」
はい、大事なことなので、2度言いました。


1_2

前蛹になりました。
クルッとなっていますが、おしりで葉にくっついています。


Photo

脱皮してサナギになりました。
このサナギの付いていた葉、別の個体に食べられてしまいました。
大きさは、上から下まで1.5センチくらいだったでしょうか。


時が経ち、羽化直前となりました。

1_3

中が透けて見えます。
今までのサナギは、全て寄生されたサナギでしたが、
やっと、まだ見ぬ成虫に会えるのか。


2_2

ちょっと油断している間に、出ていました。

テングチョウの翅には朱い紋がありますが、
これ、金魚にそっくりと思いませんか?
リュウキンですね、ウチにもいます。


3

テングチョウの顔です。


4_2

庭のエノキに乗せて、さようならです。
次代の産卵もここでよろしくと、宣伝しておきました。


テングチョウの発生は、年1回です。
梅雨~夏の初めに成虫が羽化し、暑い夏には木陰で夏眠して過ごし、
秋には起きて、冬を越し、春に産卵をします。
身近なチョウの代表として、例えばナミアゲハの寿命が2週間程ですから、
テングチョウはとても長命ですね。





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