きものサロンながしま福岡支店

福岡支店のスタッフが更新するブログです。
お着物に関するお悩みのあれこれを、より分かりやすくお答えいたします。

免許更新

2023-10-27 17:37:43 | 日記
本日、久々におみえになったH様
お着物姿でのご来店です。

「H様のお着物姿は久しぶりに拝見しました」
「今日は免許証の更新だったんです」

そうだ。。。そうだった。

H様は20年前くらいから免許の更新の時は必ずお着物で行かれてました。

「5年ごとにお着物を替えて、自分がどんな風に変わっていくのか見てみたい」というのが、
最初のきっかけです。
もう、あれから4回目の更新という事ですから
お互い、歳もとりますよね~

とは言え、
H様は殆ど変わることなく以前のまま。
「本当に変わりませんね~」
「いやいや、やっぱり歳には勝てませんよ」と。

今日お召しになってたのは小豆色の小紋。
締めてらっしゃった名古屋帯は、見覚えのある濃紺地に幾何学柄の帯。

「ちゃんと着付けも覚えてらっしゃるんですね」
「それがね。。。ところどころ記憶が飛んじゃって。。。あれ?どうだったっけ?
 って、意外と大変だったんですよ」
そこで、ユーチューブを見て、確認しながらの着付けになったんだとか。

それでも、見た限りでは仕上がりは上々
「せめて、ワンシーズンに一回はきもの着ないと忘れちゃいますね」
そう言いながらも、
今年の夏はお嬢さんに浴衣を着付けしてあげたそうで、
「すごく喜んでくれたんで、やっぱり着付け習っておいて良かったなぁ~って思ってます」

「また、次回の更新の時が楽しみですね」
「それがですね・・・2年後からはマイナンバーカードと免許証が合体するらしく、
 もしかしたら、今回で最後になるかもしれません」

せっかく20年がかりで続けてこられたのに、何だか私もとても残念な気持ちになりました。
「仕事が軌道に乗ったら、今度はお茶を始めようかと思っるので
 その時は、またお世話になりますね」と。

相変わらずバイタリティー溢れるH様とお話しできて
私も、たくさん元気を頂きました。

劣化

2023-10-19 17:45:23 | 日記
先日集荷に伺ったT様
色無地と長襦袢の丸洗いをご注文頂きました。

その際
「着物を取りに来てもらった時に相談しておけば良かったんですけど・・・」と。
七五三の前撮りでお着物をお召しになって神社に行った際、
歩いてる途中で草履の底のつま先から10㎝くらいがベロンと剥げてしまったとの事。

ご主人様にコンビニで接着剤を買ってきて貰って、
何とかその場は凌いだそうです。
駐車場までつま先を着けずに踵を引きずるようにして歩き、取り敢えず撮影だけは終えたとの事。

「あの時、ついでに見て貰ってればあんなことにならなかったでしょうね~」

お着物の着用頻度が少ない方は
草履やバックが劣化してて、T様のように草履の底が剥げるとか
鼻緒がスポッと抜けてしまうとかの事例はままあります。
バックの手提げ部分の片方だけ外れてしまったというお客様もいっらっしゃいました。

ママ振りをお召しになるお嬢様が、20年以上経った草履やバックをお使いになる時も要注意です。
触ってみてベタつきがあるとか、湿気の多い場所で長年しまったままになってたとか、
そういった場合は、取り敢えずまず履いて歩いてみる。
中身を入れたバックを持ってブラブラさせてみる。
などの、事前チェックをされた方がよろしいかと思われます。

「次に着る時は草履を買いますので、よろしくお願いしますね」とT様。

確かに。。。
事前に草履・バックを拝見してれば、おそらくこんな状況にはならなかったのではと。
そう思いました。
(ママ振りをお召しになるケースでは、お客様にはお伝えしてはいるのですが・・・)

袖、翻る

2023-10-13 16:10:02 | 日記
10月9日スポーツの日、の出来事です。
その日はお休みで、用事があって福岡ドーム方面へ車で向かってました。

交差点で左折する時、2台前の白い車の助手席ドアからチラッと何か見えたんですが、
あまり凝視することもなくそのまま私も左折。
しばらく進んで、さらに左折する際

(あれっ? ドアに何か挟まってる)
よ~~く見ると、振袖の袖が挟まってました。

教えてあげたいけど、
クラクション鳴らしたりしたら、煽られてると思われてもイヤだしなぁ~

そうしてるうちに信号停車。
急いで降りて行って
「袖が挟まってますよ」と。

運転席には白のネクタイをした男性がいましたので、
おそらく結婚式でドーム近くのヒルトンホテルへ向かっていたのではないかと。。。
たまたま同じ方向だったから良かったのかもです。

出発する際、ハザードが点滅して
「ありがとう」のサイン。

お着物を着なれてらっしゃらない方には、意外と「あるある」な光景です。
車に乗る時には、まずお尻から。
そして振りが長い場合は、左右の袖を膝元に。

以前、振袖の丸洗いを納品した際に
「トイレの仕方が分からなくて、ずっと我慢してた」というお嬢様もいらっしゃいました。
一枚ずつめくって帯に挟んでいくのですが、
その話までは聞いてなかったらしく
「ホント、大変でした」と、今では笑い話に。

袖をドアに挟んだ方も、
そして、トイレに行けずに我慢した方も、
そんな小さな失敗の経験から徐々に着こなしが分かっていくんだろうな・・・
と、そんなこと思った次第です。


同感です‼

2023-10-06 16:39:43 | 日記
先日集荷に伺ったF様
丸洗いや部分直しのご注文を承ったお客様です。
出張着付けをしてらっしゃる当社のお客様、K様のご紹介でご依頼下さいました。

以前は通ってらっしゃる着付け教室に丸洗いや部分直しなどを頼んでたとの事ですが、
ある日、K様との会話の中でその料金の話になったらしく、
「私が出してるとこだったら、その半分以下だよ」
と、なんともF様にとってはショッキングなお話しだったとのこと。

そこで今回は当社で初めてのご利用となるわけですが、
そこで、こんなお話しになりました。

「この帯って、裏から透かして見ると何だかまだらに汚れてるようにみえるんですけど。。。」
白地に銀通しがしてある蘇州刺繍で華紋柄のお太鼓柄袋帯です。
確かに、F様がおっしゃるように所々に黒い染みのような斑点が見えます。
「これって、帯芯にカビがきてるんだと思います。いったん解いて帯芯を入れ替えれば
 まだ十分に締めて頂けますよ」

「着付け教室の先生にみせたら、これは取れない染みだからとか言って、違う帯を勧められたんですよ」と。
(う~~ん・・・何故にそうなるのか・・・?)
「大丈夫です。表地にカビが移ってる様子もないし、帯芯さえ取り換えればまた締めて頂けます」

F様お気に入りの帯だったらしく、とても喜んでらっしゃいました。

「ついでなんですけど、この帯ってこのお着物に合いますか?」
と、スマホをだされて写メをみせて頂くと
淡いベージュ地に金彩加工してある源氏香の柄の訪問着。
「はい。大丈夫です。できれば小物は桜色系の淡いものを合わせると全体的にすごく品のいいまとまり方になると思います」

「ちょっと、見て頂いていいですか?」
二階からお持ちになったのは、その訪問着と帯締め・帯揚げがはいった箱(おそらく10~15色くらいあったと思います)
ちょうどイメージする小物があったので、訪問着の上に帯をのせ、その上に小物を置いてみました。
「わぁ~~ ホント。。。素敵ですねぇ~~」
春先だったら、こんな組み合わせもオシャレだと思います。
と、違うパターンも参考までに・・・
F様。さらにテンションが上がってらっしゃいました。

帰り際の玄関先で、
「こんな事なら、もっと早くお知り合いになりたかったです。
 教室の先生なんて、あんなコーディネートのことなんて、何も教えてくれないんですもの」

同感です。
私も、もっと早くF様とご縁があれば、もっともっとお着物を楽しんで頂けたような気がしてます。

「これからも、末永くお付き合いして下さいね。今日は本当にありがとうございました」
と深々と頭を下げられるので、
私もすごく恐縮してしまって
「こちらこそ、これからも何卒宜しくお願い致します」
と、いつもに増してお辞儀が深くなってました。