大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

博士号取得者に500万円の持参金を政府が用意

2009-05-13 01:30:18 | その他
 博士号取得者に政府が500万円の持参金を持たせて就職させようとしているようです。
 ポスドクのポストは前よりは広がったものの、一般企業には就職できない状態が以前と続いている博士号取得者。この対策に09年度補正予算案に1人採用するたびに500万円の持参金をつけるということです。
 会社からは「博士は視野が狭くて使い物にならない」とか「自分の好きなことしかやらないので会社としては使えない」とか、使ったこともないのにこき下ろされている博士様たち。
 私の職場には博士号取得者や博士課程中退者がたくさんいますが、みなさんそれぞれに自分の専門を生かしながら、研究とはまるっきり異なるお仕事をやってます。それが業務の質を高める結果にもなっていると思います。
 博士号にもいろいろあるとは思いますが、ぼくが行っていたところでは、「博士号というのは世界の知の水準を自力で前進させることができる証である」という方針で、たとえていうとオリンピック選手になるか辞めるかどちらかという二者択一の世界。そのためには、極めて厳しい競争に身をおくことになります。毎日14時間や16時間実験をするのは当たり前。休みなしも当たり前。そんな世界。みんながそんなんですから、だれもがその中で頭1つ抜きん出てオリンピック選手になれるなんてわけはないわけです。身体や精神に不調をきたして辞めざるを得なくなる人は続出するわけです。

 しかし、この程度に働く人というのは、一般の会社員ではそう多くない(いわゆるブラック企業ってことになりますね)わけで、こういう人材を使えない日本社会ってのは、たいそうなものを失っているように思います。

 『若者はなぜ3年で会社を辞めるのか』で一躍有名になった城繁幸さんもブログで、「勉強しすぎるとマイナス評価される国」ということで記事を書いておられます。
 城さんによると、年功序列の賃金システムがこうした人たちの就職を妨げているということになるのだそうです。

 金一封もたせて民間に押し付けるよりも、率先してやってもらいたいのは、公共の仕事にこうした人たちを迎え入れることなんじゃないでしょうか。先日、紹介した竹内薫さんの意見である、学位取得者を学校の先生に、というのはとてもいい案だと思います。私の知り合いでも学位取得者で中学校の理科の先生をやっていて、学校に理科好きの環を広げていらっしゃる先生もいます。ほかにも、厚生労働省や環境省にはもっと理系の学位取得者がいていいはずです。
 一人当たり1億円くらいかけて育てた学位取得者を社会の隅においやっておくのはもったいないですよ。

 まあ、500万円の持参金もたしかに今回の補正予算案の中身としてはまともなほうではありますが、500万とかケチなこといわないで、3億くらい用意すれば一生お役所で雇用できるんですから、そちらを考えたほうがよかろうかと思います。

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