そぉ～くるか～

昨日ご来店して下さったO様。
「妹がネットで道行コートの古着を買ったんですけど、裏地を取り換えるのにいくらかかりますか？」とのお尋ねが。
「取替えが9720円で羽裏は10800円ですから20520円になります」


そこで、O様。
バックの中を何やらゴソゴソ探し始めて一枚のメモ用紙をジッと見てます
「そ～か～　じゃあ、こっちの方が安いんだ～」と独り言のようにつぶやき、
それでもジッとメモを見続けてます。


何箇所かを検索されてたようで、それを見比べてるご様子。
「ほら。。。この値段でできるんだって。。。」と見せて頂いた数字は確かに1000円くらい安い価格。
「ホントですね～。お安いですね～」
「でも、これはセールの時じゃないとダメなんだって・・・」とO様。
そのセールというのが年に2回。
次にあるのは来年の四月だとか。


O様は当店でのご利用が何度もあるお客様なので、完全に信用して下さってます。
なので、自分のものなら迷わずご注文されるところなんでしょうけど、
今回は妹様の分なので少しでも安く仕上げてあげようというお気持ちが伝わってきます。


「取り替えだけだったら9720円でいいんですよね？」
「はい」
「じゃあ、どこかで安い長襦袢を探してきます。長襦袢を裏地に使ってもいいんでしょ？」
「もちろん、できます」
「そ～か～。そうしたら、ここで安く仕上げられますよね」
（おぉ～。。。そ～くるんだ～）
誠にありがたいお話しというかお気持ちで、
「オシャレ用の長襦袢だと裏地で遊ぶというか、楽しめると思います」
「そーですよね。我ながらグッドアイデア」


善は急げとばかりに立ち上がり
「あ～忘れてました。これ実家（鹿児島）から送ってきたサツマイモ。。。良かったら食べて下さい」
袋の中には大きなサツマイモがゴロっと入ってました。


どうにかして『ながしま』で注文できるようにしよう・・・というその心根に、
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです
　

やっちゃいました

昨日、留袖の丸洗いを集荷に伺ったＨ様。


9月に留袖の裄と身丈直しを承り、先週その留袖をお嬢様の結婚式でお召になりました。
10月に納品に伺った際には、
和室いっぱいに着物がひろげてあって
「この付下げは妹に貸して、この振袖（Ｈ様の若い頃のもの）は姪に着せようと思ってるんです」と。
帯合わせや小物のコーディネートのお尋ねがあり、
「やっぱり専門の方に聞いておいて良かったです。とんでもない合わせ方で出席するところでした。。。」
新婦の母ということもあってか、まさに孤軍奮闘の気配
「お一人で準備されて大変ですね～」
「いえいえ。私が好きでやってることですから」


で、
昨日は着用後の汚れが気になるとの事で丸洗いのご要望でしたが、
振袖も付下げも別段目立ったシミもなく
「上手にお召しになったんでしょうね・・・キレイにしてます」


式場の写真を見せて下さった時、
「レンタルにしようかと迷ってたんですけど、やっぱりお直しして頂いて良かったです」
Ｈ様のお母様がお召しになってたというその留袖は
乱菊に刺繍が施された豪華なもの。
「気になるから他の方のお着物も見ましたけど、やっぱり私のが一番でした」
「そ～ですか。本当に良かったですね～」
「やっちゃいました」
とっても嬉しそうな笑顔。


「いつになるか分かりませんけど、息子の結婚式の時も何かお願いする事があると思いますから
　その時は宜しくお願いしますね」
「はい。楽しみにお待ちしております」


帰りの車中
実は最初のご要望は裄直しだけだったのですが、
羽織って頂いた時「あれ？もしかして・・・」と思い、
念の為ご身長をお聞きすると161cm。
（やっぱり。。。身丈が短すぎる。。。）
そこで、ご説明して納得して頂き身丈直しを追加して下さった経緯を思い出しました。


あの笑顔を見れたことで
（良かった・・・身丈直しをお薦めしておいて・・・）と、
安堵した次第です。

サプライズ

今日、鹿児島県より送って下さったＭ様の訪問着が到着しました。
荷物の中には丁寧なお手紙も添えられており
「先日は黒留袖のお直し、迅速かつ丁寧にして頂きありがとうございました」とのお言葉。


早速、到着の旨をご連絡させて頂くと、
「先日はキレイに仕上げて頂いて本当にありがとうございました。
　梱包もとても丁寧にして頂いて、本当に感激しました」と。


実はＭ様がお住まいの所から徒歩何分の場所に、私も住んでたことがあり
前回のお申し込みの際にその事をお伝えすると
「まぁ～　奇遇ですね。。。何かのご縁かしら」という会話があったんです。
で、
今回のお褒めのお言葉を頂戴し
「本当は他よりも安いし、ネット注文っていうこともあってあまり期待してなかったんですよ。
　でも、いい意味で裏切られました。
　あの価格でここまでしてもらえるなんて思ってなかったですもの」と。


このサプライズがファンを作っていくんでしょうね。
そしてこのサプライズがご紹介を増やしていくんだとも・・・そう思います。
「いい意味で裏切られました」
嬉しい、そして有難いお言葉です。

庶民の味方

本日ご来店下さったＥ様。
事前にお電話を頂き
「ネットで見たんですけど・・・きもののクリーニングって、本当に3300円でいいんですか」
クリーニング屋さんや呉服屋さんにいろいろ問い合わせてみた末に当社を見つけられたとのこと。
あまりの安さにちょっとご心配されてご確認のお電話でした。


京都に自社工場があること等、ご納得頂けるようにご説明すると
「じゃあ、今から持って行きます」と。


数時間後、お友達とご一緒におみえになりました。
「この振袖を洗って欲しいんですけど、よく分からないから長襦袢も一緒に持ってきました」
妹さんの娘さんのものをお借りしたそうで、
「やっぱりキレイにして返さなきゃでしょ？」と。


シミとホツレ部分を一緒に確認して頂き、私が承り書を書いてる最中に
お友達とこんな会話が。。。
「着付けと髪のセットにお金かかるし、それにまたクリーニング代が高かったらホントに着たくても着れなくなるよね～」
「そ～よ。私なんて、このまえ留袖をクリーニング出したら一万超えたわよ。もうビックリ」


明細書を書き終え、ご説明させて頂くと
「おたくは、庶民の味方よね～」
お友達も
「そう。そう。。。私ももっと早く知ってれば絶対ここに持ってきたもの」
「あまりに安いから、ちょっと心配してたんです。
　ネットだけだと不安だけど、でもちゃんとお店も全国に構えてるみたいだし・・・」とＥ様。


お見送りしたあと、
「庶民の味方かぁ～」と、ひとりつぶやき・・・
思わず、ちょっとニヤけてしまいました

ばあちゃんの思い出

昨日、納品に伺ったＳ様。
お子様（男の子）のお着物と長襦袢の丸洗いを承っておりました。
20何年か振りに押入れから出したというそのお着物は、かなり黄変も厳しく全てをキレイにしようと思えば
金額もある程度かさむものと思われます。
今回は着用予定が迫っている為、とりあえず特急丸洗いで納めさせて頂いた次第です。


そのＳ様。
お母様をご自身が子供のころに亡くされ、ほとんどおばあちゃん子で育ったとの事。
そのおばあちゃんが買ってくれたのが昨日納めさせて頂いたお着物。
「この着物にはばあちゃんの思い出が詰まってるので、何とか自分の息子に着せてやりたかったんですよ」


そのおばあちゃんも2年前に他界されたそうで、
「息子の宮参りの時は事情があってこの着物を着せられなかったので、
　5歳の時は必ずばあちゃんに見せようと思ってたんですけどね～」と、とても残念そうにおっしゃってました。
「あさって、神社で写真撮り終えたらそのまま墓参りに行こうと思ってます」とも。


実は私もばあちゃん子だったので、そのお気持ちよく分かります。

もう少し早くＳ様にお会いしていれば、
せめて目立つ部分だけでも染み落としをしてキレイな状態で着せてあげられたのに。。。
私が悔いても仕方ありませんが、その思いが強かったです。


帰り際
「おじちゃん、ありがとー」
可愛い男の子がペコリと頭を下げてました。