きものサロンながしま福岡支店

福岡支店のスタッフが更新するブログです。
お着物に関するお悩みのあれこれを、より分かりやすくお答えいたします。

何とかなりませんか?

2021-05-21 18:10:40 | 日記
先日お伺いしたS様。
お母様と義理のお母様の大島紬をお直ししたいとのご要望でした。

お二人とも身長は150cm。
S様は162cm。
もともと大島紬は反物巾も九寸(約34cm)くらい、用尺も三丈三尺弱(約13m30cm)くらいなので、
《最近は、幅広で長さもある大島紬も出てますが・・・)
160cm前後でいっぱいいっぱいというケースも珍しくありません。

なので、
S様の場合は反物の状態でお誂えになるとしても裄丈がギリギリだった可能性もあります。
が、
今回のケースは更に仕上がってる大島紬を洗い張りしてお仕立て直しをするわけですから、
当然、縫い代(しろ)や内揚げの状態がどれくらいあるかが問題となります。

3点あるうちの1点だけは身丈・身巾・裄丈それぞれ何とかS様の寸法まで出せる感じ
残り2点が、なんとも厳しい状態です。
その旨を申し上げると
「何とかなりませんかね~」とS様
「この柄はすごく気に入ってるし、こちらの方はお姑さんがぜひ私にと譲ってくれたものなんです」

もちろん、私もS様の熱いご要望にお応えしたい気持ちはあるんですが
如何せん内揚げが全くなかったり、裄丈がかなり短かったりで
なかなか難しい状況です。
私がいろいろ悩んでいると、
S様が「これ、母の結城紬なんですけど・・・」とお持ちになったのが
別布で胴継をして、且つ下前の衽も別布に。。。その衽の生地で袖を継いで裄出ししてる。
広げた時の状態に違和感はありますが、確かに力作です。
もちろん、着用の際はなんの支障もありません。

「こんな感じでも構いませんから・・・」と。

S様の『着たい』という想いがひしひしと伝わってきます。
「かしこまりました。仕立て部門と相談しながらご要望にお応えできるよう頑張ります
納期は7月末。
遅くともお盆前にはお届けできると思います。
その際は、ぜひ羽織って頂いてS様の満面の笑顔を拝見できることを期待してます



想い出繋ぎ

2021-05-13 17:00:52 | 日記
先日ご来店下さったK様(母娘様)
今年一月に振袖の袖丈直し(袖詰め)のご注文を頂き、
三月に納品させて頂いた際に、
「思い出の着物だし、処分するのももったいないから・・・」と、
詰めた袖の残り布でバックをお誂えになることに。

そのバックを先日受け取りにおみえになったのですが、
その仕上がり具合に、お嬢様は大喜び
「こんな風になるのね~」とお母様は感慨深い表情。

「やっぱりバックにして正解だったね」と、
お二人で顔を見合わせて、満面の笑みでした。

こうして想い出を繋いでいくお手伝いができたこと。。。
私たちも幸せです。