サイエンスとアートの違い

別のブログで、サイエンスとアートの違いについて議論が進んでいましたのでコメントさせていただきました．

サイエンスとアートの違いはシンプルだと考えています．
医療に限らず、あらゆる事象にサイエンスのパラメータとアートのパラメータがあります．
誰がやっても同じ結果を出せる部分がサイエンスで
その人にしかできない部分がアートではないかな、と考えています．アートは自己表現の手段だからです．
しかし、アートも多くの人に認知され、広くモデリングされるようになればサイエンスになっていきます．

例えば、ある手術の手技が著名な誰々先生にしかできないものだったとしても、彼はそれを後輩や仲間に伝えていくでしょう．するとなんとかその手技は世界中に広まって行きます．サイエンスの部分では同じ結果をもたらすとされますが、本当は微細なところで手技の開発者とそれを学んだ人では完璧に同じではありません．ロボット手術なら別ですが．．．学んだ人は守・破・離（始めは師匠さんのいうことを全て守る．次に少しづつルールを破り、自分の考えを加えてみる．そして最後はオリジナルの方法を産み出して離れる）を経て独自の方法をからませて進化させていく．これがサイエンスとアートの競演です．

多くの故人がアートからスタートした数学、物理学、医学などなどはサイエンスとアートの競演を繰り広げながら進化を続けているのではないでしょうか．