2008年9月22日のブログ記事一覧-ギャラリー貴祥庵 ―《貴志 理の 日々の思いついたままのイメージ絵画、心に残る言葉、歳時の記録を綴る》―


Yhaaa!11

(略)筆の一刷(は)きで一匹の動物に生命を吹き込むことが、最も異論の余地のない日本人の才能である。日本人を驚くべき動物画家として全世界的に認知すべきだ。日本人には動物を見張る忍耐力、動物を簡略化する瞬時の観察眼、動物を生動させる英知がある。カケモノ(掛けもの)、絹織物、そして家庭用品の表面に、おそらくピサネロただひとりが思い起こさせる、素朴さや真実味が出るように描かれた
(略)
 
花の落下のなかの小さな蝶は、

  落ちた一枚の花びらが
  もとの枝へと再上昇する、
  ああ! それは一匹の蝶だ! (伝 守武)

 落花枝にかへると見れば胡蝶哉

 最後に挙げた実例が典型的だ。瞬時の驚き!これはハイカイの定義そのものである。衝撃がハイカイの唯一の表現方法。突然起きるものごと、予期しなかったものごとが、ほとんどつねにハイカイに必要不可欠とされる。三つの小詩句
は、思いがけない何かの出現、目の驚嘆をあらわすために作られるように見える。

目の驚嘆(P=L・クーシュー)佐藤和夫著『俳句からHAIKUへ』

 

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