奈良市北部・高の原の昆虫

奈良県と京都府の境の町、高の原周辺の昆虫を紹介します。
旅行や、でかけた先のお店や、日々の事などもつらつら。

家か?

2014年10月09日 | カメムシ目 サシガメ科
昨日、娘が下校途中に拾ったのか、
面白いモノを持って帰って来てくれました。

セミの脱け殻です。



抜け殻、秋の抜け殻なんて、
なんにも面白くないやん?



あれ? 中に…



中でごじゃごじゃ動いとる!



5~6頭おる!



サシガメのお子さんが、抜け殻を家にしておりました。
たまに出たり入ったりして、外をうかがっています。

セミの抜け殻には、いろんな利用方法があります。
工作に使ったり、
中にコウチュウを入れて抜け殻を生きてる様に動かさせてみたり、
しょこたんに身につけられたり。

家にするという手もあったんですな!
サシガメ、賢いのう!

抜け殻は、写真を撮った後、
近くの遊歩道の幹にくっつけてきてもらいました。


ヨコヅナサシガメ、冬のおしくらまんじゅう

2009年02月18日 | カメムシ目 サシガメ科
今の時期、ヨコヅナサシガメの幼生をよく見かけます。

エノキやサクラの木の幹に、何か黒いもじゃもじゃががあるなと思い、
よく見たら、手足の生えた集団だったりします。

Y1

彼らは、寒い冬は兄弟でかたまって生活をし、
その間、協力関係にあるようです。
肉食なので、他の昆虫を襲うのですが、
獲物を見つけると、あるフェロモンを発して、
兄弟に伝えるらしいのです。
自分はイラガ等の幼虫が、数匹に取り囲まれて餌食になっているのを
見た事があります。

そして、成虫になり冬を越すと、繁殖のためでしょうか、
一家は解散します。



普段は身体の下に折り畳まれている細い口吻を、
獲物に突き立て、ストローにして、体液を吸います。

同じカメムシ目であるセミにも長い口吻があります。
自分は無造作にセミを掴んで、刺されたことがあります。
セミは肉食ではないので体液は吸いませんが、
暴れて刺さってしまったのです。あれは痛かった。

ヨコヅナサシガメも、たまには人を刺しますが、
それはちょっかいを出されたことに対する反撃であって、
人の体液を吸う為ではないです、念のため。
哺乳類の体液を狙うサシガメは外国にはいますが、
日本にはいません。

Y2

脱皮をして、成長した幼生です。
赤い人がいますが、脱皮直後はこのようにきれいな赤色です。
時間が経つとともに、黒くなるので、
だれかさん専用ではありません。

Y3_4

幼生の顔を大きく撮ってみました。
口から伸びた口吻が、曲がって身体の下にたたまれているのが
分かるでしょうか。
結構、可愛い顔をしています。

樹木の葉を食害する幼虫を退治してくれるので、
園芸的には益虫とされています。