きものサロンながしま福岡支店

福岡支店のスタッフが更新するブログです。
お着物に関するお悩みのあれこれを、より分かりやすくお答えいたします。

そこ?

2019-01-18 16:50:59 | 日記
成人式も終わり、おかげさまで振袖の丸洗いのご注文が多くございますが
その際に
「シミやほつれの無料見積もりもさせて頂いてますがいかがいたしましょうか?」
とお尋ねすると
「いえ。大丈夫です。。。一回しか着てませんから」
とのお返事が、ままあります。


玄関先でのやり取りだとなかなか確認しづらい場面もありますが、
それでも主だったところは畳みながら見るようにはしてます。
特に衿元の皮脂やファンデーションなどは案外気づかれてないようで
「ここに少し染みがあるようですが・・・」
と申し上げると
「あらっ・・・気づかなかったわ。全然見てませんでした」と。


また、お時間があるときや部屋にお通し頂いた際には
着物や長襦袢の袖付けを見たりもします。
着付けする時にどうしても引っ張るので、裂けたりほつれたりするケースが多い箇所です。
お母様の振袖をお嬢様がお召しになったという時には特に注意して確認します
糸が弱ってる可能性が強いのでほつれ易いからです。


「ここの部分がちょっとほつれてますが。。。」
とお見せすると
「へぇ~ そこなんですね・・・そんな所を見るんですね~」と。
日頃お着物に接する機会の少ないお客様でしたら無理からぬお言葉で、
なかなかそこまで確認してらっしゃる方は少ないです。


さすがにその場で袖口の染みや長襦袢の居敷当や裾のほつれまでは確認しませんが、
お店に持ち帰ってからは必須です。


老婆心ながら、
単衣や夏きものの場合は裏がない分だけほつれ易くもありますので、ご注意を。




綿々と。。。

2019-01-17 18:01:47 | 日記
先日、集荷に伺ったM様。
喪服3点と長襦袢2点の丸洗い、胴裏取替等のご注文を頂きました。


「この喪服もながしまさんで作ったのよ」と84歳のM様。
(あれ?事前に見た時にはそんな履歴は残ってなかったような・・・
「ありがとうございます。いつ頃お誂え頂いたんですか?」
「もう30年以上も前かな~」
「そうよ。私が20代の頃だもの。。。まだ昭和だったよね」とお嬢様。

入社3年目の私には当時の事は分からず、
「その頃は福岡に支店とかなかったんですよね?」
「そうよ。ながしまさんが京都から来てくれてたの」
「ながしまさんって・・・あの~社長のことですか?」
「そうよ。お元気してらっしゃいますか?」


もうビックリです
まさかの展開に何だかアタフタしてしまいました。

「私のお嫁入道具一式も京都から持ってきて下さったのよ」とお嬢様。

こんなことってあるんですね~
まさに呉服屋ならではのいいお話しです。
(綿々とご縁が続いてる。。。)
本当に感動しました。


支店に戻り、さっそく社長にお電話。
「社長・・・W様って覚えてらっしゃいますか?」
もちろん覚えてらっしゃいました。
(とても懐かしがっておられました)
そのW様のお嬢様がM様。
そしてM様のお嬢様が現在50代半ば。


もしかしたら、
本日ご来店下さった新規のお客様も
30年後はそのお孫さんのお着物を当社でお世話させて頂く事になるやも知れませんね。

誠実に対応する事の大切さを改めて知らされる一日でした。









オーマイガーpartⅡ

2019-01-06 11:54:24 | 日記
新年あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます


昨日、仕事始めとなり今日が今年最初のブログとなります。
六日間のお休みを頂きましたが、ホントにあっという間に過ぎてしまった感じがします
みなさんはどんな年末年始をお過ごしになったのでしょうか?


さて、仕事始めの昨日。。。
今年最初にご来店頂いたのは北九州市からお越し下さったK様。
2018.7.26のブログでもご紹介させて頂いたお客様です。
(タイトルはオーマイガー!!)
既読されてない方の為に再度ご紹介させて頂きますが、
K様(男性)はお振袖2点で男物アンサンブルを2セットお誂え下さったお客様です。
昨年の秋頃には仕上がってましたが、なかなかスケジュールが合わず再会がのびのびになってました。


そのK様から午前中にお電話を頂き、
「今から着付けをしてそちらに向かいますので・・・今日はいらっしゃいますか?」とお問い合わせが。
「楽しみにお待ちしております。お気をつけてお越し下さいませ


夕方4時頃、ついにK様との再会。
赤の振袖を長着に、淡いレモン色の振袖を長羽織にして、帯は茶系の半巾帯。。。
(やっぱり、オーマイガー
「寒かったでしょう?」
「はい。とても・・・」
北九州市から高速バスで1.5時間。
福岡市内の天神のバスターミナルから当店のある薬院駅までは徒歩20分。
かなりな人混みの中を歩いて来られたと思います。
「やっぱり視線を感じたりしますか?」
「はい。最初はすごく感じてましたけど、今はもう慣れました
「お正月もこの格好で三社参りしてきました」とも。


K様の身長は180cm。
体格もガッチリしてて、和装じゃなくても結構目立ちます。
お聞きしたところによると、10歳の頃から和服に興味を持ち始めたとのこと。
成人式の時はさすがにスーツで行かれたそうですが、
ご自身の20歳の誕生日にはピンクの男物アンサンブルをお召しになったそうです。


「今年の夏くらいにまた振袖の仕立てをお願いします」と。
今度は男物アンサンブルではなく、本振袖にしたいとのこと。
「お袖は長くていいんですか?」
「はい。なかなか自分サイズの振袖が見つからないので・・・」
「かしこまりました。楽しみにお待ちしております」


K様の和服好きは本物でした。
振袖を男物にお仕立てするのも、決して奇をてらってる訳ではなく
純粋にキレイなものを着たいという、ただその気持ちだけなんです。
なので、
次回おみえになった時にも、極力K様のご要望にお応えしたいと。。。そう思いました。


帰り際、
「いろいろ無理な注文出して済みませんでした。
 他のお店じゃ値段も高いし、あまりキチンと応対もしてくれなっかたから、ここに来て良かったです

おそらく、これから先もK様の和服への憧れは途絶えないと思います。
なので、
私たちができる事でK様が安心してその憧れに近づいていけるよう
精一杯お手伝いをさせて頂こうと。。。そう思った次第です。