ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

キーボードの文字配列は不合理か?

2020年07月23日 22時56分23秒 | ものずき
先日はスマホに使えるキーボードについての記事にしました。今日の記事もキーボードネタをとり上げます。
5月21日の新聞に次のような記事が載っていました。富士通が「親指シフト」のキーボードの販売を終了することを発表したという記事でした。「親指シフト」は富士通のワープロ「オアシス」に使われていた日本語入力システムでした。わたくしも若いころ、少しの間オアシスを使ってみたこともあります。その後、ワープロからパソコンに移行してからは触れる機会はありませんでした。親指シフトは打鍵数の少なさを目的に考えられた合理的な日本語入力方式と言われていました。
さて、現在主流の「QWERTY配列」はタイプライター時代から使われてきた配列です。
キー配列がQWERTY配列のタイプライターは1873年に生産されたレミントンのタイプライターが最初とされています。その後、この配列が主流になり現在まで続いてきています。QWERTY配列は英語圏の文字を打つための配列なので当然ながら他言語の入力に適した方式とは言えません。それどころか、英語のアルファベットを打鍵するのにもQWERTY配列は不便なのです。会話や文章の中で出てくるアルファベットの頻度に基づいた文字の配列にはQWERTYのキーボードはなっていないのです。キーボードの文字配列は文字の出現頻度に基づいて決められている訳ではありません。英語圏でもこの方式の不便さを解消しようと考えた人がいました。その方式は発明者の名をとってドボラック配列と呼ばれています。次のような文字配列になっています。




この文字配列は英語圏での文字入力の効率化を目指して、1932年にワシントン大学の教育心理学者であるオーガスト・ドヴォラックが考案した。母音を打つのは左手に集中させる配列になっているのが特徴である。考案者のドヴォラックは英語圏で使用されるアルファベットの頻度を調べ、よく使われる文字をキーボードの中央部分に配置したと言われる。指の移動量を極力少なくすることが打鍵数を多くすることにつながると考えた訳である。
私もこのドヴォラック配列を試したことがあります。キーボードの文字が刻字されているキーをドボラック配列になるように入れ替えて、キーアサインを変更するソフトを導入してこの方式を使ってみました。使い心地はどうであったかを言えば、日本語入力に「ローマ字入力」を使う限りではそんなに早くは打てません。QWERTY配列でローマ字入力をするのと、大きな違いは私の場合はありませんでした。もともと、日本語入力のための配列ではないので、それは当然と言えば当然です。英語圏でのこの入力方式は数パーセントほどの需要があるとされています。実際、WindowsでもMacでも今では使用するキーボードにドボラックを選択できるようになっています。
実験によれば、ドボラック配列とQWERTY配列での入力スピードを比べると、前者の方が早く打鍵できたそうです。しかし、ドボラック配列が入力スピードで従来のものより優れていても、全ての人がそれを使うようにはなっていないのが現実です。これはなぜなのでしょうか。これには様々な理由がありそうですが、一つ言えることは、今更新しい方式を取得する苦労よりは少しぐらい不便でも従来のものを使い続けた方が、楽である、と感じるのでしょうね。

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