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奈良市北部・高の原の昆虫

奈良県と京都府の境の町、高の原周辺の昆虫を紹介します。
旅行や、でかけた先のお店や、日々の事などもつらつら。

シンジュサン、オオミノガのサナギ

2010年07月03日 | チョウ目ガ ミノガ科
高の原の「野鳥の森」が2009年1月で閉園となり、
施設撤去等の工事後、ボランティアグループ管理のもと、緑地公園になります。
今日はその「内覧会」があったので、見に行ってきました。
 
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入り口ゲートです。
以前にはここに「野鳥の森」の看板とゲートがありました。
ずいぶんシンプルになりました。
 
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敷地内。
鳥類の飼育ドームはすっかり撤去され、
すっきりとした小径になっています。
以前はココをいろんな鳥達が歩いていました。
 
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ちょっとこの時、雨がキツくてちゃんと撮れなかったのですが、
オオミノガのミノと思われます。
 
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こちらはおそらくシンジュサンのマユ。
小さい穴が空いてるが、寄生があったのかな?
左のは枯れ葉でした。
 
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ソテツです。
クロマダラソテツシジミが付く可能性。
 
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鹿のツノのような枝振り。
 
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ここは以前、水鳥のための池でした。
今後、どうするのだろう。
水を溜めたらいろんな生き物に接することが出来るだろうが、
管理と維持費が大変だろうな。

ここで飼育されていた鳥達は、なんとか皆、引き取り園が決まって、
引き取られていったそうです。
住宅街の中の施設とは思えない程、多種の鳥達が居ました。
 
 
 
以下、毎日新聞の記事から引用

■奈良市・野鳥の森閉園 180羽受け入れ先決まる/2月17日16時2分配信 毎日新聞
 
◇殺処分回避、全国18施設へ
入場者数減少などで1月末に閉園した「野鳥の森」(奈良市左京5)で、
受け入れ先探しが難航していた野鳥は、全国18施設に引き取られることが決まった。
閉園までに見つからなければ殺処分される可能性もあった。
特に苦戦したシロクジャクも含め、無事11種180羽のすべての行き先が見つかった。【泉谷由梨子】
「野鳥の森」は奈良市総合福祉センター隣接地で91年にオープン。
敷地面積は約1万2500平方メートル。高さ約25メートルのゲージが張られた中で
野鳥が放し飼いになっており、来園者は自由に触れ合って楽しむことができる施設だった。
オープン時年間約3万人だった来園者だが、徐々に減少。鳥インフルエンザが国内でも見つかった04年には
敬遠した小学生らの遠足でキャンセルが相次ぎ、4000人台にまで落ち込んだ。
市議会で赤字が問題視され、06年に閉園方針が浮上。報道などで知った来園者らで07年、08年度は
1万人以上まで盛り返したが、時は既に遅く、惜しまれながら先月末に閉園した。
閉園後の野鳥の行き先を探すため、市と市社協はアンケートなどをして全国の動物園などの施設に打診。
当初は全国40施設から返事があり引く手あまたの状況かと思われた。
しかし、各施設の希望は絶滅危惧(きぐ)種のツクシガモなどに集中。
逆に人工的に作り出されたシロクジャクは気性が荒いなどの性質も災いして希望が少なかった。
そこで、当初は関西圏を中心に探していた引き取り先も、市は「不人気」のシロクジャクの希望施設を優先。
電話などで交渉を続け、他の野鳥との「抱き合わせ」などの方法で、1月中旬にはすべての行き先を無事
見つけることに成功した。その代わり、引き取り施設は栃木県から福岡県までの18施設と広い範囲に
散らばることになった。野鳥の引っ越しは今月20日ごろから始まる予定。
専門家の助けを借り、えさで網に誘い込む方法で捕獲して、運搬は各施設が担当する。
閉鎖の引き金となったのは赤字だが、センターの隣接地に同園が建設された理由の一つには
「障害のある人が自然に触れ合い、交流できる場に」という意味もあった。障害者や高齢者、
子どもは無料で入園できた。
センターのリハビリ室などの窓からは、野鳥を目の前に眺めることができ、利用者らに親しまれていた。
跡地の利用方法は未定。来年度1年間かけて検討される。
しばらくは野鳥だけがいなくなった状態のままになりそうだ。
同センターに週に1度、歩行訓練に通っているという奈良市の川上太さん(61)も
「鳥を見ながらだと元気がわいた。殺風景になるのは悲しい」と残念がる。
こうした市民らの声に対し、市障がい福祉課の奥俊也課長は「新しい環境で野鳥たちが快適に過ごせるように
願っています。機会があればあちこちに引っ越した野鳥をぜひ見に行ってあげて」と話している。


オオミノガの、ぶらさがり方

2009年03月31日 | チョウ目ガ ミノガ科
昨年秋に、オオミノガの観察をしていて、
ぶら下がり方にもいろいろあるんだなあ~と思いました。
とりあえず、確認した4パターンを、下手な絵に描いてみました。
 
 
Oo1
これが、一番よく見るぶら下がり方ではないでしょうか。
自分の糸でミノを枝に固定するのは、 これから眠りに入る時と思われます。
起きて葉を食べに移動する時は、この糸の固定をはずします。
面倒くさそうです。
 
 
Oo2
緊急に隠れる必要のある時は、 こうやって
自分の足1本で枝につかまったまま、 隠れます。
 
 
Oo3
食べた葉の軸をミノの中に引き入れて、 その軸にぶら下がっているカタチです。
食餌途中の、緊急避難の際の隠れ方と思われます。
ミノの中で、残った葉をゆっくり食べることができます(多分) 。
 
 
Oo4
これ、かしこいなあと思いました。
食べた葉の軸を枝から切り離して、枝にひっかけて、 軸の両端を自分で持っています。
でも、いざというときは脚1本でぶらさがることもできるので、
何の為に軸をひっかけているのか、分かりません。
軸を確保したまま、移動もしていました。何をしてるんでしょうね。


このオオミノガ1頭は、しばらく家で飼育していましたが、
とにかく移動したがり、狭い飼育ケースの中ではミノがひっかかって苦労しているようでした。
このままでは弱らせてしまうかもと、ミノにマーキングして、もとの場所に返しました。

ところが先日、その場所を見に行ったら、草刈りと枝打ちが行われたようで、
オオミノガのたくさんいたクスノキの下枝が、苅られていました。
クスノキの上部に、まだオオミノガを確認できましたが、頭数はずいぶん減りました。

「絶滅寸前種のオオミノガ発生地につき、このクスノキの枝打ちは容赦ください」とでも
張り紙でもしておけばいいのかな。
奈良ではまだ、害虫扱いのオオミノガですが、オオムラサキ放虫会の時、
秋山先生とオオミノガの話をしていて、やはり「見なくなりましたね」と言われていました。
もともと外来害虫なので、居なくなっても誰も困らないというか、むしろ喜ばれるんでしょうね。
しかしチャミノガしかいない風景というのも、寂しい気がします。




オオミノガ1

2009年02月15日 | チョウ目ガ ミノガ科
おとなりの大阪府では、
そろそろレッドデータブックに載るのではないかと言われています。
生駒山を越えた、こちら奈良では、
オオミノガは害虫扱いということで、
まだまだ「安泰」なのでしょうか。

オオミノガを、昨年秋に、朱雀1丁目緑地で
初めて見つけました。
緑地頂上付近の、植栽されたクスノキに、
20頭近く、数えました。

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もとは大陸からやってきた外来の昆虫ですが、
日本に定着して帰化種になりました。
果樹に被害を与える害虫でもありました。

現在は、これまた大陸から船に乗ってやってきた
オオミノガヤドリバエの寄生により、
西日本のオオミノガは絶滅しつつあり、
レッドデータに記載する県もあります。

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オオミノガのメスの成虫は、翅も脚もなく、
ほとんど幼虫と同じような姿で、一生を終えます。
交尾は、オスが飛来し、メスのミノの外から交尾器を差し込みます。
オスは交尾後、ポトリと落ちて死んでしまいます。そもそも、
口吻が退化しているので、蜜等を吸う事ができません。
メスは産卵後、卵が孵化する頃に、ミノの下の穴から這い出て、
オスと同じくポトリと落ちて死にます。

儚いというか、潔いというか。

メスが飛べないということは、すなわち
幼虫の時点で、分布域拡大をはからねばならないということでしょうか。
オオミノガの幼虫は、そうとうな距離を移動するようです。