kkdaiyaの映画、ミリタリー・ハイテク小説

このブログは、映画、ミリタリー・ハイテク小説の私的な感想を記したものです。

映画 バリー・シール/アメリカをはめた男

2017年10月29日 | Weblog
映画 バリー・シール/アメリカをはめた男
2017/10/28 土 吉祥寺オデオン

ブレードランナーとは打って変わってお気楽コメディーに近い内容。
アメリカの秘密作戦に従事したパイロットの話です。
邦題「バリー・シール・アメリカをはめた男」の「はめた」は不適切で、映画の内容はそうではなく「一緒に仲間」と言うところでしょう。
主人公バリー・シールはCIAエージェントパイロットして秘密の作戦(中南米の共産ゲリラ基地の撮影など)をしているうちに、武器輸出、麻薬の運び屋になり大儲けする映画です。
トム・クルーズが一匹狼としてのパイロット業の役を好演しています。
もちろんB級ですが面白い映画でした。


あらすじ映画com: トム・クルーズがパイロットからCIAエージェントに転身し、麻薬の運び屋として暗躍した実在の人物バリー・シールを演じるクライムアクション。バリーの嘘のような人生がアクション、コメディ要素満載で描かれる。敏腕パイロットとして民間航空会社に勤務するバリー・シールのもとに、ある日CIAのエージェントがやってくる。CIAのスカウトを受けたバリーは、偵察機のパイロットとしてCIAの極秘作戦に参加。作戦の過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、バリーは麻薬の運び屋としても天才的な才能を開花させる。エージェントとしてホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをする破天荒な動きをするバリー。そんな彼にとんでもない危険が迫っていた……。監督は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に続き、クルーズとタッグを組むダグ・リーマン。

映画 ブレードランナー2049

2017年10月28日 | Weblog
映画 ブレードランナー2049
2017/10/27 金 新宿TOHOシネマズ



ブレードランナーの続編です。封切り日の午後でしたが観客いっぱいでした。
席が前の方の端で、映画に没頭できない場所が悪かったのか、難しい解釈の映画でした。
2時間40分を超える長さで、相変わらずの夜の雨の中、濡れながらのシーンの連続です。
画面は美しいですが、内容はスト-リーを追うのが難しい。
レプリカンとでレイチェルが出てくるところがすごい。
前日譚としてアニメ1本、ショートムービー2本が公開されています。これを見ないと大停電などの映画内容をフォローできないと思います。
B級ではないですがA級でもないと言ったところでしょうか。
もう一度落ち着いた形で見たい映画です。
amazonでレンタルして再度見ました。今回は落ち着いて見れたのでストーリーが追えました。冗長なのは仕方がありませんが、やはり眠くなります。1作目のようにはっきりとしたレプリカントの悲哀が出るとよかったと思います。意味の無いようなシーン(最初のころに出てくる出来立ての女性レプリカントを殺すなど)が多くいたずらに時間を使っているかと思います。2時間以内にまとめるとメリハリが出るかもしれません。最後の方でデッカードを何処に運びたかったのか、それを主人公がどうやって追ったのかよくわかりませんでした。手錠が直ぐに外れるのも奇妙です。ストーリーが複雑かつ雑すぎます。


映画 ベルサイユのばら

2017年10月19日 | 映画評価
映画 ベルサイユのばら 東宝1979
2017/10/17 エビスガーデンシネマズ

1979年東宝製作の実写版「ベルサイユのばら」のディジタル復刻上映です。監督は有名なフランス人、ジャック・ドゥミーです。原作は有名な池田理代子の少女漫画です。当時の日本映画会社が山本又一朗製作で、フランスの監督、映画音楽はミシェル・ルグランのゴールデンコンビで作成した完全なフランス映画です。本物のベルサイユ宮殿で撮影を行っていますので豪華美麗です。ただセリフは英語になっており、字幕訳は原作者池田理代子のクレジットが出ました。音楽も豪華壮大なクラッシック調で、最後のクレジットで鳴り響きました。主役オスカルはカトリオーナ・マッコール、アンドレ - はバリー・ストークスで漫画とほぼ同じ雰囲気を持つ役者さんです。
映画はフランス革命前夜の貴族、平民の争いを基盤にして、王宮の女王マリー・アントワネットの護衛士官として生きるオスカルと、恋の行くへ、革命の騒動が入り乱れた展開となったいます。オスカルは男性として育てられたのでまさに男装の麗人です。映画そのものは王宮の豪華絢爛な生活ぶりを細かに描いて、ベルサイユでの撮影を十分に生かした作りです。オスカル役のカトリオーナ・マッコールは大変いい味を出しており、まさに実写版の漫画です。たた漫画の内容とラストがかなり異なるようで、日本では大きな評価を得られなかったようです。しかし、1979年にこのような映画を外国の有名監督と音楽家、フランスでの実写撮影、英語版のセリフで作ったのは、当時の日本の勢いのせいでしょうか。感心しました。
あらすじ:18世紀のパリ。将軍である父の意向で軍人として育てられた貴族令嬢オスカルは、王妃マリー・アントワネットの近衛隊に配属され、王妃の愛人フェルゼンに恋をする。一方、オスカルと兄弟のように育った乳母の孫アンドレは、オスカルへの身分違いの恋心に苦悩していた。アンドレはパリ庶民の貧しさについてオスカルに説き、革命運動に参加するよう求める。






ホース・ソルジャー 本、映画

2017年10月13日 | 映画評価
ホース・ソルジャー 米軍特殊騎兵隊、アフガンの死闘 
ダグ・スタントン 早川書房 2017/10/10 読了


 2001年9月11日のアメリカの同時多発テロ発生後、犯人として突き止めた首謀者ビンラディンのグループ、アルカイダをアフガニスタンが友人としてかくまっていました。アメリカはアフガニスタンに引き渡しを要求しましたが、断られました。そこで交渉は早々にあきらめて、当時政権を維持していたタリバンを倒す目的でアフガニスタンに侵攻しました。アメリカ軍は隣国ウズベキスタンのカルシ・ハナバードにある空軍基地K2を借りて、そこから11月初旬にアフガニスタンへCIA特殊作戦要員、陸軍特殊部隊兵士などを秘密に送り込りこみました。具体的には反タリバンの主要な勢力であった寄せ集めの部族群、北部同盟を支援して北部の要衝であるマザリシャリフの攻略を行いました。
 本書は、その過程でのアメリカ軍特殊部隊兵士と北部同盟兵士の共同作戦での活躍をドキュメンタリーにしたものです。アフガニスタンでは馬が主に移動手段として使われており、アメリカ軍特殊部隊兵士たちも馬にまたがって移動、戦闘をしたので、本の題名がホース・ソルジャーになったわけです。近代戦で馬に乗って戦うという一種のアナクロニズム・時代錯誤が見て取れるところが、この本の狙いでしょう。
一方で、極めて近代的な戦い方である、空軍機との連携による精密誘導爆撃が描がかれています。精密爆撃を任務とする爆撃目標誘導員による陸上目標のレーザー照射とGPS座標を決定し、頭上を飛ぶJDAM搭載のF-18やB-52に伝えることにより、ピンポイント・精密誘導爆撃が可能でした。タリバンは当初、高空を飛ぶ航空機より、どこからともなく爆撃が行われるので相当な恐怖であった思われます。
 CIA特殊作戦要員、陸軍特殊部隊要員らは北部同盟の部族長やその部下たちを尊重して行動しており、一体となってタリバンを追いつめてゆきます。2001年11月には北部の要衝であるマザリシャリフを陥落しますが、そのあとに起こったタリバン捕虜の粗雑な扱い(武器が備蓄されていたカライジャンギ要塞の中に閉じ込める)により、武器を見つけ出した捕虜の反乱にあってCIA特殊作戦要員に死者が出てしまいました。同時にタリバン側にも数千名の死者が出ました。
 アメリカご都合主義による戦いぶりが本書で明らかにされており、あまり好ましい印象はありません。しかし馬に乗って戦ったという点が面白いところではあります。アフガニスタン部族兵士の様子も興味深い。2001年9月11日からほとんど日もたたないうちに、軍事力行使の決断をしたアメリカの覚悟と、実行力の高さは見事でした。
 2017年現在、アフガニスタンの混乱は収まっていません。様々な対立、国民の教育レベルの向上ができていないなど多くの問題があるので、しばらくは紛争は続くと思われます。

映画 ホースソルジャー 2018/5/14 TOHOシネマズ日比谷
 新しいTOHOシネマズ日比谷にてホースソルジャーを見ました。早川書房発刊の原作を読んでる者にとってはいささか物足りない。美味しいところをつまみ出して作ったように思えてしまいます。最初から主人公がマッチョ系で展開は予想できましたが、アメリカ国威発揚映画になりました。撮影はアメリカ国内ということですので、アフガニスタンに似た地形があったようです。
 映画では目的地のマザリシャリフに進軍する過程が描かれているのは原作と同じです。送られたソルジャーは地元軍閥であり反タリバン勢力を率いるドスタム将軍と手を結びます。政治的な配慮から地元軍閥が進軍し、アメリカのソルジャーはそれを助けることになります。戦闘自体は陸軍方式ですが、さらにB52爆撃機による高空からのピンポイント爆撃を行いタリバン勢力を駆逐して行きます。激しい騎兵戦や肉弾戦が行われましたが、不思議なことにあれだけ雨あられと銃弾が飛び交うのに主人公たちには当たらず、タリバンや味方のアフガニスタン北部同盟の民兵がバタバタ死にます。ヘリで助かるのは味方アメリカ兵のみという一方的な内容です。
 馬に乗って戦うのが映画の味噌ですが、そこに至る苦労がほとんどありません。すぐに馬に乗って活躍できるでしょうか?原作ではその辺りもしっかりと書かれていましたが、映画では端折られいます。
 一方、出てくる兵器などは原作よりもたっぷりしています。チヌークの侵攻型は長い空中給油装置を突き出し、胴体には槽曹を抱いた真黒な機体です。アメリカ兵の侵入の際はルートの飛行高度が高く砂嵐や天候に妨げられて相当苦労したと原作にあります。護衛ヘリは天候に適応できず帰還してしまいます。またこのヘリを救助の際に呼びますが、ウズベキスタンより数時間かけてきたのでしょうか。原作にはありません。地上では各種の戦車、軽戦車、ロケット砲ランチャー、ピックアップトラック+機関銃など盛り沢山です。アメリカ軍の協力得られて作られた映画ですので良く作られています。
 最終目的地の マザリシャリフまでの途中にある ターンギー峠の戦いに焦点が絞られます。この戦いでロケットランチャーを装備した車両が出現、苦戦になります。そこへ騎兵隊並みにホースソルジャーが突撃して敵陣を潰してタリバン兵を駆逐して勝利します。この辺りは映画向きに脚色されたものになっています。原作では目的を遂げた後にマザリシャリフの要塞に閉じ込めたタリバン兵からの反撃に会う様子が描かれていますが、映画にはありません。
 いつものようにこれらソルジャーたちは直ぐにアフガニスタンから引き上げて、母国で家族と再会してハッピーになります。アメリカ御都合的な点が多い映画でした。
 せっかくの原作でしたが映画内容はB級です。