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戦略航空偵察 西山邦夫 並木書房

2021年05月29日 | 書評
戦略航空偵察
西山邦夫
並木書房 (2020/12/16)
中野図書館
2021/4 読了
航空偵察は秘匿された軍事行動であり、外部に公表されることはない。冷戦期、わが国周辺で9機の米大型偵察機が撃墜され、多くの乗員が犠牲になったことは知られていない。キューバ危機はU‐2偵察機の情報が発端となって勃発し、その1機が撃墜された。最近の北朝鮮の核・ミサイル開発に対する監視活動は偵察機なくしては成立しない。歴史をひもとけば、航空偵察がもたらした情報により、国家の命運に影響が及んだ事例が数多く見られる。本書は、この知られざる戦略偵察飛行の活動の実態をCIAの秘密解除資料などをもとに検証。とくに東アジアで活発化する偵察活動が何を意味するのか、その真相に迫る!
著者 西山邦夫(にしやま・くにお)
以上Amazonより
興味深い内容でした。特に1950年代に日本周囲で米軍の偵察機がかなり撃墜されていたことは知りませんでした。
厚木基地からのU-2による偵察の詳細も記述してあります。これもほとんど知られていないことです。藤沢滑空場に不時着したことで少し知られましたがその後ベールに包まれました。 
さらにベトナム戦争時に嘉手納よりA-12単座機が偵察飛行をしたことは全く知りませんでした。A-12はSR71複座機の先行機ですが、偵察能力も優れていたとは驚きでした。60年台の秘密事項です。基地外からの当時の写真などあるのでしょうか? 
飛行中のA-12写真、単座ですが偵察機材は優秀であったようです。運用はCIAです。 
U-2によるソ連偵察飛行の詳細もあります。パワーズ飛行士が捕虜となり米ソ緊張が高まりました。子供ながらに覚えています。 
キューバ危機での偵察活動も書かれています。U-2の活躍が目立ちます。
最近は戦略偵察は衛星がほとんど主流かと思っていましたが、航空偵察もまだ重要であり特に電波解析には欠かせないことがわかりました。
このような貴重な情報や記録をまとめた本書は貴重な物です。秘密解除が進めばさらに明らかになることが多くなるでしょう。
現在の北朝鮮、中国情勢を考えると偵察活動の重要性は言うまでもないことです。U-2が朝鮮に駐留していることは戦略的価値が高いと思います.
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