中村歯科

東京都中野区本町3-27-17
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脳出血起こす虫歯菌…高血圧・喫煙は特に危険

2011年09月30日 | Weblog
 脳出血を引き起こす危険性が高い特殊な虫歯菌を、大阪大の和田孝一郎准教授らが見つけた。この菌に感染した人が高血圧になったり喫煙したりすると、発症率が高まるという。


 28日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版で発表した。

 この虫歯菌は、皮膚や骨などになるコラーゲンと結合するたんぱく質を作る特殊な種類。脳出血患者74人を調べると27%が感染していた。健康な35人でも9%が感染しており、この菌に感染することで脳出血の危険性は4倍高まることがわかった。

 和田准教授らは、人から採取したこの菌をマウスに感染させて実験。脳の血管内皮に傷をつけると、この菌が下層のコラーゲン繊維にどんどん集まり、血小板による傷の修復が間に合わず出血を起こした。

 この菌があってもすぐに脳出血を起こすわけではないが、高血圧や加齢、喫煙で血管内皮が弱ったり、傷ついたりすると、発症率が上がるとみられる。

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水分をよくとる人は高血糖症になりにくい

2011年09月16日 | Weblog

水分をよくとる習慣のある人は、あまりとらない人に比べて、高血糖症になりにくいことが示された。フランス人のコホート研究(D.E.S.I.R.試験)の成果で、D.E.S.I.R.研究グループを代表してUniversite Paris‐DiderotのR. Roussel氏が、9月12日にポルトガルの首都リスボンで開幕した欧州糖尿病学会(EASD2011)で発表した。

 最近の報告によると、身体の水分量の制御にかかわる抗利尿ホルモンであるバソプレシンと糖尿病リスクとの間に独立した関係があることが示されている。ただ、バソプレシン分泌に関して水分の摂取が影響することが知られているにもかかわらず、日常の水分摂取と高血糖発症とに関係があるかどうかは解明されていない。そこでRoussel氏らは、フランス人のコホート研究であるD.E.S.I.R.(Data from an Epidemiological Study on the Insulin Resistance Syndrome)試験の参加者を対象に、水分の摂取と高血糖リスクとの関係を調べた。

 対象は、フランスの男女で、年齢は30歳から65歳。登録時に正常空腹時血糖だった3615人を、9年間フォローアップした。この間、参加者には3年ごとに健康診断を受けてもらった。また健診では、毎日の水分、ワイン、ビールおよび甘味飲料の平均摂取量についても問診票などにより把握した。

 主要アウトカムは、水分の摂取量別(1日当たり0.5L未満、0.5~1.0L、1.0L超の3群)にみた高血糖症(空腹時血糖の異常あるいは糖尿病)の発症とし、オッズ比と95%信頼区間で評価した。

 その結果、フォローアップ期間中、565件の高血糖症が確認された。交絡因子(性別、登録時の年齢、体格指数、空腹時血糖、運動量、喫煙の有無、中性脂肪、HOMA-IR、総コレステロール、γ-GTPおよび糖尿病の家族歴)で補正後、毎日の水分の摂取量に関する高血糖症のオッズ比を求めたところ、0.5L以下の水分摂取量群を1.0とした場合、0.5~1.0L群で0.64(95%信頼区間:0.49-0.83、p=0.003)、1.0L以上群で0.73(同:0.55-0.97、p=0.003)だった。さらに1日当たりのビール、甘味飲料およびワインの自己申告消費量で補正した後のオッズ比を求めたところ、0.5L以下の水分摂取量群を1.0とした場合、0.5~1.0L群で0.68(95%信頼区間:0.52-0.89、p=0.016)、1.0L以上群で0.79(同:0.59-1.05、p=0.016)となり、同様の結果が得られた。

 これらの結果から演者らは、「水分摂取量が多い人では、高血糖症の発症リスクは低いことが示唆された」と結論した。その上で、この関係はバソプレシン値が介在するものなのか、また水分の摂取を増加させるような指導をすると高血糖が防げるのかなどについては、今後さらなる研究が必要であると指摘した。

(日経メディカル別冊編集)
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NHK「 ためしてガッテン」過去の放送

2011年09月06日 | Weblog
[免疫力を低下・突然死を招く感染症]

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20110622.pdf


[痛!歯がしみる割れる本当は怖い!知覚過敏]

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20100922.pdf


[死者急増! 肺炎の真実]


http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/program/P20070221.pdf
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[1日に15分の運動でも死亡リスクが14%低下]

2011年09月06日 | Weblog

1日に15分のウォーキング程度の運動でも、死亡リスクが14%低下することが、台湾国家衛生研究院のChi Pang Wen氏らが行った大規模コホート研究で明らかになった。論文は、Lancet誌電子版に2011年8月16日に掲載された。

 これまでに、週に150分以上の運動>の利益を示すエビデンスは蓄積されている。しかし、150分に満たない運動の健康への影響は明らかではなかった。著者らは、よりわかりやすい指標として生存利益に着目し、短時間の軽めの運動にも余命延長が期待できることを示せば、意識して運動する人の割合が増えるのではないかと考えた。そこで、欧米人に比べ強度の低い運動を好み、さらに1週間の運動時間も短い傾向が強い台湾の人々を対象に、運動が健康に及ぼす影響を調べる前向きコホート研究を行った。

 台湾の民間経営の医療施設1カ所で、1996年から2008年に標準的な検診を受けた20歳以上の男女41万6175人(19万9265人が男性)を、平均8.05年(SDは4.21年)追跡した。

 ベースラインで、過去1カ月間に行った運動について継続時間を尋ね、運動強度を評価した。運動強度は、軽(MET=Metabolic
Equivalentにすると2.5程度、ウォーキングなど)、中(METでは4.5程度、速めのウォーキングなど)、やや高(METでは6.5程度、ジョギングなど)、高(METでは8.5程度、ランニングなど)に大別した。さらに一人一人について、METと継続時間(h)の積を求め、その数値に基づいて登録者を以下の5群に分けた:不活発(3.75MET×h未満)、低活動量(3.75~7.49MET×h)、中活動量(7.50~16.49MET×h)、高活動量(16.50~25.49MET×h)、超高活動量(25.50MET×h以上)。この分類では、広く推奨されている「1週間に150分以上」というレベルを超えるのは中活動量以上のグループになる。なお、これら5群のそれぞれについて、運動強度が「軽または中」と「やや高または高」に2分した。

 不活発群を参照群とし、Cox比例ハザードモデルを用いて、性別、学歴、職場での身体活動レベル、喫煙歴、飲酒歴、空腹時血糖、収縮期血圧、総コレステロール、糖尿病、高血圧、癌の既往などで調整して、他のグループの死亡のハザード比を求めた。

 集団の運動量は全体として少なく、全体の54%が不活発群に分類された。低活動量群は22%、中活動量群は14%、高活動量群が5%、超高活動量群が5%で、推奨レベルを超えていたのは24%にとどまった。低活動量群の1週間の運動時間の平均は、92分(95%信頼区間71-115分)、1日の運動時間にすると15分(SDは1.8)だった。

 しかし、低活動量群でも、不活発群と比較すると、全死因死亡のハザード比は0.86(0.81-0.91)で、14%のリスク減少を示した。低活動量群のうち、運動強度がより低い「軽または中」グループのハザード比は0.86(0.82-0.92)、より高い「やや高または高」グループでは0.73(0.54-0.98)で、いずれも有意なリスク低下を示した。30歳の人の推定余命を不活発群と比較すると、低活動量群の男性は2.55年、女性は3.10年長かった。

中活動量群の全死因死亡のハザード比は0.80(0.70-0.85)、高活動量群では0.71(0.65-0.77)、超高活動量群では0.65(0.60-0.70)で、推奨レベルを超える3群を合わせると0.74(0.70-0.77)となった(傾向性のP<0.0001)。

 癌死亡のハザード比は、低活動量群が、0.90(0.83-0.99)、中活動量群が0.85(0.75-0.93)、高活動量群が0.85(0.75-0.97)、超高活動量群が0.78(0.69-0.88)で、推奨レベル以上の3群では0.83(0.77-0.90)だった(傾向性のP<0.0001)。

 なお、低活動量群と比較した不活発群の全死因死亡のハザード比を推定すると、1.17(1.10-1.24)、癌死亡リスクは1.11(1.01-1.22)になった。

 5群のそれぞれについて、心血管死亡、糖尿病死亡のハザード比も求めたところ、全死因死亡、癌死亡の場合と同様に活動量依存的な低下を示した。

 また、1日の運動量と全死因死亡の関係を調べたところ、15分から最長100分まで、15分伸びるごとに全死因死亡リスクは4%(2.5-7.0%)ずつ低下した。癌死亡のリスクも1%(0.3-4.5%)ずつ低下していた。

 サブグループ解析では、運動による全死因死亡リスク低減はあらゆる年齢の男女に見られること、心血管リスクが高いと考えられる人々にも同様に認められることが示された。

 毎日15分、または週に90分程度の運動が、多くの人々に生存利益をもたらすことが示された。著者らによると、台湾で不活発群の人々が低活動量群と同様の運動をした場合に得られる死亡率低減効果は、一般を対象とする禁煙プログラムが成功裏に実施された場合と同レベルになるという。

 欧米に比べ積極的に運動する人が少ない東アジアでは、国民の健康状態を向上させるために1日15分の運動を推奨する方法が好ましいのではないか、と著者らは述べている。
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自転車は長く乗るより速く走る方が死亡や冠動脈性心疾患死のリスク低減に効果大

2011年09月06日 | Weblog

 自転車による運動は、より速く走る方が、長時間走るよりも、死亡や冠動脈性心疾患死のリスク低減に効果があるようだ。例えば、1日30分未満、ゆっくりした速度で自転車に乗るよりも、速い速度で乗った方が、生存期間の期待値は男性で5.3年、女性で3.9年増加するという。デンマークBispebjerg University HospitalのPeter Schnohr氏らが、約2万人の成人を対象に行ったコホート試験であるCopenhagen City Heart Studyの結果の一部を分析し明らかにした。8月31日までパリで開催された欧州心臓病学会(ESC2011)で発表した。

 Copenhagen City Heart Studyは、最初の調査は1976~1978年にかけて行われたが、今回の発表は1991~1994年に行った第3回調査に基づく。試験では、1万6563人の年齢21~90歳の男性のうち、心筋梗塞、脳卒中、癌などの病歴のない人で、普段自転車に乗っている5106人について調査を行った。被験者のうち、男性は2398人、女性は2708人で、主要評価目は死亡と冠動脈性心疾患による死亡だった。

 自転車の速さについては、被験者個人の基準で、遅い、平均的、速い、の3段階に分類した。また、その運動時間については、1日平均で30分未満、30分~1時間、1時間超の3段階に分けた。追跡は、2009年または死亡まで行われ、平均追跡期間は18年だった。年齢、HDLコレステロール、その他に行っている運動、家庭の収入、BMI、喫煙の有無、収縮期血圧、アルコール摂取、糖尿病などについては、補正を行った。

 追跡期間中の死亡は1172人で、冠動脈性心疾患による死亡は146人だった。

 主要評価項目の発症率は、自転車に乗る時間が同じ群では、死亡、冠動脈性心疾患による死亡のいずれも、速度が速いとした群で最も低リスクだった。全般的に、長時間自転車に乗るよりも、1時間以内でも速く走った方が、同リスクが低下する傾向が見られた。

 具体的に総死亡率について見てみると、自転車に乗る時間が1日30分未満で、速さが遅いとした群を基準とすると、1日30分~1時間、速い速度で自転車に乗る群が最も低リスクで、基準群に対するハザード比は0.44(95%信頼区間:0.28‐0.69)と、同じ時間、平均的速度で走る群のハザード比の0.70(同:0.51‐0.95)より0.26ポイントも低かった。

 次に同リスクが低かったのは、30分未満、速い速度で乗る群で、ハザード比は0.54(同:0.31‐0.94)だった。次いで、30分未満、平均的速度の群でハザード比は0.67(同:0.49‐0.92)だった。

 心血管疾患による死亡率が最低だったのも、30分~1時間、速い速度の群で、基準群に対するハザード比は0.26(同:0.07‐0.96)、次いで1時間超、速い速度群が同0.27(同:0.08‐0.89)と低かった。平均的速度で走った群は、30分~1時間でのハザード比は0.32(同:0.15‐0.67)、1時間超では0.49(同:0.24‐1.00)だった。
 
 喫煙の有無や収縮期血圧などで補正を行った後、自転車に30分未満乗る場合、遅い速度で乗る人に比べて、平均的速度で乗る人の期待生存期間は、男性で2.9年、女性で2.2年、それぞれ延長することが分かった。さらに、同じ30分未満を速い速度で乗った場合には、遅い場合に比べ、期待生存期間は男性で5.3年、女性で3.9年、それぞれ延長した。

 会場からは、自転車に1時間超乗った場合に、30分~1時間乗ったよりも、死亡リスクなどが逆に増大した点に触れ、「運動を長くしすぎると逆に運動による効用が低くなるような“Jカーブ”と言えるのか」という質問があったが、Schnohr氏は「Jカーブということはこの試験からは言えない。ただ、運動時間を増やすことは、運動の激しさを増すよりも効果は少ないということだ」との見解を示した。

(日経メディカル別冊編集)
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「ダークチョコレートに心代謝障害の発症リスクを減少させる効果が示唆」

2011年09月06日 | Weblog
カカオ豆をベースにしたダークチョコレートには、心代謝障害の発症リスクを減少させる効果があることが示された。関連論文の系統的レビューによるメタ解析で明らかになったもので、英ケンブリッジ大学のO.H. Franco Duran氏らが、8月31日までパリで開催されていた欧州心臓学会(ESC2011)で発表した。

 これまで、いくつかの論文でカカオ豆をベースにした菓子類は血圧低下や血流改善に関連していることが報告されている。カカオ豆に含まれる抗酸化物質の効果と考えられてきたが、機序については不明な点が多かった。Oscar Franco氏らは、心代謝障害の発症リスクに関してチョコレート消費の影響を評価することを目的に検討を行った。

 2010年10月に、さまざまなデータベース(Medline、Embase、Cochrane Library、PubMed、CINAHL、IPA、Web of Science、Scopus、Pascal)を用い系統的レビューを行った。成人に対して行われた横断的、症例対照、コホートおよび無作為化試験を選び、心血管疾患、糖尿病およびメタボリック症候群などの心代謝障害に関連したアウトカムについてチョコレート消費の影響が報告されている試験を抽出した。その上で、チョコレート消費の一番多いグループと一番少ないグループとを比較して、心代謝障害を発症するリスクを評価するためにメタ解析を行った。

 4576報の文献から、7報が選定基準に合致した(参加者総数は11万4009人)。この7報の試験間にはチョコレート消費の測定法、方法およびアウトカムに大きな違いが認められた。7試験のうち5試験において、心代謝障害のリスクに対し、チョコレート消費がより多いグループに有益な効果があることが報告されていた。一番チョコレートの消費量が多いグループは、一番少ないグループに比べ、心血管疾患を37%(オッズ比:0.63、95%信頼区間:0.44‐0.90)、脳卒中を29%(オッズ比:0.71、同:0.52‐0.98)、それぞれ減少させていた。

 これらの結果から演者らは、「今回のレビューの結果、チョコレート消費は心代謝障害リスクの大きな減少と関係があることが示唆された」と結論。その上で、チョコレート消費の有益な効果を確認するために、さらに検証が必要であると、コメントした。また、健康に良い成分はビターカカオに含まれており、砂糖や脂肪分に含まれているのではないとし、「市場に出回っているチョコレートは非常にカロリーが高いので、食べ過ぎは、肥満や糖尿病ばかりか心臓病のリスクをも上昇させる恐れがある」と注意も促した。

(日経メディカル別冊編集)
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「深酒以上にアルコールの年間摂取量と頻度が高血圧と強く関係」

2011年09月06日 | Weblog

男性の場合で、ビール中びんを5本以上、ワイン(1杯120mL)なら10杯近くを一度に飲酒する大量飲酒(深酒)は、血圧に悪影響を及ぼすことが示された。また、深酒以上に、アルコールの年間摂取量と頻度が高血圧と深く関係していることも確認された。英University College London(UCL)のM. Bobak氏らが、8月27日から31日までパリで開催される欧州心臓学会(ESC2011)で発表した。

深酒が血圧に及ぼす影響に関するエビデンスは少なく、結果も一貫性に欠けているという。そこで演者らは、深酒は血圧に対して酒量とは無関係に影響を与えるのか(直接的影響)、それとも酒量による血圧への影響に変化を与える(間接的影響)だけなのかなどについて検証した。

 調査には、ロシア、ポーランド、チェコから血圧降下藥を服用していない、45歳から69歳までの男性(7559人)と女性(7471人)からなる都市部の無作為人口標本の横断的データを用いた。年間アルコール摂取量と飲酒頻度および深酒(一度に男性で純エタノール量換算で100g以上、女性で60g以上の摂取を月に一回以上する)について、段階的頻度評価質問票によって調査を行った。血圧は、連続型変数(収縮期および拡張期血圧)と高血圧(≧140/90mmHg)の変化として分析した。データの収集期間は2002年~2005年。

 解析の結果、深酒をする割合は、男性においてはポーランドが12%、チェコが18%、ロシアが32%だった。女性においては、ロシアとポーランドがそれぞれ1%、チェコが3%だった。

 男性では、深酒による高血圧のオッズ比は、年齢、国、体格指数、教育程度および喫煙について補正した後で、1.62(95%信頼区間:1.45-1.82)だった。また、年間アルコール摂取量でさらに補正したところ、1.20(同:1.03-1.39)まで低下した。女性では、深酒による高血圧の補正後のオッズ比は、1.35(1.12-1.62)で、年間摂取量でさらに補正したオッズ比は1.31(1.05-1.63)となった。

 アルコール摂取量と飲酒の頻度は、ともに男性において血圧と強い関係が認められた。例えば、年間摂取量が12L以上の場合、高血圧のオッズ比は2.5を超え、週に5回以上飲酒する場合ではオッズ比が2を超えていた。なお、女性における年間アルコール摂取量と飲酒頻度の血圧への影響は、男性に比べて明確ではなかった。

 そこで、深酒をする群としない群で検討したところ、男女ともに、深酒は年間アルコール摂取量が血圧に及ぼす影響を変化させることはほとんどなかった。この結果は、ワイン、ビールあるいは蒸留酒といったアルコールのどの種類でも同様だった。また、どの国でも同様で、収縮期/拡張期血圧を連続型変数として用いた分析でも同様の結果が得られた。

 結論として演者らは、「深酒そのものの血圧への影響は中程度であり、アルコール摂取量の血圧に及ぼす影響を変化させるほどのものではなかった」とした。その上で、「高血圧はアルコールの年間摂取量や摂取頻度に深く関係しており、特に男性において強い関連性が認められた」と強調した。

(日経メディカル別冊編集)
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「バージャー病と歯周病の関連が明らかにされる」

2011年09月06日 | Weblog
東京医科歯科大学バージャー病共同研究グループは、6月27日(月)、本学特別講堂において記者会見を行い、手足の血管が詰まる難病で、国の特定疾患として指定されているバージャー病患者の患部から歯周病菌を検出し、バージャ病と歯周病の関連が明らかにされたと発表しました。
研究成果の概要
 バージャー病は、手足の血管が詰まり、悪化すると足趾または膝下での切断に至ることもある原因不明の病気です。わが国では約1万人の患者がいると考えられている難病であり、厚生労働省により特定疾患として指定されています。また東および南アジアでは依然多数のバージャー病患者が肢切断を受けています。この難病の原因の解明と予防法や治療法の開発のために、東京医科歯科大学ではバージャー病共同研究グループを組織して、大学院医歯学総合研究科血管・応用外科学分野岩井武尚教授と同研究科歯周病学分野石川烈教授らを中心に研究を進めてきました。
 今回の研究では、バージャー病患者の口腔内と患部の血管を調べて、歯周病とバージャー病との関連について検討しました。その結果、全てのバージャー病患者は歯周病と診断されその程度はいずれも中等度から重症、また患部の血管試料のほとんどからは歯周病菌が検出されました。一方、正常血管の試料からは歯周病菌は全く検出されませんでした。
 この発見は、今まで原因不明であったバージャー病と歯周病の関連を示した世界で初めての成果で、米国の血管外科専門誌Journal of Vascular Surgery 7月号に発表されます。この発見によりバージャー病の原因や悪化が口腔内の細菌特に歯周病菌によるという可能性が強く示され、バージャー病の予防法や治療法の開発のための大きな手掛かりが得られました。
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なぜ、今、歯・口の健康に注目!?~歯周病が及ぼす全身への影響

2011年09月06日 | Weblog
 世界口腔保健学術大会記念第17回口腔保健シンポジウム(協賛:サンスター株式会社)が7月9日、「なぜ、今、歯・口の健康に注目!?~歯周病が及ぼす全身への影響」のテーマの下、211名の参加を得て大阪府のテイジンホールで開催された。
 基調講演では、川村孝・京都大学環境安全保健機構健康科学センター長・教授が「お口とカラダの不思議な関係~医科の立場から~」と題して講演。日本独自の「うがい」の習慣で風邪やインフルエンザを予防できることとともに、口と全身の関係について言及。「歯の喪失は、循環器疾患、心疾患、肺炎など、全身の健康に影響を与える」として、日常からの口腔ケアの重要性を示した。
 講演では、和泉雄一・東京医科歯科大学大学院歯周病学教授が「お口とカラダの不思議な関係~歯科の立場から~」と題して講演した。和泉氏は、▽細菌因子▽生体応答因子▽環境因子―の歯周病のリスク因子について、それぞれ改善策を示した上で、「歯周病は全身疾患の引き金になるので、医科と歯科が連携して取り組まなければならない」との見解を示した。
 続いて、田尾安志・元楽天初代監督を招いてのミニトーク「私が野球から学んだこと~田尾流・健康ライフ~」を行った後、川村氏、和泉氏、田尾氏に加え、前野雄一・読売新聞東京本社編集局編集委員をコーディネーターに、「なぜ、今、歯・口の健康に注目!?~歯周病が及ぼす全身への影響~」のテーマでパネルディスカッションを行った。
 特に長男が歯科医師である田尾氏は、「野球選手はインパクトの際に歯を食いしばっているから歯に大きな負担がかかっているというのは誤解。上手な選手ほどリラックスして息を吐きながらボールを叩いている」とした上で、「長男のアドバイスを基に、歯磨きは一日2回以上欠かさず行っている」などと自身のケアを披した。
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学会ダイジェスト:第54回日本糖尿病学会

2011年09月06日 | Weblog
2型糖尿病患者では、血糖コントロールが不良なほど歯周病で失われる歯が多い傾向が分かった。また、糖尿病患者は「糖尿病と歯周病の関係」についての知識は持ち合わせているが、その知識が歯磨きなどのセルフケアに活かされていない実態も報告された。2型糖尿病患者220人を対象に実施した聞き取り調査で明らかになったもので、その成果は大阪市立十三市民病院の安藤秀子氏(写真)らが、札幌で開催された日本糖尿病学会(JDS2011)で発表した。
 安藤氏らは、糖尿病の合併症として注目される歯周病について、糖尿病患者自身がどのように認識し、対策に取り組んでいるのかを把握する目的で、アンケート方式による聞き取り調査を実施した。
 対象は、同病院で治療を受けている2型糖尿病患者の220人(男性138人、女性82人)。聞き取り調査では、年齢、罹病期間、HbA1c(JDS値、以下同)、喫煙習慣、歯磨き回数、歯周病の知識などを尋ねた。また、歯周病の重症度を把握するために、「今までに失われた歯の本数」も自己申告してもらった。対照群は、非糖尿病の生活習慣病患者30人とし、同様の調査を実施した。
 調査の結果、糖尿病患者では、罹病期間が長い患者ほど、あるいは血糖コントロールが不良な患者ほど、失われた歯が多くなる傾向が認められた。
 年齢に着目すると、高齢になるほど失われた歯が多くなっていたが、糖尿病患者の方が非糖尿病患者より若いころから歯を失っていた。また、喫煙との関係では、糖尿病患者では喫煙習慣があることが歯を失うリスクと考えられた。
 歯周病の知識とセルフケアの関係についてみると、糖尿病患者では歯周病に関する知識の有無に関わらず、毎日1回以上の歯磨きの習慣がある人が多かった。ただし、非糖尿病患者と比べると、糖尿病患者では歯磨きが実行できていない割合が高かった。
 これらを踏まえ、罹患期間10年以上、血糖コントロールがHbA1c>8.0%、喫煙、歯磨き回数が毎日1回未満の4つを歯周病リスクとし、これらのリスクの数と失った歯の数との関係をみたところ、リスクの数が多いほど失った歯の本数の多い人の割合が高かった。
 今回の結果から演者らは、2型糖尿病患者に対しては、発症早期から歯周病に対する教育指導が必要であり、定期的な歯科受診を支援していくことが重要と結論づけた。
                      (日経メディカル別冊編集)
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