木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

高齢者の生きがい事業/彩(いろどり)事業(徳島県上勝町) その2

2011-09-05 01:06:26 | 地方自治
 生計の源であったミカンを失い、意気消沈した地元の農家のみなさんも、葉っぱを商品として売ろうという横石氏の提案には当初、疑心暗鬼だったようです。料亭で葉っぱが必要とされているということにもあまり馴染みのない方々がほとんどだったそうです。

 それでも、昭和61年、最初の葉っぱを出荷しました。この時は山にある自然の木々の葉っぱを収穫し、使用後のお菓子の残り箱などをリサイクルして出荷していたといいます。結果は、赤字。虫食いや色むらのある裏山の葉っぱに、お菓子の残り箱。これでは売れなかったようです。



 幾多の失敗を経、きれいな商品としての葉っぱが収穫できるよう、木々を栽培することにしました。農家の人々は栽培と収穫に磨きをかけました。現在、彩事業に参加する契約農家は197軒といいます。

 この間、横石氏は農協から、上勝町が70パーセント出資する第三セクターとしての株式会社いろどりの社長に転身。そこで横石氏は全国を飛び回り、料亭を取材し、人脈を広げ、販売ルートの開拓に力を入れました。そして、市場が求めるその日の葉っぱ各種の注文品数を集約し、農家にファックスやオンラインで流すシステムを開発しました。

 注文を受けた農家がそれぞれ受注し、その日のうちに葉っぱを収穫し、パッキングまでしたものを、地元の農協(JA東とくしま上勝支所営農購買課)へと出荷します。

 今では、紅葉、柿、笹、南天、蓮、松葉などの葉っぱをつま物として出荷するルートが広く開拓されています。全国のつま物の販売のうち、なんと8割が上勝町産つま物だそうです。圧倒的なシェアを誇っていると言えます。


※掲載している画像の中には、議会事務局より了解を得、お借りしているものがあります。