ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

『黑き猫』がやってきた

2019年09月24日 18時37分06秒 | 美術 アート
9月21日より秋田市立千秋美術館で上記の美術展が開催されている…
この美術展の正式な名称は『永青文庫所蔵 近代日本画の名作ー春草「黒き猫」がやってくる!』展とでもいうのであろうか。会場で貰ってきたチラシにも「〇〇美術展」などとはどこにも書いてはいない、不思議な名前の美術展なのである。
名前は不思議でも内容はいたって真面目な美術展であった。

熊本の細川家が所蔵する美術品をメインにして、それと関連のある秋田ゆかりの絵画をちりばめた美術展といえばよいのであろうか。そして菱田春草の『黒き猫』は「客寄せパンダ」ならぬ「客寄せ黒猫だ」ったのである。




さて、永青文庫とは何だろうか。頂いてきたチラシを見ると次のようになっている。「細川家の美術品等の文化財を管理保存・研究し、一般に公開しているのが永青文庫」である…


この美術展での目玉は何といっても「黒き猫」なのだが、それにも負けない良い作品ばかりであった。その中で印象に残った作品を一つ上げてみよう。それは川端龍子(カワバタリュウシ)の『霊泉由来』という作品である。あいにく『霊泉由来』の画像は著作権の関係でここに載せることはできないが、その作品は日本画でありながら、西洋印象派かと思われる雰囲気を感じた。
後日、調べてみると彼は当初は西洋画を志していた。アメリカにわたりニューヨークで絵の勉強をしていたこともあったという。川端龍子の作品はこの一点のみだったが、これを見られただけでもこの美術展の意義は十分にあったと感じた次第である。
さて、この美術展は三部構成になっている。
第1章は「近代日本画の名作」となっていて、名だたる美術家の作品があった。その中で平福百穂(ひらふくひゃくすい)の作品が6点も展示されていた。地元開催の美術展だから百穂の作品が多いのだとは思われるが、秋田県内で所蔵されている以外の作品にわたしたちが出会うこともめったにない機会なのでこれもまた一つの収穫であった。
第2章と3章についてはまた後日ということにしよう。

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