木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

8月19日の局地的集中豪雨と雨水ます対策

2011-12-02 16:18:16 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 そもそものきっかけは数か月前になります。8月19日に城東区域降った、局地的な集中豪雨の話題です。この日、江戸川区の北葛西、西葛西、中葛西地域に降った最大時間雨量は67㎜(江戸川区土木部推計)だったそうです。雨雲が江東区方面から発生し、局地的な豪雨をもたらしました。区北部の鹿骨地区では最大時間雨量は27㎜程度でした。

 さて、この67㎜という数字ではイメージがわかない方も少なくないかもしれません。気象庁の説明文を拝借しましょう。気象庁は、時間あたり30㎜以上50㎜未満の雨を「非常に激しい雨」と呼び、それを「『バケツをひっくり返したように降る』イメージ」と説明しています。50㎜未満で「バケツをひっくり返したように降る」というのですから、67㎜はそれ以上の激しさを持った雨ということになります。ちなみに、80㎜以上の雨は「猛烈な雨」というそうで、「『息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる』イメージ」だそうです。

 いずれにしても、凄いことです。そんな雨が先日、葛西に降ったわけです。

 その凄さを示す写真を近所の方(西葛西1丁目の梅原様)からご提供いただきました。 私の住む西葛西1丁目では50~60㎝ほど冠水してしまったエリアが現れました。店先や自動販売機への浸水もありました。幸い、この時間67㎜の集中豪雨は30分ほどでおさまりましたので、冠水の引きも比較的早かったようで、被害は最小限に抑えられたと言えるのでしょう。(それでも、自動販売機などに被害を受けた方にとっては大変な損害であることに変わりありませんが。)

 その8月19日から一週間ほどして、今度は26日、関東広域で豪雨が降りました。都内の事例を言えば、大田区で時間雨量82㎜、練馬区で90.5㎜でした。いずれも観測史上最大規模ということです。

 前者の葛西の事例も後者の関東広域の事例も、いわゆるゲリラ豪雨と言われる現象として括って間違いなかろうと思います。

 さて、ここで、空から降ってくる雨を防ぐのは難しいので、なぜ冠水してしまうのかという問題について考え、その対策を練る必要があります。

 東京都23区(特別区)においては、他の市町村が県ではなく自分たちで上下水道インフラの整備管理を行っているのと異なり、東京都がその整備管理の責任を担っています。さて、その下水道管理者である東京都下水道局の「経営計画2010」によりますと、23区内にはいまだに時間あたり50㎜の雨に対応すべき地域があるようで、「同計画」9ページには「平成29(2017)年度を目標に、浸水の危険性の高い対策促進地区(20地区)などにおいて、1時間50㎜の降雨に対応」とあります。

 幸か不幸か、この20ある対策促進地区に葛西は入っていません。「同計画」10ページにその地区が表記されておりますが、大雑把に言えば、昭和初期の開発の早かった都心部にむしろこうした古い下水道施設の残るエリアがあると言えるのかもしれません。もちろん、20カ所全部が都心部というわけではありません。

 いまだに1時間50㎜降雨への対応が目標として掲げられているくらいですから、最近の時間100㎜に近い豪雨へはどのように対応せよというのでしょうか。現状では、この都市型ゲリラ豪雨への対応に都は追い付いていないと言えるような気がします。

「同計画」25ページには、「1時間50㎜を超える降雨への対応」として東京駅八重洲と丸の内など都心の最重要地点かつ地下街を抱える地区を挙げ、1時間75㎜降雨への対応の検討を記しています。私たちの住む江戸川区のような周辺区にまで手が届くのは、当分先のことであると予感させます。とても遺憾な話です。

 下水道管理者である東京都の対応がこうした現状にあるなかでは、冠水現象を実際に抱える当該区としては、できることから始めるしかありません。区としてできることは、雨水ますの増強または改善です。根本的に、下水管の内径の拡大による雨水処理能力の増強策ではありませんから、ある意味、ボトルネックの課題にはぶつかってしまいます。しかし、少なくとも、雨水ますを改善、強化することで、路上で行き場を失っていた分の雨水は速やかに下水管に流れるよう、入り口での改善が図られることは事実です。

 8月19日の豪雨により、西葛西・北葛西の方々から同様の指摘を受け、区土木部にも相談をしてきました。そして、写真のようにいくつかの場所で、雨水ますの増設ならびに古いセメントタイプのものから鉄格子タイプの処理能力のあるものへの交換を進めてもらいました。

  (新しい鉄格子タイプの雨水ます。西葛西1丁目6番)

 夏の雨は馬の背を分ける、と言います。また来年、夏が来れば、局地的な雨が降るのでしょう。新しく整備された雨水ますの活躍に大いに期待するところです。




江戸川区議会議員 木村ながと
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