永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

第3章(3)再建に成功する人はこれができた その③「入るを量りて出ずるを制す」が唯一の脱出方法

2016年12月07日 | 第3章 経営危機の乗り越え方

章 経営危機の乗り越え方

 資金繰りに困ったり、急激に売上が落ちてきたら、この章をお読みください。

(3) 再建に成功する人はこれができた

 ③ 「入るを量りて出ずるを制す」が唯一の脱出方法

  今週は「入るを量りて、出ずるを制す」です。
四書五経の五経のひとつ礼記の言葉ですが、それよりも二宮金次郎の言葉で知られています。また最近では、稲盛和夫先生がJAL再生を引き受けられた時の記者会見でこの言葉を使われてその決意を述べられたことが記憶に新しいですね。

それでは、「入るを量りて出ずるを制す」とはどういうことを言うのでしょうか。
 「入る」とは外部から会社に入ってくるお金のことです。「出ずる」は会社から外部に出ていくお金のことです。

  勘定科目で言えば「入る」は「売上」や「受取利息」など、「出ずる」は「仕入」や「販売・一般管理費」、「支払利息」などになります。つまり、「入るを量りて出ずるを制す」とは、入ってくるお金を正確にとらえて、出て行くお金を制限して減らしていくことです。
 「そんなことあたりまえじゃないか」と思われるかわかりませんが、経営再建の現場に入ると、多くの経営者は「入るを増やして」ばかり腐心されています。京セラの稲盛和夫さんが2010年に日本航空の再建を引き受けられた時の最初の記者会見で「経営は『入るを量りて出ずるを制す』が原点」だと断じておっしゃられたときさすがだなと感嘆しました。

 二宮尊徳はこれを「分度」という言葉で表現しています。

 どんな財政の再建でも、その基本は、「入るを量って、出ずるを制す」である。

 「入るを量る」ことが出来なければ、「出ずるを制す」しか方法がない。

 「分度」とは言ってみれば、「自己の能力を知り、それに応じた生活の限度を定めること」である。

 「わたしのやり方は、質素、倹約を旨とし、それによって余剰を生み出し、その余剰で他人の苦難を救い、それぞれが刻苦精励して、家業に励み、善行を積んで悪行はなさず、よく働いて、一家の安全をはかるというやり方である。どの家もこのように努力すれば、貧しい村も豊かになり、滅亡寸前の村も必ず復興できる。」

 以上は」、「二宮金次郎の一生」(三戸岡道夫著 栄光出版社)からの抜粋ですが、まさに経営再建、企業再生の真髄を捉えています。一般的な再建プログラムが「一時しのぎ」に始終するのは、まさにこの基本的な原理原則を「芯柱」にしていないからです。

 既存のやり方で前年以上に頑張って働いても、「入る」は減るのが当たり前の経営環境のなかでは、「辻褄合わせ」や「ゴールシーク」で予算を作るから、結果的に赤字の垂れ流しが続くのです。まずは、「出るを制す」予算を作成し、「余剰」「分度外」を必死で生みだすのです。

 もちろん、具体的な「出るを制す」には学びと知恵が必要です。

 (三戸岡道夫「二宮金次郎の一生」栄光出版社p56~)に二宮尊徳が服部家の復興の中で借金を頼みにきた女中に薪の節約で借金を返す方法を教えるくだりがありますが

  • 今の方法では薪は節約できない

  • 鍋の底の鍋墨を落とすこと、火が鍋底に丸く当たるように鍋を置くこと、に因って薪は完全燃焼するので一日薪二本が節約できる

  • 薪が完全燃焼すると、残り火の火力も強くよい消し炭ができる

  • この残り火でお惣菜の煮炊きくらいはできる

と具体的にどうすれば倹約できるのかの知恵を授け、一日薪二本が節約できれば、百日で二百本の薪のお金を生み出すことができるとアドバイスしています。

 これは非常に重要な事で、経営者は社員に「経費が多すぎるから、もっと減らせ」などと頭ごなしに何度言っても、社員さんは動こうとはしません。なぜなら、倹約の知恵がなければ単純に使えるものが少なくなって、社員さんの負担が増えてしまうからです。

 炊き事をしても、二宮尊徳の方法なら、完全燃焼するので煙にむせることもなく、鍋底も汚れにくいので鍋を洗う手間も少なくなって女中さんも助かります。

 

 そうして生み出した「余剰」「分度外」を変事のために蓄え、未来の売り上げの核となる「新規事業対策」や「人」につぎ込んでいくこと、これが「入るを量りる」ということです。

 「分度」を決めることが出来、「至誠」と「勤労」を「習慣」化し、継続できれば、どん底の陥った中小零細企業も必ず再生・再建出来ると確信しています。それどころか、【経営再建プログラム】で「入るを量りて出ずるを制す」ことができ、「分度」できた企業のうち、赤字脱却や債務超過解消ができただけではなく、一気に健全企業から実質無借金企業に駆け上った例が少なくありません。

 「分度」とは自分お立場や状況に見合った生活や経営をすることです。「入るを量りて出ずるを制す」る生活や経営を続けることです。【経営再建プログラム】の時にまず、
 「使った方が楽、あった方が便利という経費を使っていませんか?」と聞くことから始まります。
 「例えば同じ色のボールペンが2本あったら、1つは胸にあって1つはテーブルの上にあったら楽ですよね。でも1本で何か困りますか? 基本的なことができませんか?」というと、そんなことはないありませんと答えられます。 また、1本なくしても困ることがありません。ということは管理する考えや探す努力をすることがないということです。これが言うことを1つずつしていくのが、家計を守るということなんです。

 従業員の立場で言えば、「分度」というのは今入ってくる、皆さんがいただいている給料の中で、後ほどお話するの「推譲」のことが優先科目ですけれども、その中でどう使うものを決めていくか。優先順位を決めていくわけですね。これをできないから苦しむわけです。
 

 お金って不思議なもので。私自信も倒産を経験していますから、非常に分かります。「入る」ことばかりを考えれるから、借金やカードローンにどんどん落ち込んでいくんです。もう倒産する前というのはみんな経営者は狂っていますから、ともかく会社を生き残らすために借りられるものを全部借りるんですよね。カードだって、ひどい人はどうしたらそれだけ見事に借りられるのかなと感心してしまうぐらいな経営者もいます。30社ぐらいでワーッと借りている人までいます。こんな「入る」は役に立ちません。注ぎ込んでも、注ぎ込んでもダメですね。会社に入れてすぐに「あのお金はどこに行ってしまったんだ」ということになります。これをやると、もう抜けられなくなります。
 会社のお金に困って、1円でも個人のお金や保険を解約して会社につぎ込んだり、親戚や友達から借りて返済に当てたり、カードローンや消費者金融機関からの借り入れてしまって、今これをお読みの経営者は、今この段階で井上経営研究所の無料相談でご相談ください。

 私が「人生(の決断)において後悔しない」を「経営信条(クリード)」の一つにしているのは、わたし自身が同じ段階で誰にも相談することをしなくて、最悪の倒産に至って「あの時決断しておけば」と後悔し続けたからです。

次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (2)再建に成功する人はこれを知っている-その④から です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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