Think Globally, Act Regionally:『言葉の背景、カルチャーからの解放、日本人はどこへ往く』

身のまわりに見受けられるようになった「グローバル化」と生きる上での大事な「こころの健康」。さまざまな観点から考えます。

●第36回「日本文化のグローバル化のかたち」

2008-10-08 02:09:09 | ■日本人はどこへ往く?

●第36回「日本文化のグローバル化のかたち」
~Misako Rocks! さんとRiyo Moriさんと~


今回は、肩のこりない話題で。

最近、英語で日本文化(マンガや原宿の文化など)を伝えている2人の女性を知った。

Misako Rocks!さんは、日本人の英語少女manga家(graphic novelist)で30才。
Riyo Moriさんは、2007年に、Miss Universeというアメリカンドリームをつかんだ22才の日本女性だ。

Misakoさんは、埼玉の警察官一家(麻薬捜査官の父と青少年犯罪を手がける母と警察官の兄)に育ち、法政大学英文科入学後、ミズーリ州カークスビル大学への交換留学(2年間)に。大学卒業後、人形師の仕事探しで、渡米しニューヨークへ。人形師への思いは適わず、また国際結婚もままならず、離婚後、起死回生のため、2~3才から馴染んできたmangaの企画をNYの出版社に提案し、米国での少女マンガ家としてスタートしている。

3冊のManga Booksは、
BIKER GIRLとRock and Roll Loveが9-14歳向けで、
Detective Jermain (Vol.1)が若者向けと区分されている。
The New York Timesでは、”アメリカで最初のオリジナルマンガ・アーティスト”だと呼ばれているようだ。

一方、
Riyo Mori(森理世)さんは、静岡生まれで、お母さんは、元ミスインターナショナル静岡県代表で、森育子ダンススタジオを主催している。

CNN MyCity_MyLifeで放映された内容は、Riyo Moriさんの生い立ち、東京(原宿や銀座)の魅力、ダンスを通して忍耐と幸せを若い人たちへ教えること、などが日本人 理世さんの人柄そのまま、語られていた。(なかなかよかったですよ!)

この2人に共通しているのは、
英語を使って、
日本以外の国(特に、米国文化圏)に
じかに、
日本文化を紹介していることだ。

一人は、グラフィックを通して、
一人は、世界向けのテレビをとおしてだ。

マンガのグローバル化、特に日本漫画の中国やアジア地域への普及の経緯は、海賊版による廉価な翻訳本によることがよく知られている。
Misako Rocks! さんの場合、メジャーな米国出版社からの米国デビュー、ひいてはグローバルデビューということになり、過去のJポップの展開(日本語オリジナルから各国言語への翻訳本)と少々違ったかたちとなる。

Riyoさんの場合は、
ミスユニバースといった肩書きのおかげで、日本文化の伝統的なものから最先端なものまで、日本人以外の人たちへ、彼女の目線で、日常レベルの日本文化の紹介に貢献している。

ミスユニバース受賞に伴って出てきた、文化の「齟齬」、つまり、「美の基準の違い」論争は、興味がつきない。

西欧的な容姿とマインド(自立した女性)vs. 奥ゆかしさと日本的美の基準などなど。

しかし、「美の基準の相違」という文化的な視点だけでなく、
美のビジネス、Miss Universeという組織のグローバル・マーケティングという観点からとらえると、これまた面白い。

美の価値が、地域や文化によって異なることはよく知られている。
スポーツと違って、同じルールの元でたたかうことがたやすくない。

現在MLB(メジャーリーグベースボール)、NBA(全米プロバスケットボール協会)をはじめ、スポーツ・ビジネスのグローバル化、つまり、米国スポーツの中にその国出身の選手を取り込むことで、彼らのスポーツの活動をその出身国へと拡大しようという考え方とこの美の祭典は同じ手法を取っていると考えた方が、理解しやすい。

つまり、世界一になった女性(選手)を目指して、次から次へと、新しい人材を育てていく、新しい人材の供給源となるという、美の人材育成、美の人材供給システム・ビジネスというとらえ方だ。

不動産王や投資家で有名なドナルド・トランプ氏は、モデル育成のエージェンシなどのエンタテインメント界の帝王でもあり、Miss Universeを放映するNBCテレビのパートナーでもある。

ともあれ、
この2人をはじめとする、

International Japaneseの人たちを応援していくのが、

クロスカルチャー時代の新しい精神のような気がしている。


※上の写真は、Misako Rocks! さん(左)と彼女の最新作「Detective Jermain (Vol.1)」、右はRiyo Moriさん(CNN MyCity_MyLife "Riyo Mori: Mistress of the universe"より)。

◎参考資料◎

[Misako Rocks!]
☆Misako Rocks!さんのWeb Page
http://www.misakorocks.com/
☆MySpace.comのページ
http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendid=375331793
☆Misako Rocks!: The Japanese artist imports 2-D cuteness and sexiness to the Midwest (including interview)
https://venuszine.com/articles/art_and_culture/591/misako_rocks
☆ニューヨーク・イベント情報誌「よみタイム」
http://www.yomitime.com/who/97_misako.html
[Riyo Mori]
☆CNN MyCity_MyLife "Riyo Mori: Mistress of the universe"
Broadcast on Sunday October 5 (1430GMT)
Video:
http://edition.cnn.com/CNNI/Programs/mycity_mylife/
Full Story:
http://edition.cnn.com/2008/TRAVEL/09/29/riyo.interview/index.html
☆Donald Trump Web Site:
http://www.trump.com/default.asp?
☆Miss Universe Pageant:
http://www.missuniverse.com/history/index.html
☆「美の基準の相違」論争:
森理世さん批判に思うこと(sokの日記プログ)
http://sok-sok.seesaa.net/article/44968645.html
上記プログへのコメント
http://sok-sok.seesaa.net/article/44968645.html#comment


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