金木病院

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救急再開の現場記録!

魅力ある病院づくり!?

2007年07月08日 07時27分30秒 | 青森県の医師不足
医師不足、将来像探る

日本予防医学会が講演会  弘大

『東奥日報』
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070708112211.asp


医師不足の現状と対策を考える「日本予防医学会講演会」が七日、弘前市の弘前大学みちのくホールで開かれた。勤務医の過酷な労働実態や、研修医の都市部と地方での偏りを招いたとされる臨床研修医制度など、医師不足の背景に挙げられている問題について、大学や医師、行政関係者らがそれぞれの立場から意見を述べ、将来像を探り合った。

第四回となる講演会あ、日本予防医学会り理事の中路重之・弘大大学院医学研究科教授が企画し県内では初開催。難波吉雄県健康福祉部長、佐々木義樓県医師会長、三浦公嗣文部科学省高等教育局医学教育課長がパネリストとして参加した。

中路教授は、医師不足の実態について報告した。「医局制度の弱体化によって大学の医師数が減少した上、疾病の複雑化や医療訴訟の増加によって医師の負担が増えている。医師数の増加、医療リスクに対する支援体制の整備などが不可欠」と指摘。さらに「国の政策を実効性あるものにするために、医師側も正しい情報を発信し、理解を得る努力が必要」と語った。

三浦課長は、国の新医師確保総合対策について説明しながら、「偏在する医師の適正配置には、医学部に地元出身者を多く要れ、卒前卒後教育で地元とのつながりを強めさせたり、臨床研修制度後に大学に戻ってくるような受け皿づくりが重要」などと提言した。難波部長は「大学入学前からの人材育成と、各自治体の魅力ある病院づくりが大事」、佐々木会長は「勤務医と開業医が連携して地域医療を充実させ、医師が定着する環境づくりに努めたい」と語った。

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まだこんな議論をしているのかというのが偽らざる感想である。

医師を増やし地方の医療を充実させることが問題解決の根幹にあって、いろいろ試されては現実問題に直面しては挫折してきた。

この国は医療も市場経済主義で見ているので、効率のよい中央都市部の医療が充実すれば地方にもいずれ恩恵があると思っている。いわゆる「トリックル・ダウン」理論だ。命と安心をまもる医療を経済主義に貶めてはならない。

ところで難波部長の発言「各自治体の魅力ある病院づくり」には首を傾けざるを得ない。何を「魅力」と言っているのか。医師、看護師が充実している病院こそが魅力ある病院であることは論を俟たない。それ以外に「魅力」など無い。

以前から指摘されているように、県が弘大一辺倒でなく医師養成の専門学校を設置することや、医師の労働環境を守るために労働組合を結成することだの、地域医療に住民が参画することだの・・議論すべき問題は山積している。

これでは深刻な医療問題を解決できない。先は暗いと言わざるを得ない。