木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

学校裏サイト問題は終わっていない

2012-03-08 19:57:19 | 地方自治
 こんばんは、木村ながとです。

 3月8日の教育費の審議に際し、教育指導費ならびに学校給食保険費のところで3点にわたり質問をいたしました。「学校裏サイト」「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」「学校給食に代わる弁当・水筒の持ち込みの周知に関する通知」の3点です。

 時間的制限もある中での個別具体な質問ばかりではありましたが、それぞれ区民からの切実な要望という、質問作成にいたる背景のある課題です。以下、その部分のやりとりの抄録です。(記憶をたどっていますので、議事録とは多少の言葉の齟齬があるかもしれません。)なお、少し長りますので、3回に分けます。

 今日は「学校裏サイト」の課題をめぐるやりとりです。

木村
 教育指導費のところで、最初に、学校裏サイトについて伺いたいと思います。まず、簡単に、最近の学校裏サイトをめぐる問題の傾向と課題について聞かせて下さい。

指導室長
 東京都教育委員会の学校裏サイト、いわゆる学校非公式サイトの監視業務の結果を見ても、学校裏サイトの件数は増加傾向にあることがわかる。江戸川区においても、その傾向は同じである。また、これまで学校裏サイトの問題は中学生を中心に発生してきたが、最近は小学生間においても見られ、低年齢化の傾向があると言えるかもしれない。

木村
 ICTの普及がますます進展していることの影響だと思いますが、学校裏サイトの問題は減っていないようです。室長が言及されていた、東京都教育委員会が業務委託している学校非公式サイト監視の結果をみると、江戸川区内の学校裏サイトをめぐる問題の認知件数はこの3年間でも増加傾向にあるようです。うなぎ上りとまでは言わないが、少なくとも、減ってはいません。低年齢化の傾向もあるようです。

 この都教育委員会の学校裏サイト監視の結果資料にもあるとおり、ネット上という特質からより深刻だと言えるのは、他人への誹謗中傷や他人の個人情報を書き込む行為だと思います。子どもたちが犯してしまう、こうした問題について教育委員会としてどのような対策を実施しているのでしょうか。

指導室長
 こうした学校裏サイトなど、パソコンや携帯端末を介したネット上の問題は、教員よりも子どもたちのほうが精通しているという状況がしばしば見られる。教員がしっかりと監視をしなければならない、指導をしなければならないという立場であることを考えると、まずICTなど情報機器に疎い教員をなくすためにしっかりと教員に対する情報教育を進めていかなければならないと考えている。専門家による講習なども実施していきたい。

 重大な案件に関しては、警視庁のハイテク犯罪対策センターとのタイアップも進めていく。また、子どもたちに対する情報教育も欠かせない。

木村
 従来の目に見えやすいイジメから、ネット上での個人攻撃になるなど、いっそう潜在化したイジメとなりつつあるという認識が必要です。

 室長も言及されていたが、まず、学校裏サイトはもちろん、ICTに疎い世代の教員の方への教育が課題であると思います。パソコンのことは分からないでは済まされない問題が、子どもたちの世界で起こっている、学校をめぐる見えないイジメがデジタルの世界で起こっているという現実を、直視しなければなりません。もはや世代の問題として逃げることが許される問題ではなく、教員であれば取り組まねばならない課題だと考えることが必要です。

 今回この質問を作成するに当たり、室長にも相談した具体的な事例がありました。その際、実際に事案が発生した学校においては、肝心な先生の中に「2ちゃんねるがわからない」「スレッドってなんですか」というレベルの認識しか持ち合わせていない方がいたようです。もはやあり得ない低レベルです。「2ちゃんねらー」になれとは言いませんが、子どもの教育とイジメの課題に真剣に向き合っていく教員であれば、こうしたことはもう教員の常識的知識として理解しておくべき事項だと思います。

 それから、子どもたちへの教育の部分ですが、メディアリテラシーと倫理の問題をともに考える機会を学校現場で設けていただきたいと思います。

 先ほど言及した「2ちゃんねる」などはサーバーが日本国以外のところに設置されているようで、個人の誹謗中傷といった書き込みの削除依頼にも、もっと言えば警察などからの削除要請にもほとんど対応しないという現状があります。

 子どもたちが軽い気持ちで書き込んでしまう前に、メディアリテラシーと倫理の問題をみんなで考える場を一層、学校で充実させていただきたいと考えます。

 ことが起こってから、教員が「ダメだ」「やめなさい」というのも逆効果以外の何物でもないようです。今度は教員が誹謗中傷の対象になるだけです。

 学校裏サイトの課題について、増加傾向にある深刻な課題としてとらえ、学校でのメディア教育を充実化させていっていただきたいと思います。




江戸川区議会議員 木村ながと
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