木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知

2012-03-10 19:11:14 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 一昨日、昨日に続き、教育費審査についてのやりとりをご報告いたします。今日は最後の「学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知」についての審議部分です。

木村
 持ち時間がほとんどなくなってきてしまいましたが、学校給食保険費のところで、学校給食に代わって弁当・水筒の持ち込みが可能になったことを周知させるための通知について最後に伺いたいと思います。

 給食食材と放射線汚染の問題をめぐって、昨年9月に、学校給食に不安がある場合には、希望すれば、弁当・水筒の持ち込みが認められるようになりました。そして、翌10月にはそうした方針変更を旨とする内容の通知が学校長宛に出されました。実際の希望者の調査や給食費の支払い方法の整理をして、11月から実施開始となったところです。

 教育委員会から学校宛てには通知があったわけですから、学校側はこのこと、つまり生徒が希望すれば弁当・水筒の持ち込むことができるようになったことを認識しています。しかし、その権利が帰属する側である生徒や保護者の中には、逆に知らない人もいるようです。

 給食が教育の一環であり、安全性を前提としているものだという主張をお持ちなのは十分理解しています。本会議でも自分自身で取り上げ、教育長とやり取りしましたから、把握しています。そのことはここで繰り返しません。

 その主張は横に置いておくとして、生徒が希望すれば弁当・水筒の持ち込むことができるようになったということを、学校長から各学校の保護者にきちんと周知すべきだと思います。せっかく認めた選択権の可能性を通知したからといって、安全な給食の前提を崩すことにもならないと思うのですが、いかがかでしょうか。

学務課長
 委員ご指摘のとおり、給食は教育の一環として提供しており、安全性が確保されている。食品検査の体制も改善された。それゆえ、そのような通知については現段階で実施することは考えていない。

木村
 食品検査が改善されたといっても完全ではありません。給食は基本的に感受性の強い子どもたちが食すものであるという特性を持ち、産地選択の余地がありません。給食の安全性をうたうのは結構だけれども、ぜひ、弁当・水筒持ち込みの選択が可能であるということを広く周知するための通知を保護者宛てに出すよう、校長に促す通知を出していただきたいと思います。

 残念ながら、もう時間がないので、要望をして終わります。




江戸川区議会議員 木村ながと
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やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮

2012-03-09 13:02:29 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 昨日に続き、教育費審査についてやりとりをご報告いたします。今日は「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」についての審議部分です。

木村
 教育指導費で、次に、やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童をめぐる対応についてお尋ねします。まず端的に質問します。この冬、ウィンタースクール実施校のうち福島県を選択した学校は何校でしょうか。

指導室長
 福島県でのウィンタースクール実施校は10校である。

木村
 まず、放射性物質汚染の広がりの一般認識の問題として、福島県の苦悩と自分の公的責任ある立場から申し上げます。放射線プルーム現象の広がり方は都道府県境とは全く無関係なので、福島=(イコール)全域が放射線高濃度の恐れあり、福島=放射能汚染の理由から行ってはいけない地域、といった議論には組みしません。これは放射線プルーム現象の事実に反しますし、冷静な議論とは言えません。

 しかし、同時に、みなが放射線の専門家ではありませんし、放射線プルーム現象を冷静に理解できるわけでもありません。人がイメージに左右されてしまうことはある程度やむを得ないことです。自分にもそういう部分があることは否定できません。

 そう考えれば、ウィンタースクールに関して、福島に我が子を送りたくない心理も責めることはできないと思います。自然なことだと思います。卑近な例を言えば、わざわざこの冬の家族旅行で福島へ向かおうとした人はあまりいないと思うのです。それが何よりの証拠です。

 ここで伺いたいのは、福島へのウィンタースクール実施校において、悩みつつ不参加に決めた子どもへの対応の件です。それに付随して、1月20日に各学校長宛に通知が出されていると思いますが、その内容を簡単に伺いたいと思います。

指導室長
 1月20日に校長宛てに出した通知の内容的ポイントは、ウィンタースクールを福島県で実施しようとする学校においては、くれぐれも現地の状況の情報収集を怠りなく行うこと、また状況の変化、つまり放射能の汚染度などにおいて深刻な状況変化があれば代替案も含めて検討すること、さらに、不参加の生徒に対しては学習機会の保障などの対応をとるよう努力すること、などである。

木村
 子どもたち、保護者の立場にたてば、そもそも福島県の選択があったことを遺憾に思うのですが、学校長に帰属する教育課程編成権の問題云々をここで議論するつもりはありません。そんな中でせめて、1月20日の段階で、「場合によっては見直しや代替案の検討」「不参加生徒への配慮を促す」などの内容の通知があったことは、ないよりは良かったと思います。

 しかし、ここでさらに伺いたいのですが、不参加の生徒は欠席扱いになってしまうのですか。

指導室長
 参加した生徒との公平性の観点からは、不参加生徒については欠席扱いとせざるを得ない。

木村
 1月20日の通知も拝見しましたが、不参加の生徒を登校させた上で一定の学習課題を提供することで学習権の保障をするというのはよいと思います。しかし、欠席扱いというのは何とも遺憾な話だと感じます。

 不参加を決めた生徒も保護者も好き好んで不参加としたわけではないはずです。ずっと楽しみにしていたウィンタースクールだけれども、セシウムの心配があるから、やむを得ず不参加にしたのだと思います。それを思うと、欠席扱いになってしまった子どもの無念さは想像に難くありません。

 理屈上、参加生徒との公平性という観点の話が分からないわけではありません。ただ、健康への心配からというやむを得ぬ事態ゆえ、特段の配慮があってもよかったのではと思います。自分の健康管理の失敗から病欠になったというのとは異なります。

 セシウムという放射性物質の半減期から考えると、同様の問題は次年度も生じうると言えます。放射線を理由とする不参加生徒への特段の配慮をお願いしたいと思います。




江戸川区議会議員 木村ながと
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学校裏サイト問題は終わっていない

2012-03-08 19:57:19 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 3月8日の教育費の審議に際し、教育指導費ならびに学校給食保険費のところで3点にわたり質問をいたしました。「学校裏サイト」「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」「学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知」の3点です。

 時間的制限もある中での個別具体な質問ばかりではありましたが、それぞれ区民からの切実な要望という、質問作成にいたる背景のある課題です。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)なお、少し長りますので、3回に分けます。

 今日は「学校裏サイト」の課題をめぐるやりとりです。

木村
 教育指導費のところで、最初に、学校裏サイトについて伺いたいと思います。まず、簡単に、最近の学校裏サイトをめぐる問題の傾向と課題について聞かせて下さい。

指導室長
 東京都教育委員会の学校裏サイト、いわゆる学校非公式サイトの監視業務の結果を見ても、学校裏サイトの件数は増加傾向にあることがわかる。江戸川区においても、その傾向は同じである。また、これまで学校裏サイトの問題は中学生を中心に発生してきたが、最近は小学生間においても見られ、低年齢化の傾向があると言えるかもしれない。

木村
 ICTの普及がますます進展していることの影響だと思いますが、学校裏サイトの問題は減っていないようです。室長が言及されていた、東京都教育委員会が業務委託している学校非公式サイト監視の結果をみると、江戸川区内の学校裏サイトをめぐる問題の認知件数はこの3年間でも増加傾向にあるようです。うなぎ上りとまでは言わないが、少なくとも、減ってはいません。低年齢化の傾向もあるようです。

 この都教育委員会の学校裏サイト監視の結果資料にもあるとおり、ネット上という特質からより深刻だと言えるのは、他人への誹謗中傷や他人の個人情報を書き込む行為だと思います。子どもたちが犯してしまう、こうした問題について教育委員会としてどのような対策を実施しているのでしょうか。

指導室長
 こうした学校裏サイトなど、パソコンや携帯端末を介したネット上の問題は、教員よりも子どもたちのほうが精通しているという状況がしばしば見られる。教員がしっかりと監視をしなければならない、指導をしなければならないという立場であることを考えると、まずICTなど情報機器に疎い教員をなくすためにしっかりと教員に対する情報教育を進めていかなければならないと考えている。専門家による講習なども実施していきたい。

 重大な案件に関しては、警視庁のハイテク犯罪対策センターとのタイアップも進めていく。また、子どもたちに対する情報教育も欠かせない。

木村
 従来の目に見えやすいイジメから、ネット上での個人攻撃になるなど、いっそう潜在化したイジメとなりつつあるという認識が必要です。

 室長も言及されていたが、まず、学校裏サイトはもちろん、ICTに疎い世代の教員の方への教育が課題であると思います。パソコンのことは分からないでは済まされない問題が、子どもたちの世界で起こっている、学校をめぐる見えないイジメがデジタルの世界で起こっているという現実を、直視しなければなりません。もはや世代の問題として逃げることが許される問題ではなく、教員であれば取り組まねばならない課題だと考えることが必要です。

 今回この質問を作成するに当たり、室長にも相談した具体的な事例がありました。その際、実際に事案が発生した学校においては、肝心な先生の中に「2ちゃんねるがわからない」「スレッドってなんですか」というレベルの認識しか持ち合わせていない方がいたようです。もはやあり得ない低レベルです。「2ちゃんねらー」になれとは言いませんが、子どもの教育とイジメの課題に真剣に向き合っていく教員であれば、こうしたことはもう教員の常識的知識として理解しておくべき事項だと思います。

 それから、子どもたちへの教育の部分ですが、メディアリテラシーと倫理の問題をともに考える機会を学校現場で設けていただきたいと思います。

 先ほど言及した「2ちゃんねる」などはサーバーが日本国以外のところに設置されているようで、個人の誹謗中傷といった書き込みの削除依頼にも、もっと言えば警察などからの削除要請にもほとんど対応しないという現状があります。

 子どもたちが軽い気持ちで書き込んでしまう前に、メディアリテラシーと倫理の問題をみんなで考える場を一層、学校で充実させていただきたいと考えます。

 ことが起こってから、教員が「ダメだ」「やめなさい」というのも逆効果以外の何物でもないようです。今度は教員が誹謗中傷の対象になるだけです。

 学校裏サイトの課題について、増加傾向にある深刻な課題としてとらえ、学校でのメディア教育を充実化させていっていただきたいと思います。




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議会発議のポイ捨て防止条例施行で見えてきた二元代表制の課題

2012-03-02 20:16:45 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 3月2日の環境費の審議に際し、環境推進費のところで、私は議会発議で誕生した「江戸川区歩行喫煙及びポイ捨て防止等に関する条例」をめぐる行政府の取り組みの問題をフィルターとし、タバコをめぐる環境問題という範疇のみならず、地方自治と二元代表制の課題という少し大所高所の問題について議論しました。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)

木村
 議会発議によるポイ捨て防止条例をめぐる取り組みについてお尋ねします。地方自治と二元代表制のあり方という、少し大きな話にも言及いたします。

 昨年は震災の影響で「環境フェア」は中止になりましたが、「環境をよくする運動」は、開催が6月から12月になったものの、例年のように文化センターで開かれました。その再上映されたビデオの中でもポイ捨て防止条例に関するPRがあったことは好ましく思っています。また、「環境をよくする運動」とは別に、駅前広場での「歩きたばこ・ポイ捨て防止PR活動」も区全体で10回以上行われており、地道な取り組みを評価しています。

 さて、議会発議のポイ捨て防止条例が施行されました。それを受けて、年始には、区内のたばこ組合、日本たばこ産業の協力を得、全議員が条例施行告知のキャンペーンを区内の各駅頭にて行いました。その際、ベストや旗を区の環境部からお借りしました。また、駅のシールや看板の「マナー」とある文言に「条例」というシールを張りかえるといった対応もしてもらいました。

 先ほど、同僚議員から「『広報えどがわ』でポイ捨て防止条例について周知することはしてもらえないのか」という質問がありました。それに対して、「検討します」という答えがありました。具体的に伺いたいと思いますが、その「検討します」とは、「掲載する方向できちんと検討する」という意味なのか、それともそうではないのか、どういうことなのでしょう。

環境推進課長
 (困惑した表情で)条例周知に関する状況を十二分に見極めながら、検討してまいりたいと考えている。

木村
 課長としては答えにいであろうことを承知の上で、あえてお尋ねしました。分かりにくい答えでしたが、課長にこの質問を追及するのをよしましょう。むしろ、区長にお尋ねしたほうがよいのでしょう。

 区長の率直な考えを伺いたいと思います。私の考えも改めて述べます。

 ポイ捨て防止条例については、まだ「広報えどがわ」では取り上げられていません。議会発議でせっかくできたポイ捨て防止条例ではありますが、そうした広報のあり方などをみると、議会と執行部との間の微妙な温度差を感じざるを得ません。問題はおそらくポイ捨て防止をめぐる方法論の違い、つまり<条例ではなく「環境をよくする運動」で取り組むべきという区長の考え>と<条例化を図って取り組むべきという議会の考え>という相違、といった単純なものばかりではなく、もっと根本的な、地方自治における二元代表制の陥穽の課題があるのだと思います。

 つまり、議会がまとまってしまえば議決権を持たぬゆえ拒否権も発動できない首長と、一方で、政策条例はできたけれどそもそも予算編成権も執行権も持っていないため職員配置もできない議会という、地方自治法の隙間から生じる相互の不満がその底流にはあるのだと思います。

 憲法(93条)では二元代表制と規定しながら、自治法上では首長に極端に権限を集中させる一方で(149条関係)、議会に限定的な条例制定権を認めながら予算編成権は付えない(96条関係)といった、時代の趨勢に全く対応しきれていない地方自治法に根本的な問題があります。

 地方議員の政策法務だの条例制定権だのと楽観的な言葉が地方議会関係者の間でもてはやされていますが、私個人はとても悲観的に考えていて、乱暴な言い方をすれば、現行の地方自治法の下では、議会にも「付与」されているという条例制定権なるものは機能しない権限だと考えています。

 話をポイ捨て条例に戻します。区民にとっては首長提案の条例であっても議会提案の条例であっても、成立してしまえば同じ効力を持つ条例であることにかわりはありません。議会も行政も関係なく、オール江戸川で取り組まねばならない課題です。今後、議会がますます積極的になっていけば、第二、第三の議会発議の条例案が提出され、成立しないとは限りません。

 地方自治法の問題点についても述べましたが、区長は議会発議によるポイ捨て条例をめぐる取り組みについてどのように考えているのか、率直なお考えを聞かせてください。

区長
 確かに、言及されたような自治法上の課題があるのだと思う。議会と行政のあり方も変わりつつあると思うし、これまで想定されていなかったことが求められようとしているのだと思う。

 ポイ捨ての問題など人のモラルを問う課題については、私は、区としてこれまで長年にわたり続けてきた「環境をよくする運動」で取り組むことがよりふさわしいと考えている。確かに、そこに議会との相違はある。しかし、ポイ捨て条例が成立した以上、それを否定するものではない。区として必要な協力をするつもりでいる。

木村
 自治法上の課題については、ここで追及しても仕方ありませんので、この程度に留めます。
 大切なのは、ポイ捨て防止条例という一つの条例が成立した以上、議会も行政もお互いに協力して、施策遂行していかなければならない、ということです。以上で終わります。




江戸川区議会議員 木村ながと
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