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事の始まりは我が愛車DR250Sのスピードがまるで出なくなった事に由来する。
スピードが65キロ以上出ないのである。これではバイクとしての役目も果たされないし、何より危険でもある。即座に各部を点検。
プラグには綺麗な火花が出ているので点火系は問題なし と判断。次は燃料系統のチェック。キャブのフロート室の下のドレンねじを緩めるとちゃんとガソリンが出てくるのでキャブまでガソリンは来ているのを確認。残るはキャブ内部の問題だろうと推察。
キャブを取外し分解点検にかかることにした。当初はジェット類の詰まりではないかとふんでいたので、燃料や空気の通路を念入りに掃除。
障害になるようなスラッジの堆積もナシ。フロートの作動にも異常は見当たらない。
元通り組立てをしてバイクに装着する。が試走してみると以前と変わらず。
エンジンの始動もアイドリングも安定しているのだが、65キロ以上のスピードは出ない。
またもや取外し、そして分解。今度はキャブの全部品をばらしてみることにした。
始動や低速側の動作が正常で、中高速側で不調なのだから、その領域での燃料の供給に問題があるとばかり考えていたのだが、もしかしてとさらに点検して見つけたのが、キャブ上部のダイヤフラムのゴム膜の不良であった。
このゴム膜はエンジンの負圧の度合いに応じて、スロットルバルブを引き上げベンチュりーの口径を変化させる役目をしている。
そのゴム膜に亀裂が入っていたのです。
アイドリングや低速では負圧が低いためダイヤフラムの作動も大きくはないので、その亀裂からの負圧の漏れも少なくて正常に近い状態を保っていたのでしょう。だが負圧が大きくなる中高速での作動領域ではゴム膜も大きく広がり、亀裂の隙間も広がってしまい、正常な動作をしなくなっていたのだと思われます。
要するにこのタイプのキャブは負圧によりスロットルバルブを引き上げているので、負圧がなければいくらアクセルホルダーを開けてもスロットルは開いてくれない事になるわけです。
原因がわかればこっちのもの。
お金をかけずに修理が小生のモットーなので、手近にあるもので補修できる材料はと思いついたのが、シリコーンコーキングと言うもの。
これは建築材として、広く使われているもので防水の必要のある個所などに充填するとゴム状の弾性体になります。
何にでも良く付きやすくはがれにくく、柔軟性もありますので、これならばしばらくはもつであろう。との判断。
ゴム膜の亀裂個所を念入りに清掃(キャブレタークリーナーやパーツクリーナーを使用)の上、指で亀裂個所にシリコーンをなすりつける。
亀裂の裏表より補修して、乾燥をまつ。
あまり厚く塗るとゴム膜の作動が固くなるので、厚さにして片側0.5mm程度にする。
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翌日、完全に乾燥したのを確認し、キャブを組み立てなおし、バイクに装着。
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見事、キャブは復活。以前にも増して調子は良い。これならばダイヤフラムを新品に交換することもなくいけるかなと思いつつも、補修したシリコーンがいつ剥がれないとも限らないので、最終的にはキャブレターを交換する事にした。
その後、さらに2個もキャブの交換をすることになるが、その件についてはまた後日。
次回に続く。
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