祐正寺
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/aa/91b833756421a999aacbf4b0b6b4bb62.jpg)
『つまとり地蔵(祐正寺)
正式名称は、「娶妻結地蔵尊」という。
鎮座される地蔵堂は、霊元院法皇の勅願により 寛文十三年(一六一三)洛陽四十八願所、第九番札所として創建された。
地蔵尊は美しく彩色され、台座に腰掛け、左足を下げ、右足先を大腿部にのせて足を組む、半跏地蔵尊である。
昔から縁結びを守護する地蔵として人々に親しまれ、「つまとり地蔵」と呼ばれている。
霊元院法皇が
「かりそめの色のゆかりのちぎりのみ
結ぶばか利と人なおもひそ」
と御詠歌に読んでいる。
地蔵尊を有する当山は、慶長七年(一六〇二)に 圓譽雲白和尚により創建された。
浄土宗大本山百萬遍知恩寺の末寺であり、本尊は、「阿弥陀如来立像」が安置されている。
京都市』 (駒札より)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/3f/5ca7cc7a1ff30c916d8d7dc971b08eee.jpg)
祐正寺はJR山陰線円町駅から東北東の方角、約1 km のところにある。幹線道路から少し脇道を入るので少しだけ見つけにくいかもしれない。
創建やその後の経緯については上記駒札の通りだ。お寺を名乗っているが、正式には地蔵尊だということで、どのようなものだろうかと思っていたが、門構えから内部の境内にかけてやはりお寺の雰囲気だ。しかしやはり地蔵尊というだけあって、地蔵堂があり内部に少し大きめの地蔵さんが座していた。大きなハスの葉が広がり、緑が豊かな境内。さらに鎮守社としての稲荷神社があり、それとは別に弁天さんも祀られている。本堂もしっかりと建てられている。何から何でもありのお寺という感じだ。
創建が江戸時代の始まりとほぼ同時であり、天下泰平の世の中をずっとを送ってきたということになる。縁結びの地蔵ということで、そこから「つまとり地蔵」と呼ばれるようになり、特に男性にとってみれば結婚を特に願っている人にとって、ありがたい存在となるのだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/bc/41853c66bc111470f7f4cb525e7611da.jpg)
地蔵菩薩というのは、元々はインドのバラモン教の神話から来たもので、その中のサンスクリット語の内容が訳されて地蔵となったということのようだ。これが日本に入ってきてお寺などに関する以前に、民間信仰の中に入り込み、その姿・顔つきから優しさに溢れたもので、子供の守り神のような存在として認識されるようになる。そういった意味ではお寺などがあまり無いような地域においては、道祖神との性格が加わりやがて一体化するようになっていった。
その後、平安時代以降になると浄土信仰が盛んになり、世俗社会の中で悪行を行った者は地獄へ堕ちるものと信じられ、そういった人々は何とか助けてほしいという願いをこの地蔵に求めるようになったという。そういった意味では地蔵菩薩というのは、苦しむ人々、悩む人々を助けてくれるような優しい存在としての性格が強まっていく。同時にそのような優しさというものが、子供の守り神的な性格も併せ持ち、各村々で子供たちを助けてくれるような存在として意識されるようになる。今に至る町内会などでの地蔵盆というのも、子供のお祭りが主体であり、このようなところから来ているのだろう。
上記のように民間の道祖神信仰と結びついた結果、大きな有名なお寺に参拝して心願成就を願うべきところが、近くにそのようなお寺がない場合に、道祖伸の具現物として小さな石を彫って道端などに置くということがなされるようになる。これが今も各地に残る石地蔵であり中にはかなり大きな石地蔵も存在しており、各地でその昔悩み事を抱えたり困ったことがあったり、あるいは家内安全を願ったりする時に、こうした道端に立てられていると言うか、置かれている石地蔵に各自の願いを祈ったものと考えられる。したがってただ単に村の安全を守ってくれるものだ、と言った以上に個々の人々の守り神としての役割が強かったんだろうと思われる。
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『つまとり地蔵(祐正寺)
正式名称は、「娶妻結地蔵尊」という。
鎮座される地蔵堂は、霊元院法皇の勅願により 寛文十三年(一六一三)洛陽四十八願所、第九番札所として創建された。
地蔵尊は美しく彩色され、台座に腰掛け、左足を下げ、右足先を大腿部にのせて足を組む、半跏地蔵尊である。
昔から縁結びを守護する地蔵として人々に親しまれ、「つまとり地蔵」と呼ばれている。
霊元院法皇が
「かりそめの色のゆかりのちぎりのみ
結ぶばか利と人なおもひそ」
と御詠歌に読んでいる。
地蔵尊を有する当山は、慶長七年(一六〇二)に 圓譽雲白和尚により創建された。
浄土宗大本山百萬遍知恩寺の末寺であり、本尊は、「阿弥陀如来立像」が安置されている。
京都市』 (駒札より)
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祐正寺はJR山陰線円町駅から東北東の方角、約1 km のところにある。幹線道路から少し脇道を入るので少しだけ見つけにくいかもしれない。
創建やその後の経緯については上記駒札の通りだ。お寺を名乗っているが、正式には地蔵尊だということで、どのようなものだろうかと思っていたが、門構えから内部の境内にかけてやはりお寺の雰囲気だ。しかしやはり地蔵尊というだけあって、地蔵堂があり内部に少し大きめの地蔵さんが座していた。大きなハスの葉が広がり、緑が豊かな境内。さらに鎮守社としての稲荷神社があり、それとは別に弁天さんも祀られている。本堂もしっかりと建てられている。何から何でもありのお寺という感じだ。
創建が江戸時代の始まりとほぼ同時であり、天下泰平の世の中をずっとを送ってきたということになる。縁結びの地蔵ということで、そこから「つまとり地蔵」と呼ばれるようになり、特に男性にとってみれば結婚を特に願っている人にとって、ありがたい存在となるのだろう。
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地蔵菩薩というのは、元々はインドのバラモン教の神話から来たもので、その中のサンスクリット語の内容が訳されて地蔵となったということのようだ。これが日本に入ってきてお寺などに関する以前に、民間信仰の中に入り込み、その姿・顔つきから優しさに溢れたもので、子供の守り神のような存在として認識されるようになる。そういった意味ではお寺などがあまり無いような地域においては、道祖神との性格が加わりやがて一体化するようになっていった。
その後、平安時代以降になると浄土信仰が盛んになり、世俗社会の中で悪行を行った者は地獄へ堕ちるものと信じられ、そういった人々は何とか助けてほしいという願いをこの地蔵に求めるようになったという。そういった意味では地蔵菩薩というのは、苦しむ人々、悩む人々を助けてくれるような優しい存在としての性格が強まっていく。同時にそのような優しさというものが、子供の守り神的な性格も併せ持ち、各村々で子供たちを助けてくれるような存在として意識されるようになる。今に至る町内会などでの地蔵盆というのも、子供のお祭りが主体であり、このようなところから来ているのだろう。
上記のように民間の道祖神信仰と結びついた結果、大きな有名なお寺に参拝して心願成就を願うべきところが、近くにそのようなお寺がない場合に、道祖伸の具現物として小さな石を彫って道端などに置くということがなされるようになる。これが今も各地に残る石地蔵であり中にはかなり大きな石地蔵も存在しており、各地でその昔悩み事を抱えたり困ったことがあったり、あるいは家内安全を願ったりする時に、こうした道端に立てられていると言うか、置かれている石地蔵に各自の願いを祈ったものと考えられる。したがってただ単に村の安全を守ってくれるものだ、と言った以上に個々の人々の守り神としての役割が強かったんだろうと思われる。
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