木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

総合周産期母子医療センター(愛媛県立中央病院) その2

2011-09-02 02:17:57 | 地方自治
 さて、総合周産期母子医療センターでは、梶原院長の強い指導力の下、効果的な医療が実践されていることが容易に推測できました。

 愛媛県では年間1万1500人の新生児が生まれるそうですが、その中ではやはり未熟児として生まれる赤ちゃんもいます。そうした未熟児のおよそ8割が同医療センターに預け入れられるそうです。また、1500g以下の未熟児や重症児の受け入れは、絶対に断らない!という強い熱意をセンターとして掲げているといいます。


 それだけではありません。赤ちゃんは確実に大きくなっていきます。子どもとして育っていきます。未熟児の子も重症児の子も人格形成をしながら育っていきます。いつまでも周産期医療センターで預かっていては、次に来る新たな命の治療ができません。そこで、他診療科との医療連携を進めることで、周産期医療サイクルが効果的に回るようにしているといいます。現場では、まだ医療連携の点での課題が山積しているそうですが、少なくとも梶原氏が院長となった後の同センターでは、周産期母子医療センターで新生児から3年も4年も子どもを預かり続けるようなことはなくなったといいます。


 こうした周産期医療の現場でのヒトとモノの改善を進めるには、充実した機器を備えた中心的な医療拠点施設を設けることだが重要である、と梶原氏は力説しておりました。

 激務などの理由から、新生児科医は現在不足していると言われています。新生児科医本人の気持ちにも余裕がないなら、新生児科医そのものの数においても余裕はないそうです。中途半端な周産期医療の施設を複数つくっても、重症児や超未熟児(1000g以下の新生児)を診ることができない施設では、新生児科医は決して集まらない、と梶原氏は言い切っておりました。中途半端な周産期医療では結局、いても仕事にならないわけです。スペシャリストとしてのやる気も削がれてしまうのです。


 なるほどな、と思いました。愛媛県の周産期母子医療センターはまだ不十分な施設であると多少の謙遜?(ぼやき?)も梶原氏の口からは聞こえてきましたが、今後の少子化対策のためには、いっそう拠点施設を充実化させていき、機能の集中化を図ることが欠かせないのだということが理解されました。

 なお、梶原氏は東京都立墨東病院の周産期センター・新生児科は渡邊とよ子部長を中心に、非常に先進的かつ最先端の周産期医療を提供していると絶賛されていました。また、渡邊氏が女性であることから、母親の視点をうまく医療に取り入れているという指摘もされていました。

 私たち都内の城東区部に住む者にとっては、複数の医療機関に受け入れを拒否された女性が結局、墨東病院の周産期センターで出産後に死亡してしまったという2008年の痛ましい事例の記憶がまだ残っているだけに、梶原氏の話は少し意外な気がしました。

 墨東病院の周産期センターはそんなに先進的なのでしょうか。専門医がそう力説するのですから、たぶんそうなのでしょう。灯台下暗し、なのかもしれません。機会を見て、墨東病院の周産期センターをぜひ視察したいと思いました。


※掲載している画像の中には、議会事務局より了解を得、お借りしているものがあります。




江戸川区議会議員 木村ながと
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