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杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ

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ロバートディルツのスライトオブマウス 1日目

2008-11-18 | クリニック通信
大人になって嬉しいことのひとつに、自分で教師を選べること、とくに世界でNo.1ランクの人からダイレクトに教わるチャンスがある、ということがあげられます。

ロバートディルツさんはNLP創始者四人のうちの一人であり、2年に一度来日してセミナーを開いてくれます。

11月15日はその第1日目でした。私にとっては三度目の学びになります.



言葉はまさに魔法の力を持っています。
意図したにせよ、しないにせよ、自分の放った言葉の一言で相手が深く癒されたり、逆に深く傷つけてしまったり、という経験があなたにもあるかもしれません。

これは言葉の文字や音がそうさせているわけではありません。言葉に繋がる意味が現実に影響を与えるわけです。

NLPでは(もとは一般意味論のコージブスキーの言葉ですが)「地図は実際の土地ではない」という前提があります。

私たちは、それぞれが過去の経験、学習から作り出してきた信念、価値観が異なるために違うマップをもっているようなものです。そのため、全く同じ経験をしたとしても、受け止める意味は全く異なる可能性が常にあるのです。

「お前はだめだ」と言われる度に「自分はダメな人間なんだ」と活力をうしなっていく人もいれば「何くそ!今に見ていろ!」と奮起する人もいます。

仔犬が近づいてきたときに「可愛い」と感じる人もいれば、「頭では分かっていても怖い」という犬恐怖症の人もいるでしょう。


何が一体この違いを産み出すのでしょう。

多くの場合、適切な名前を与えられていない、つまり意味付けに際して、歪曲や一般化、省略が行われるところに原因がありそうです。

例えば、全く同じ現象に対して「湿疹が出たから、この子はアレルギーだ」(この場合、アレルギーは本当に適切な名前でしょうか?)ということと「腕の一部がザラザラする」というのでは意味付けに大きな違いがあります。

予想した結果を得られなかった仕事の成果に対し、「私は失敗者だ」と名付けることと「私にはまだ学ぶべきことがたくさんある」と名付けるのでは意味付けが大きく異なります。

「スライトオブマウス」は14種類あり、どんな医師でも1つか2つくらいは意識せずに使っているであろう技法をリストアップし、それを自由に使えるようにするための技術でありアートです。


さて前述したように誰でもスライトオブマウスの影響を受けたことはあるはずなのです。

あなたにとって人生を左右するような一言を他人からかけてもらい、あなたの信念や価値観の大きな変化に繋がったという経験はありますか?

私の場合はあるNLPの先輩から「私は人をみるときに『この人は何を大切にしている人なのかな』という視点でみています」という言葉を聞いてショックを受けました.それまでの自分は「この人はどんな点が優れているのだろうか、どんな点が劣っているのだろうか」という能力レベルで人を判断していたということに気がついたからです.

スライトオブマウスで大切なことは、単なる道具としてふりまわさないことです.
相手の存在をスポンサーシップする(これは本来ラテン語であり、テレビのコマーシャルにお金をだすこととはまた違いがあります)

すなわち、

あなたがここに存在すること
あなたには価値がある
あなたは特別で、ユニークな存在だ
あなたは何か、与えるものがある
ようこそ、あなたは私たちの一員だ

という意識、状態が奇跡的な結果を生み出します.

ここが本当の秘訣なのですが・・・・私も何度も知識としては知っていました.
しかし、ただ知っているということと、実際に行うということの間にはグランドキャニオンよりも深い谷が横たわっているということを改めて思い知らされました.

うまく、言葉で表現できているでしょうか.

言葉は表層構造にすぎないということを私たちはすでに気がついています.
言葉は自分の中にある、深層構造をある角度からほんの一部表現することに使われる道具にすぎません.
深層構造には、顕在意識も潜在意識も含まれ、NLPでいう視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚、それ以上のものが含まれています.
そして、これらのものは言葉ではないがために、制限というものがありません.

わたしたちの制限を作り出すのは言葉の中でも信念を構成している言葉なのです.

ここで制限という言葉を少し説明しておきましょう.
スライトオブマウスの授業では制限のない状態を「ゾーンにいる」「ゾーン感覚」という言葉で呼び、
present(ここにいる)
open mind(心を開く)
awake(目覚めている)
ことを大切にしています.

一方で制限のある状態を「サバイバル・ステート」と呼び
away from(そこから逃げ出す)
closed,aggressive(攻撃的)
Sleep, Freeze(眠ってしまう、固まってしまう)
状態のいずれか、もしくはこれらのくみあわせであると説明しています.

私たちがいろいろと苦労を感じるのは常にサバイバル・ステートにおいてであり、ゾーンにいるときには困った状態とは無縁です.
様々な政治問題にせよ、経済的課題にせよ、人間関係にせよ、この基本的原則はかわらないのです.

そして、制限を作り出す信念belief には構造があるのです.

あなたに制限をもたらしている信念beliefをひとつ、考えてみましょう.

例えば、
「出る杭(くい)は打たれる」ということわざがありますね.
国語辞典をしらべてみると、
才能•手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。
という信念です.

もっと具体的にすると、
「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefをもっていたとしましょう.

この信念beliefを構築するものは、4つあります.

1)知覚体験:まずは五感を伴った経験が世界観を作り出す原材料になります.信念beliefは経験を通して得られたデータから導かれた一般化です.経験を積むにつれて修正されたり、更新されたりします.
逆に、信念beliefによって経験の一部が削除されたり、歪曲されたりすることがあります.まさにこれが原因で信念beliefが私たちを力づけたり、私たちを制限したりする可能性をもっているのです.

「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefをもっている人は、過去にそれに限りなく近い体験があったのだと思います.
また、一度この経験をしたことで、次にぬきんでたことをした後にちょっとからかわれただけでも、「私は人から憎まれた」とゆがんで経験を受け止めてしまう可能性があるのです.

2) (肯定的)意図:意図が信念beliefや経験に意味を与えます.
「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefをもっている人はどんな隠れた意図があるのでしょう.
争いたくない、人と仲良くしたい.平和という意図、
ばらばらになりたくない、人といっしょでいたい.平等という意図.
こんなものが肯定的な意図としてもっているのかもしれません.
ただ、この場では、表現がどちらもサバイバル・ステートでいうところのaway from の状態なので、制限をつくりだしていることが分かります.

3)期待:この期待は信念beliefをもつことで予想される結果に関連します.
「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefをもっている人は、すでに「人から憎まれてしまうんだろうなあ」という期待を明らかにしています.

4)内的状態:感覚的な部分を意味しています.感情エネルギーを決定するのにも用いられるでしょう.
「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefをもっている人は、そんな状態におかれたら、
両腕をひっぱられるような感覚をもつかもしれませんし、両肩がぐぐっと重く感じるかもしれません.


さて、では「私がぬきんでたことをしたらー>人から憎まれる」という信念beliefがあったらどのように関わる可能性があるでしょう.
2) の(肯定的)意図にフォーカスする場合、
その意図が争いたくない、というaway fromな状態、ということに気がつけば、本当に大切にしている肯定的意図が平和でありたいということが分かります.

では、その平和な状態が作り出されたとしたら、
4)の内的状態はどのように変わるでしょうか.胸のあたりに綻びるような暖かさを感じるかもしれません.
1)の知覚体験はどのように変わるでしょうか.先ほどの内的状態、「胸のあたりに綻びるような暖かさを感じる」ような過去を探してもらうと、小学生のときに夏休みの宿題で金賞をもらったとき、みんなから褒めたたえられて「胸のあたりに綻びるような暖かさを感じる」経験をしたことを思い出すかもしれませんね.

すると
3)の期待も「私がぬきんでたことをしたらー>人から讃えられることもある」
と変わる可能性が高いでしょう.

肯定的意図の本質をつかむ、ということで、パタパタと他の信念beliefを構築する事柄がひっくり返っていくのです.
これが、スライトオブマウスの1つ目のスキルです.

またもう一つ、アナロジーというスキルも見逃せません.

私たちは自分の中で感じていることを一生懸命言葉にしようとしても、ぴったりする言葉がみつからずに、右往左往してしまうことが少なくありません.
また子どもたちは特に、語彙を豊富にもっているわけではありませんから、ただ「わかんない」と応えてしまう可能性が高いのです.

そんな言葉探しにとまどっている様子を見かけたら、一言、「今の感じをなにかシンボルとかイメージで表すと何でしょうか」という質問が効果的です.

私も実習をしている最中に、「自・・由・・・とか・・・」と言葉を探している人に「今の感じを動物で表すとしたら何?」と質問したら、即座に「鳥!」
と答えが返ってきました.

自宅で子ども相手にやってみたときも、なかなか言葉として自分の気持ちを伝えられない様子がみてとれましたので、
「今のその気持ち、ポケモンで表すとしたら何?」(自分のコップを弟に使われて、無理にとりかえそうとして自分がかえって叱られたシチュエーションで)
「ギラティナ!」(図はこちらです~)
とすぐに答えが返ってきました.(^_^;)



1日目はここで終わり.

この3日間のボリューム、私の期待するレベルでは語り尽くせる自信がなくなってきましたが、なんとか雰囲気が伝わっていれば幸いです.

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