杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ

杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科からの情報発信です\(^^)√
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ムンプス難聴にかかった方および子どもたちの保護者からのメール その2

2007-08-23 | クリニック通信
その1からの続きです

【Eさん 5歳ムンプス難聴が疑われる片側難聴】保護者から Nov. 2005
5才の娘はムンプス難聴?で片耳の聴力を失いました。
おたふく風邪にかかった時に小児科医と耳鼻科医の診察を受けていますが、どちらの医師も聴力に気を配りませんでした。
さらにその耳鼻科医は本人が難聴を訴えて受診した時にいきなり本人を前に
「片耳全くダメ」「大人になっても治らない」「もう片方あるからいいよね」
と言い、問いただしたらもっとひいどいことを言われそうだと思ったので、涙をこらえながら黙って引き下がりました。
その時は聴力検査の結果ももらえず(そもそも、まともな聴力検査をせずに診断された)、 精密検査の出来る病院を紹介してくれた訳でもなく、自力で病院を探し回ったため、彼女には余計な負担をかけてしまいました。

一ヶ月間病院巡りをして、ほとんど毎日鍼治療に連れて行って、インターネットを調べて、耳鼻科医が読むような専門書まで勉強して、ムンプス難聴であればもう治らないことを理解しました。

私は今も「あと70年以上も人生があるのにずっと片耳で生きていくのか」
と思って泣けてきますが、私達の子供が大人になるまでに治療法が見つかるような気がします。
・・というのは、私は生物学の研究者で神経細胞も扱っているので、再生医療の現実性を身近に感じているからです。ですから聞こえない方の耳も良い状態に維持して、将来の治療を待とうと考えています。

しかし残念ながら娘の失聴とおたふく風邪の因果関係が分からず(7月のおたふく風邪から10月の診察で判明するまで聞こえていない状態に誰も気が付かなかった・・のが信じがたい)他の深刻な原因を抱えているのでは?という心配は今も続いています。

最初の医師は「おたふく風邪ならどうせ治らないんだから、いつ失聴したか調べるのは意味がない」というようなことを言いましたが、原因を確定しておくことは将来の治療や、今後起こりえるトラブルを予見する上で必要なことだと思います。
それにおたふく風邪にかかった子供の全てが聴力検査をして色々な治療法を試せば、治療 法ももう少し改善されるのではないかと思います。

前置きが長くなりましたが、
ムンプス難聴の発生頻度に関するホームページに関する要望があります。
(1)ムンプス難聴の発症機序に関する情報
(2)ムンプス難聴の治療例・治療成績の情報
を入れて戴けないでしょうか?
専門病院の医師も「内耳、特に蝸牛が障害を受ける」という点しか知らないそうで、どうしても情報を知りたければ研究者に直接話を聞くか、文献を調べるしかないのではという話でした。
いくつかの文献を紹介して戴ければ、私は自力で読むことが出来ます。

また、患者の追跡調査(後遺症の発症頻度など)もお願いしたいと思います。
さらに、出来れば患者集団のケアもお願い出来ないでしょうか。
片耳があれば生活には困らないという医師が多いですが、数年後に遅発性内リンパ水腫を発症する率が高いことはある程度勉強すれば分かります。
この点について2カ所の専門病院(○○病院・××県こども病院)とも説明はありませんでしたが、患者は多くはこれを知り、青年期になるとコンプレックスや恐怖心を抱える人も多いです。
しかし「ムンプス難聴の会」のようなものは存在せず、個別に情報交換している状態です。
(中略)

そちらの調査(ムンプス難聴頻度調査)では通説より発生頻度が高いことが示唆されているようですが、それがほとんどの小児科医に伝わっていないことがもどかしく思えます。
保護者が読むような子供の病気の本でも触れられているものは少ないですし、私の娘に関わっている小児科医が2人いるのですが、どちらも難聴に関する配慮はありませんでした。
一人はかかりつけの小児科医ですが「おたふく風邪の予防接種は効果が低いし、髄膜炎の予後は悪くない、難聴は1~2万人に一人なので考慮しなくて良い」ということで、接種を勧めませんでした。もう一人は△△市の病児保育室を担当しており、おたふく風邪の診断をして保育園に行けるまで診察をされた方ですが、こちらの訴えに関して「今までおたふく風邪で耳を気にしたことがない」と言っています。彼らの知識不足は非常に問題だと思います。

患者、あるいは患者の親が気になるのは「内耳のどの部分が障害されているのか、それによって生活を変える必要があるのか?将来どのような影響を及ぼすのか?」という点です。

「耳科学:難聴に挑む」という本には「ムンプスウイルスはコルチ器を破壊する」という記述がありますが、××県こども病院の耳鼻科の医師に聞いたところ「感染した内耳の免疫染色でウイルスに対する抗体がコルチ器とそこに至る血管に多く反応する・・と習った記憶がある。解剖学的所見では変化がなく、血管障害などから神経細胞が虚血性のダメージを受けるのではないかと考えているが、詳細は知らない」という話でした。また、ムンプスによる両側性難聴で人工内耳が効果を上げているということは、らせん神経節より後ろの経路には問題がないのではないかという意見でした。
耳鼻科医でもあまり分からないということはあまり研究が進んでいないのかも知れませんが、患者にすれば将来の再生医療のどの部分に対応するかを切実に知りたいのです。
もし原著論文のタイトルだけでも教えて戴ければ、自分で読んでみたいので宜しくお願い致します。

私はあちこちの掲示板などでムンプス難聴のお子さんを持つ方や患者さんご本人を捜していますが、大人になって発症した方やめまい・耳鳴りの残る方、子供の頃には不便を感じなかったものの遅発性内リンパ水腫でもう片方の聴力を失いつつある方、現在は健康でも耳が一つしかない事自体をプレッシャーと感じている方、片耳失聴を周囲に言い出せず人間関係で苦労している方など、医師が考えているよりずっと重いものを抱えていると感じています。

患者に必要なケアは以下のように考えています
*内耳障害の程度や後遺症・治療法に関する最新の情報の提供
*生活上の留意点(人間関係、子供の心のケアも含めて)のアドバイス
*継続的な聴力検査だけでなく、内耳の状態に関する様々な検査(音反射やCTで内リンパ水腫の兆候が見られることが希にあるそうです)を同じ基準で受けられること
*患者どうしの情報交換

ムンプス難聴は診断された時点で「終わったこと」という扱われ方をされるのが、どうにも我慢なりません。
私は鍼治療の先生の方から「奇跡が起きるよう頑張りましょう」と声をかけられたことでずいぶんと救われました。
一ヶ月の治療でも聴力の改善が無かったので鍼治療の効果はほとんど諦めていますが、見守ってくれる方・寄り添ってくれる方の必要性をしみじみと感じます。娘もマッサージを小児鍼の治療を親から受けていることが精神的な安定作用があるようです。
大人のムンプス難聴における鬱症状も発症時からの継続的なケアがあればずいぶんと軽減されると思います。

(中略)
MMRはうちの上の娘(13才)の小さかった頃に色々と事故が起き、その主因がおたふ
く風邪ワクチンであると言われていたので、私にとっておたふく風邪単独の予防接種もあまり良い印象はありませんでした。
そして小児科医の意見も同じだったため接種はしなかったのですが、小児医療を専門とする立場の方々はもう少し勉強して戴きたいと思います。
そもそも片耳失聴に対する認識が甘すぎると思います。

このメールを含め私が出したメールの全てを関係者に転送して構いません。
私もそれによって新しい情報や議論が得られることを期待しています。

○×大学大学院自然科学研究科・地球生命圏科学専攻
××

【患者Fちゃん 5歳で右ムンプス難聴】保護者よりMay 2006
こんなに詳しく書いてあるのに、悔しい思いでいっぱいです。

初めまして。去年の6月に当時5歳の娘が右耳難聴になりました。
診察を受けた耳鼻科で初日に聴力検査をし、4日目にはめまいがすると
言うので小児科に行き・・・「どちらも様子を見ましょう」でした。
耳鼻科ではめったにないから大丈夫と言われ、信用しました。

なぜ小児科でもわからなかったのか・・・2万人に1人の割合だからと
言われましたが次に行ったら、あきらかに一桁は違うだろうと言われ、
先日の耳鼻科では2%くらいかもと言われました。
そんなに多い、しかも治療法のない病気なのになぜもっと情報をくれないのでしょうか。

予防接種を小児科や耳鼻科で進めるべきです。
集団検診の時に保健所は知っているなら説明すべきです。
私は・・・子供の病気は特に、お医者さんを信用しきっていました。


私も、まずは本当に治療法がないのかが知りたいですが発生頻度も是非知りたいです。
今、通ってる耳鼻科では私の娘を含めて3人いるそうです。
どうなっているのでしょう・・・

(つづきのメールMay 2006)
最初に行った耳鼻科の先生に言いたい事はたくさんあるのですが、
結局言えないままです。

最初からお話ししますと・・・
耳が痛いと言うので耳鼻科に行きました。
保育所では1人、おたふくが出ていたそうですが、聞くまで伝えてもらえませんでした。個人情報保護法と言われました。

よく中耳炎をしていたので、またそうだと思っていました。
待合いで順番を待っている間、「右の耳が聞こえにくい」と言うので、先生に告げると「念のため聴力検査をしましょうか」と言われて個室へ私も一緒に入りました。

看護婦さんが何度かしているうち「さっきは聞こえたのにまだ聞こえないの?」とか「おかしいなー、まだ聞こえない?」を何度も言われ・・・
その時の不安な気持ちをしっかり私が伝えるべきでした。
結果、「聞こえにばらつきがあるから大丈夫。おたふくで難聴になるとこんなもんじゃないから。一時的に悪くなっても徐々に治って行くと思う。滅多にないし安心していいよ」と
言われて疑いませんでした。

4日後、朝起きると「天井がぐるぐるして壁を持ってないと歩けない」と言うのです。
昼過ぎにはおさまりましたが、夕方に小児科へ行きました。
おたふくにかかっている事と、耳鼻科でも見て貰ってる事は伝えてました。
「めまいに関してはわからないですね。今は何ともないみたいなので様子を見ましょう」
と言われました。
2週間後、電話をしようと受話器に耳をあてたところ「何にも音がしないよ」と言うのです。
びっくりして私が後ろから小声で話しかけると、反応なし・・・
次の日、違う耳鼻科へ行きました。

私・「2週間前におたふくをしたんですが関係があったりしますか?」
医・「めまいは?」
私・「ありました。小児科に行きましたが」
医・「すぐ検査をしましょう」

1時間近くを費やして検査をしたあと説明を受けました。
紹介状を書いて貰い、大きな病院に行きましたが、治療はかかって4日以内でないとできないと言われました。
あとで調べたら(HP)めまいは耳鼻科へ・・・なんですね。
それなら小児科の先生に耳鼻科へ行くよう、進めて欲しかった。
きっと先生もその時は知らなかったのかな・・・と思います。

> 親御さんが悔やみきれずに一番苦しいのだろうと思います。お子様はい
> かがですか? 生活に不自由はなさそうですか?
> もしも普通に生活できておられるのであれば、お母さんが少しでも早く
> つらい気持ちから立ち直ってあげないと、かえってお子さんが かわい
> そうですよ。暗い気持ちを敏感に感じ取るようで。
>
私が悔やんでいるのは、子供が症状を一生懸命伝えているのに、私を含め周りの大人が理解できずにいた事です。
無理して立ち直らないといけないですか?
忘れないといけない事でしょうか?
どんな思いでやっと1年を過ごしたと思われますか?
歳をとってできた子供で、子供の健康にはすごく気をつけていただけに本当に悔しいです。
予防接種で少しでもその確率が落ちるなら迷わずしていたでしょう。
それなのに情報として伝わって来ていない、なぜですか?
下の子供は予防接種をしました。
1回して血液検査、免疫がつかず2回しました。

今でも小児科や耳鼻科で予防接種を進めている様子はないですが、保育所や小学校で話をして行くつもりです。
あのね・・・予防接種が必ず難聴の予防をできるとは限らないとか、めまいが必ず難聴を予見できないとか、全部の情報を伝えるべきじゃない事もあるとか、まわりくどいそんな事どうでもいいんです。
こんな病気があって治療法がないんだって事だけ伝えて欲しいんですよ。
そんなに時間がかかり難しい事ですか?

期待してます。
May 2006
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【Gくん 6歳で不顕性感染によるムンプス難聴】保護者からのメール May 2006

自分は、子供(男児)に3年ほど前の3歳の時におたふく風邪の予防接種を打って欲し
いとある地元の小児科医(50歳代の方)に行きましたが、「おたふく風邪はうつして
くれてありがとうぐらいでないといけませんよ」と言われて予防接種を止めました。
子供は昨年(2005年)9月27日に、ムンプス難聴で左耳を失聴しました。自分は、おたふく風邪から難聴になることを知りませんでしたが、先生の説明になるほどと思ってしまった
のが悔やまれてなりません。

子供のムンプス難聴の発症経緯は以下の通りです。

子供はムンプスの不顕性感染でしたが、気が付いたのは、風呂に潜った際、耳がモゾモゾすると訴えたからです。また食事も美味しくないと言っていたからです。
1/3は不顕性感染だそうですね。小児科医は触診されましたが、おたふく風邪か判らず首をひねっていました。小児科医はおたふく風邪ではないと診断を下しましたが、自宅で周波数の高い音の聴力低下が見られることに気がつき、すぐにある耳鼻科医で診察をしました。
耳鼻科医では、マスキングをしない聴力検査を行い、聴こえていますと言われるので安心していましたが、翌日9月27日には片耳失聴してしまいました。

後でわかった事ですが、受診した小児科医は、おたふく風邪から難聴になることをご存知なかった方でしたので、おたふく風邪の不顕性感染の見分け方も詳しくなかったのだと思います。(後日、失聴後に治療を施した耳鼻科医は、触診する場所が違っていること、ムンプス抗体価の見方も違っていることを説明して頂きました。)また明らかに触診で判る不顕性感染であると指摘されました。

全てに対して運が悪かったんだなと諦めていましたが、橋本先生にメーリングリストをお願いするつもりになったのは、以下の通りムンプスが流行っており難聴が多いからです。

今年、子供は小学校に入学しましたが、2年生にもムンプス難聴になった児童が居ることが判りました。3年生以上に関しては情報を入手していません。小学校は1学年60名強で、学校全体で400名程の小学校ですから、かなりのムンプス難聴発症率になります。

さて、こちらの2年生ですが、息子が受診したのと同じ小児科医に、ムンプスワクチンの予防接種を受けに行き、同じように「おたふく風邪はうつしてくれてありがとうぐらいでないといけませんよ」と言われて接種をやめたものです。
ですから、結果的にこのお医者さんは、二人の子供をムンプス難聴にする手助けをしたことになります。(親が最終の判断をしたのですが。)

その後、地元8人のお医者さんと会話しましたが、50歳代の小児科医2人は、ムンプスから難聴があることをご存知ありませんでした。
更に、5月にムンプス難聴をご存知ない小児科医に、”ムンプス難聴に注意”のパンフレットを持っていったところ、一人のお子さんがムンプス難聴になっていることが判りました。

高々8病院ほどしか小児科は回っていないですが。耳が聴こえなくなって何軒も小児科をハシゴするなんて考えられないので、(耳鼻科に行くと思いますので)少なくとも2005年からのムンプス流行期に地元では、ムンプス難聴は3名はいるということになります。 1万2千人の子供に3人ですから発症率は、少なくとも4千人に一人くらいでしょうか。

ムンプスウィルスも流行している地域ではウィルスが変異するのかもしれません。
橋本先生は、大阪地区ですので都市部は共稼ぎが多いでしょう。予防接種をしている子供が多いと思いますので、地方の特定地域ほど流行がないと思います。調査に参画されている小児科医の所在地を調べましたが比較的大きな市ばかりで、調査町域は共稼ぎが多いので、地方よりもムンプス難聴率が橋本先生の調査結果は低く出るのではないかと危惧しております。地方の方がもっと高いのではないかと思います。

橋本先生のようにムンプス難聴にご理解のあるお医者さんが居ることを知った上でのお話になりますが、こちらの地方では、ご年配の小児科医さんは、ムンプスから難聴ということをご存じない方が多いのかもしれません。そのような実態(小児科医でもムンプスから難聴になることをご存じない方が居る)ということを、橋本先生にも知って頂きたく、また機会がありましたら”ムンプス難聴の発生頻度調査”のグループでお話頂けたらと思いメールした次第です。

May 2006


【Hくん ムンプス難聴】保護者からのメール Aug 2007
右耳失聴の小学1年生を持つ父親です、失聴が判明して以降の苦しみは、多分他の親御さんが書かれると思いますので、今回は触れませんが、みなさん方に考えていただきたいことが1つあります。

うちの場合、おたふくかぜによる後遺症があることは知っていました(ここまで苦しむとは思いませんでしたが)、予防接種も受けるつもりでした、しかし、新生児には数多くの予防接種が必要であり1度には受けられません、家族の都合や、本人の体調などで少し遅くなっている間に当時流行っていたおたふくかぜにかかってしまいました。

当然、各家庭で予防接種による自己防衛はおこなうべきですが、全体としての予防接種率を上げて流行をなくすことが必要です。おたふく風に限らず、感染症予防は、(予防接種の危険性も考慮したうえで)義務として予防接種を行い、社会全体として感染症の根絶を図らなければ、私たちの様に苦しむ人をなくさなければなりません。

短時間で書きましたので、内容がまとまらず申し訳ありません 道後の父


【Iちゃん ムンプス難聴】保護者からのメール Aug 2007

幼稚園でおたふくに感染すると「お大事に」程度でそれ以上のことは無かったように思いました。家の娘がおたふくにかかったのは小2の11月中旬でした。その時の担任の先生は年配の方で、「○○さんがおたふくにかかっているので、お手紙を届けてください。あ、そうそう、まだおたふくにかかっていない男の子は、今のうちにうつしてもらって来なさい。」
と言っていたそうです。

おたふくの怖さっていうのが昔の人(←失礼ですね)には浸透していなかったため、誰かがかかったら「病気を貰ってくる」という発想が多いように思いました。そうです。うちもそんな感じで、義母も電話で「それじゃぁ続けて罹るね。小さいうちになら楽よ。」なんて感じでした。それが、罹ってみたら大変なことに。
12月4日片方腫れ始め、そして2日後にもう片方が腫れるというのは姉弟共通の症状でした。ところが弟の方が治癒証明を貰った翌日に何度も嘔吐。こちらも待合室が隔離ではなかったので『体力が落ちていたから嘔吐下痢の風邪でも貰ったのかな?』程度にしか思っていませんでした。慌ててかかりつけの病院へ行って吐き気止めの点滴を入れて貰いましたが、またしても自宅へ戻ってから嘔吐。幼稚園からも「おたふく風邪はもう治ったのではないでしょうか?どうされました?」と電話が入りましたが「嘔吐が続いているのでもう少し休ませて欲しい。」と治癒証明だけを幼稚園に渡しに行き、その後嘔吐は治まりましたが、体力が戻らないため病欠は学期末前日まで続きました。

2月のある日に子供がゲーム機で遊んでいました。私は役員仕事で、考え事をしていたため子供なりに『うるさくしてはいけない』と思ったらしくイヤホンを付けて遊んでいました。私も考え事が一段落したため、「もういいよ。イヤホン外しても」と言ったら、「面白
いよ。こういう音がするゲームなの。」と言いながら息子はたまたま左側にいた私に自分の左耳に入れていたイヤホンを私の耳に入れ、改めて息子の右耳に入っていたイヤホンを左耳に移したら「あれ?何にも音がしないよ。」と言われ『安物だったから壊れたかな?』なんて思ったら息子が手にしているイヤホンから音が聞こえるではありませんか。「壊れてないよ。ちゃんと耳に入れないとダメじゃ~ん。」なんて会話して「聞こえないよ。」「え?え? え?」。体が震えて額から汗が噴き出した事を思い出しました。もう夜の診療時間は終わっていたので、その日は夫にメールし、「大丈夫だよ。まだちょっと具合悪いだけじゃない?」
って言われ何故か安心していまいました。2月から3月までは何しろ行事が立て込んでいました。幼稚園も学校も両方掛け持ち役員だったり、また娘や私がインフルエンザに罹ったりと忙しかった為、『一時的に耳の中が腫れているんじゃないか?』程度にしか考えておらず、病院へ行くのも延ばしのばしにしてしまい、春休みに入った初日にかかりつけの耳鼻科へ行きました。気づいてから1ヶ月以上です。直ぐに聴力検査を行ったけど、初めての検査で要領も良くなくて私の顔色を見てはボタンを押してしまい、技師さんと看護師長さんが顔を見合わせていました。診察室に戻ってすぐ、「大きな病院・・・。そう、精密検査を受けて下さい。紹介状を書きますから。」と言われた途端に涙が噴き出しました。

おたふくは「移して貰う」ではなく、予防注射を。(そしてこれも任意ではなく全員接種にしてもらいたいです。)嘔吐の症状が出たら難聴を疑って下さい。

辛いこと。病院へ行くたびに処方される薬に対して、「この子はおたふく風邪の後遺症で左耳が悪くなってしまったので、耳に影響の無い薬をお願いします。」と本人がいるところで話さないといけないこと。これが困ります。病院によってはステロイドを出されることがあります。確かに直ぐに効いて治りが早いのは分かります。「あの、ステロイドは出来れば止めて欲しいのですが。」と言ったところもの凄い剣幕で怒鳴られ、間違いなく外の待合室まで丸聞こえだと思います。どの病院にしても音が丸聞こえって言うのはどうかと思います。(特に産婦人科でも思ったことですが・・・)なんとかプライバシーを守れる診察室というのは無いでしょうか?うまく伝えられず済みません。

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5 コメント

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難聴の立場から。 (ちぃ)
2011-12-12 21:01:22
私も5歳で発症、右耳の聴力をなくしました。今32歳。
特に不自由はありません。保護者の方々、心配される気持ちも分かりますし、実際うちの親も自分を責めていました。
だけど、本人以外と普通の生活出来てます。看護師にもなれて人並みに働けているし。
医者にもなれるから大丈夫と当時の主治医に言われましたよ。
あまり気にしすぎないほうが...
聞こえないなら聞こえないなりの工夫を成長と共に身に付けていけるものです。
大丈夫、大丈夫。あんまり深く考えないほうがいいです。
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ちぃさん、コメントありがとうございます (杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科)
2012-01-01 15:57:17
そうですね。脅しの道具として、ムンプス難聴を使って、必要以上に不安にさせるというのもまた違いますよね。
タバコファシズムのような方向に繋がらないように気をつけたいと思います。
返信する
初めまして (E)
2012-05-31 19:04:04
こんにちは。
私もムンプス難聴です。
みなさんの情報交換の場所として使っていただけたら嬉しいです
http://0bbs.jp/munpusu/
返信する
同じです。 (高校生)
2013-05-14 00:02:42
自分も三年前に片耳が聞こえなくなりました。

三年前に、当時中3であった自分が、おたふく風邪に掛かり、病院にも通い、
治った次の日、朝目が覚めると
耳鳴りがして、そのうち止まるだろうと思っていたのですが、一向に止まらないので、親に相談して病院に行き、ムンプス難聴であることが発覚しました。それから、何ヶ月に一回というペースで病院に通い、その度に聴力検査して、医師からの説明?などしていました。それと気になるのは、薬を処方されたことです。粉状の薬に錠剤タイプ薬が二つあり、毎食毎に服用しなければなりませんでした。なんの意味があったのかは不明ですが…、学校生活では、とても不便でした。片方の耳からの言葉が聞き取れないので、当時自分はかなり悩んだと思います…。が、結局この状況になれるしかない、という現実を突きつけられ泣きだしたいこともありました。まぁそんなこんで一年が過ぎて、二年目からはどんどん病院に通うことが減っていきました。2ヶ月に
一回、3ヶ月に一回と…今ではもう行ってないですけど、それと、聴力検査の結果なんですが、「低い音が聞き取れ、高い音が聞き取れない」という結果がグラフに記されていました。答えはおそらく、片耳から常に耳鳴りがしているからでしょう。耳鳴りは高い音でキーという音が聞こえます。それに紛れて音が拾えないのだと思います。この耳鳴りはやむことはないですから、やはり、どうしょうもないのでしょうね。そして、三年の月日が流れ、現在に至ります。就職して社会人になるという大事な時期です。片耳が聞こえないことに正直馴れてしまいました。馴れたといっても、周りがうるさかったり、騒音など聞こえないことは、多々あります。出来れば直したいですが、たぶん、無理なのでしょう。ですので、もう開き直って前向きに行こうと思ってます!同じ症状の人がいて、不謹慎ながら、励みになりました。ありがとうございます
返信する
防げるのなら防いで欲しい (通りすがりですみません)
2014-06-11 02:49:36
たまたま通りすがりに、お見かけしてコメントさせていただきます。

私、40歳ですが、5歳でムンプス難聴になりました。片耳失聴しています。骨伝導もだめでした。
幼かったけど、覚えています。嘔吐がひどくて、診察室でも嘔吐して医師がティッシュの箱で受け止めてました。即入院になりました。某公立の大きな総合病院でしたが、入院しても失聴を防げなかったんですね…。

障害とは思わずに生活していますが、不便を感じることは多いです。
体調が悪いと耳に水が詰まったみたいに聞こえが悪い時もあるし。

予防接種で発症の確率を下げられるなら、正直安いものだと思います。
本来ならしなくていい気苦労をすることを思うと、もう本当に。
目ざまし時計を置く位置、職場のデスクで電話機がある方向、ミーティングやカウンター席で座る場所、人と並んで歩いている時に自分が聞こえる方にいかに自然に移動するか。諸々気を使います。
自分で選択できるなら、予防接種を受けたかったなー。
それが、35年、自分の耳と付き合ってきた私の本音です。

ちなみに私は楽器奏歴ウン十年ですが、その関係の知り合いに、ムンプス難聴者が私含めて4人います。それくらいの確率で発症するのか、音に思い入れがあって集まるのかわかりませんが、意外に多いなーと大人になって気づきました。
「ウチの子は大丈夫」といえる確率ではないような。
とはいえ、難聴でも音楽を楽しむこともできるし、車の免許もとれるし、就職もできます。
プロの音楽家になりたいとか、飛行機のパイロットになりたいとか特殊な職業は選べなくなりますが(音が聞こえてくる方角がわからないので)、工夫はいりますが普通に生きていけると思います。
最後に慰めにもならないかもしれませんが、私も、知り合いの難聴者にも過去を恨んでいる人はいません。皆折り合いをつけてコツコツと生きております。
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