木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

砂場の線量調査実施基準の矛盾の改善を(9月30日一般質問 その2)

2011-10-02 00:11:10 | 地方自治
 昨日の一般質問の続きです。

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(以下、一般質問)

 次に、砂場の放射線量測定の基準について伺います。

 区は、多くの区民や各会派からの声を受け、6月下旬から空間線量の測定と結果の公表を始めました。8月下旬からは、さらに規模を拡大し、小中学校、幼稚園、保育園、公園などおよそ540カ所の砂場の放射線測定が開始されました。先月から今月にかけての調査において、すでに年間1ミリシーベルトの基準値を超えてしまう時間当たりの測定値、毎時0.25マイクロシーベルトに抵触したのは西瑞江、西葛西、平井などに8カ所ありました。

 江戸川区は、守谷市・柏市・松戸市・葛飾区と続く放射線ホットスポットの最南端であると言われております。総人口の15パーセントにあたる9万6000に及ぶ年少人口という子どもの多さを考えても、充実した測定をはじめ、適切な放射線対策が求められてしかるべきと考えます。

 区では、毎時0.25マイクロシーベルト以上を記録した場所では、さらに1~2回の測定、つまり合計2~3回の測定を実施し、対策が必要ならば、砂の入れ替え等を実施するとしています。実際、9月13日の測定で毎時0.33マイクロシーベルト、二度目の9月20日に毎時0.38マイクロシーベルトの測定値が出た西瑞江公園については、表面から20センチメートルの砂を取り除き入れ替える除染対策を施しています。この対応は結構なのですが、第六葛西小学校のように最初に毎時0.25マイクロシーベルトを記録し、その後の二回目、三回目で0.25を下回る結果が出ているケースでは、必ずしも砂の入れ替えを行うとはかぎらないと聞いています。

 ここで生じる疑問は、なぜ最初の測定で毎時0.25マイクロシーベルトという、砂の入れ替えが要請されるかもしれない場所だけ、複数回の測定を実施するのか、という点です。おそらく、複数回実施するのは、測定の度に空間線量の測定誤差が生じるため、できるだけ複数回実施したほうがいいという考えによるのでしょう。この考え自体は一見、理にかなっています。しかし、そこには矛盾があります。それは、ではなぜ最初の測定値が0.25を下回ったところでは、これについても測定誤差が生じる事情は同じであるにもかかわらず、平等に540カ所で複数回の測定を実施し、その平均を基に除染対策を実施しないのでしょうか。どう考えても、そこにはダブルスタンダードが存在します。

 測定の実施基準にこうした矛盾があるままでは、毎時0.25マイクロシーベルトを超えた高い地点だけ何度も測定を実施するのは、対応する必要がない低い値が出るのを期待しているのでは、と疑われかねません。単純に考えても、この実施方法には少し首をかしげてしまいます。やみくもに540カ所、あっちもこっちも除染せよと申し上げているわけではありません。除染した場合、その土の処理の課題があることも認識しています。しかし、実施ルールが恣意的に見えてしまうのはよいことではありません。ぜひ統一的な整合性のあるルールに修正し、区民が広く「実施してもらってよかった」と納得できるような方法で測定していただきたいと思います。現在の540カ所の砂場の線量測定ルールの改善についての区長のご所見を伺います。

(以上)
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(以下、区長の最初の答弁抄録)

 確かに、理想を言えば、何回も測定して平均値を求めるのがよいと思う。しかし、どんな測定にも誤差は出てくる。だから、最初に高い測定値が出たところは注意すべきところということで複数回測定している。

 毎時0.25マイクロシーベルトという値も、どこかに除染対策するしないの判断を下す基準をおかねばならないので、ICRPの示す年間1ミリシーベルトに則ってこれを基準値としている。

(以上)
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 さて、この区長答弁を聞いて、私はどうしても納得ができませんでした。そもそも「毎時0.25マイクロシーベルト」については問題にしておりませんでしたし。

 なぜ測定方法のダブルスタンダードを解消しないのでしょうか。これは誰でも感じる疑問だと思います。区長の答弁はそれにはあまり正面から答えていませんでした。そこで、もう一度分かるように答えてほしいと、再質問しました。

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(以下、区長の二回目の答弁抄録)

 こういう測定方法は身近な事例にもあると思う。例えば、私たちの健康診断でもそうだ。血圧、血糖値などいろいろ調べて、そのうち血圧だけが高ければ、血圧だけを再検査する。同じこと。

(以上)
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 みなさん、納得できますか?

 確かに、健康診断では危険信号の出たところだけ再検査します。ですが、健康診断で行う再検査って、検査方法も意味も全然違うと思うんですけど・・・。

 再検査は通常、同じ検査の繰り返しをしてその平均値をとるために行うものではありません。検査方法をより精密なものに切り替えて、問題個所をクローズアップさせ、より詳しいデータを得るために行うものです。検査機関についても、より高度な医療機器を備えている専門病院などに行くように勧められます。同じ検査を繰り返して平均出したりしません。

 今回、私が問題視しているのは、同じレベルの測定にもかかわらず、場所によって誤差に対するアプローチや測定条件が統一化されていないという点です。区は同じ測定なのに、あるところでは1回、あるところでは2回、またあるところでは3回行っています。別に意地悪に考えるつもりはないのですが、何度考えても頭をひねってしまいます。

 何でこれが健康診断の再検査と同列の問題になってしまうんでしょう・・・?

 私は再質問で残り時間を使い切ってしまっていましたので、三回目の発言はできませんでしたが、何ともかみ合わないやりとりに終わってしまいました。ちょっと残念。 

2 コメント

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計測 (たっち)
2011-11-10 22:35:17
石川県鹿島郡中能登町で038マイクロシーベルトあります。なんとかしてください。
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計測について (木村ながと)
2011-11-10 22:57:42
お問い合わせ、ありがとうございます。
ですが、私は東京都江戸川区の地方議員です。石川県の中能登町の課題について直接動ける立場にはありません。
中能登町や町議会にはお問い合わせ頂いたでしょうか。先月21日に文科省よりガイドラインが示され、1μSv/hが計測される地点については国に報告することになりました。当該自治体での対応が基本です。
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