中村歯科

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がん発症率に地域差…食習慣や喫煙率など影響 2016年7月20日

2016年07月23日 | Weblog


乳がんは東京、肝臓がんは西日本――。国立がん研究センターが6月末に発表した、がん患者の2012年の全国推計で、都道府県ごとに発症する割合が異なることがわかった。こうした地域差は、なぜ生まれるのだろうか。


 推計によると、12年に新たにがんと診断されたのは、86万5000人。今回、47都道府県のがん登録データが初めてそろい、がんの発症率を都道府県で比較することが可能になった。
全国平均を100として年齢などを調整して算出した発症率をみると、がん全体では、男性が秋田、和歌山、石川、鳥取、福岡、島根各県と東京都で、女性は東京都、福岡、石川各県で発症率がそれぞれ110以上と高かった。

 乳がんは東京都が133と突出していた。乳がんは女性ホルモンのエストロゲンに長くさらされているほど発症しやすく、出産直後はエストロゲンの分泌が抑えられ、危険性が下がるとされる。

 「東京で乳がんが多いのは、結婚年齢が高く出産を経験していない女性が多いことが影響している可能性がある」と、同センター全国がん登録室長の松田智大さんは指摘する。ほかに都会生活によるストレスの影響を指摘する声もある。

 肝臓がんは福岡、佐賀、和歌山、大分各県で男女共に130を超え、全体的に西日本に偏っていた。これらはC型肝炎ウイルスの感染者が多い地域と重なる。

 このほか、胃がんは食塩の摂取量が多い東北地方や日本海側で増える傾向にあった。肺がんは北海道や北東北、近畿、北九州地方で多く、喫煙率の高い地域とおおむね一致した。

 一方、大腸がんは北海道や、東北、中部地方で発症率が高かったが、明確な理由はわからないという。

 松田さんは「がんは単一の要因で発症するわけではないので、原因を明らかにするのは難しい。居住地の発症率で一喜一憂するのではなく、喫煙や飲酒を控えるなど、科学的根拠に基づいた予防法を続けることが大切だ」と話している。

ウイルス、食道がんを撃退…患者に治療効果 2016年7月21日

2016年07月23日 | Weblog


がん細胞だけを破壊する特殊なウイルスを使った治療で、食道がん患者7人のうち5人で腫瘍が消えるなどの効果があったとする成果を、岡山大学のチームがまとめた。

 28日から東京都内で開かれる日本遺伝子細胞治療学会で発表する。

 ウイルスは正常な細胞では増殖しないため副作用も起こりにくいとし、2020年頃の薬事承認を目指す。

 このウイルスは、岡山大の藤原 俊義としよし 教授(消化器外科)らのチームが02年、風邪の原因となるアデノウイルスの遺伝子を操作して開発した。がん細胞に感染して増殖し、細胞を破壊するが、正常な細胞に感染した場合は自然に消える。

 また、ウイルスには、がん細胞が放射線などで傷ついた自らのDNAを修復する機能を阻害し、細胞を死滅させる働きもある。放射線治療の効果を高めることも期待できるという。

 チームは13~15年、抗がん剤治療や手術が行えない50~90歳代の食道がん患者7人に、ウイルスを使った臨床研究を実施。内視鏡で腫瘍に直接3回注入し、並行して6週間、放射線治療を行った。

 その結果、4人の腫瘍が消え、1人は腫瘍が縮小した。残り2人のうち1人は腫瘍の大きさが変わらず、1人は病状が進んだ。副作用は、発熱や食道炎など軽い症状にとどまった。

 チームは、年内にも、薬事承認のために行う臨床試験(治験)の計画を、医薬品医療機器総合機構に提出したい考えだ。

 ウイルスを使ったがん治療は近年注目が高まっている。米国では昨年、唇に 水疱すいほう ができる原因となるヘルペスウイルスを使った製剤が、皮膚がんで承認された。国内で承認された例はないが、東京大学医科学研究所病院は14年から悪性脳腫瘍を対象に、ヘルペスウイルスの治験を進めている。