酔いどれおやじの独り言

徒然草の現代版

酔いどれおやじの千二百八十二日目

2013-01-31 04:21:58 | Weblog
なぜかドヤドヤと人が大勢乗ってきたのである。終点までもう一眠りしようと思っていた私は大勢の人の気配に目を開けた。目を開けて度肝をぬかれた。なんと鹿の群れが大勢乗ってきたのである。「おいおい、この汽車だぜ、俺たちの道を分断すのは」「そう、私などは何度も子供と引き離されたわ」「俺なんぞは‥、ちくしょう、子供を跳ね飛ばされたんだ‥」「ぎょっ、人が人が乗っているぞ!」「何~!」そして鹿達は私の方へと近づいてきたのである。「なぜだ、なぜ私達の道を取り上げる、なぜ私達を苦しめる!」私は鹿達のけんまくと怒りに満ちた形相に恐れを覚え身の危険さえ感じ「いや‥、私は何も‥、ただこの汽車に‥乗っているだけで‥‥」言葉さえシドロモドロになりひたすら言い訳を繰り返した。それでも鹿達は許さんという顔で迫ってくる。続く‥。
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酔いどれおやじの千二百八十一日目

2013-01-30 02:10:02 | Weblog
その日一日何か気が晴れずにモヤモヤし仕事を終え帰宅した。不思議なことにそれから続いて毎日のように鹿の群れに出くわし、その度に汽車は警笛を鳴らし減速して徐行運転。私は窓から幾度となく汽車に分断された鹿の群れを見、母鹿と分断されて悲しげにこちらを見ている子鹿や憎らしげにこちらを見ている母鹿、時にはこちらに向かってきそうなオス鹿などを見かけた。私は奇妙な感じがし何か嫌な予感がした。そんなある日、私は仕事の関係で遅くなり最終の汽車に乗ることとなった。夜の10時近い汽車で辺りは闇に包まれ、ましてやこんな時間に乗り合わせる乗客もいるはずがなかった。「また、車掌と2人きりか‥」そう思いながら汽車の発車を待っていた。「今日は忙しかった」と仕事の事を振り返っていると汽車は動き出した。何も見えるはずのない暗闇の窓をじっと眺めているとうつらうつらと眠気がおそって来た。数分寝ていたのか、汽車が停まるような音がした。「何時も停まる駅か‥」、そうこれでも三駅ほどこの汽車は停まる。誰も乗ることがなくてもである。でもその日は違った。続く‥‥。
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酔いどれおやじの千二百八十日目

2013-01-29 04:50:23 | Weblog
次の日私はあきもせづ窓の外の景色を眺めているとなにやら黒いものがうごめいているのが目にとび込んだ。なんだろうと目をこらして見逃さないようにじっと見ているとそれは鹿の死体に群がるカラスたちであった。そしてその鹿の死体の顔がなんとも悲しげな顔をしているように見えたのである。「嫌なものをみたしまった‥」と思いながら車内に目をそむけた。続く‥‥。
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酔いどれおやじの千二百七十九日目

2013-01-28 16:38:48 | Weblog
私はいつもの如く子供のように窓に顔を近づけて景色を眺めていた。突然、急ブレーキがかかり汽車は徐行運転を始めた。何事かと前の方を見ても詳細がつかめない。なにせ私は真ん中ぐらいの席に座り、前を見ても前方の扉が邪魔をして見えなかったのである。すぐに車掌の放送で鹿の群れに出くわしたせいだと分かった。終着駅で車掌にあの時のことを聞くとよくあるそうで、ひどい時には鹿を撥ねてしまう事もあるそうなのだ。私は「ふ~ん」と納得をしたような顔をして少々鹿のせいで送れた時間を取り戻そうと会社へ急ぎ足で向かった。続く‥‥。
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酔いどれおやじの千二百七十八日目

2013-01-27 01:57:31 | Weblog
発車のベルが鳴り、車内放送が終わると汽車は動き出す。窓から見慣れた町並みを抜け景色は広い大地へと変わる。汽車は私が毎日通う道と平行して走る。毎日見慣れた道の景色もこうして見ると随分と変わって見えると関心して一人をよいことに窓に顔を着けんばかりに食い入るように眺めていた。こうして私の汽車の通勤が始まった。私の職場の町の駅までの所要時間は約45分。さらに駅から会社まで歩いて15分、ちょうどよい距離間である。てくてくと歩く会社への道もまた新鮮さ感じた。こうした新鮮さも何か私の最後となるサラリーマン生活に活気を与えつつあった。そんな汽車通勤を始めたある日の事であった。続く‥‥。
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酔いどれおやじの千二百七十七日目

2013-01-26 02:20:41 | Weblog
最近通勤に汽車を利用している。そこでこんなお話を‥‥。『見知らぬ停車場』 私もそろそろ定年を向かえる歳となっている。そこで今まで車で通っていたのを汽車に替えてみようと思い立ち駅で時刻表を調べてみた。幸いにもちょうどよい時刻の汽車がありそれで暫らく通ってみることにした。今では車社会となり汽車などは何十年と乗っていない。その日の朝、少々わくわくしながら昨日買った定期券を駅員に自慢げに見せ改札を抜けた。寂れた陸橋を渡り私の乗る汽車を見て驚いた。なんと一両編成でありそれもワンマンである。しかも乗客は私一人。「この御時世じゃしょうがないか‥」私の子供の頃のあの満員の汽車を思い出しながら乗り込んだ。私の住んでいる町は人口2万人にも満たない田舎町である。そんな所からさらに人口が少ない田舎町に私はここ何年も通っている。仕方が無いと心の中では会社に反発しながらも通っている。それも後少しで終わりを向かえる。そんな悔しさと寂しさを思いながら空席ばかりの汽車の発車を待っていた。続く‥‥。
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酔いどれおやじの千二百七十六日目

2013-01-25 04:35:28 | Weblog
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酔いどれおやじの千二百七十五日目

2013-01-24 03:04:32 | Weblog
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酔いどれおやじの千二百七十四日目

2013-01-23 03:56:53 | Weblog
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酔いどれおやじの千二百七十三日目

2013-01-22 05:09:17 | Weblog
 久々の切り絵。大好きなブルース・リーです!
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