きものサロンながしま福岡支店

福岡支店のスタッフが更新するブログです。
お着物に関するお悩みのあれこれを、より分かりやすくお答えいたします。

隠れたお洒落

2023-12-22 16:43:35 | 日記
福岡でも昨日・今日と雪が降り、市街地では積もってはいませんが、
山の方を見ると白く雪化粧してるのが分かります。

そんな折、本日ご来店下さったY様。
小豆色の江戸小紋。行儀の柄です。
その反物で羽織をお誂え頂き、仕上がり品をお受け取りにみえました。

「こんなに寒くなると羽織物は要りますね~」と。

10下旬まで暑いからといって単衣着物をお召しになってたお客様方も、
さすがにこの時期になると長コートや道中着・羽織などの羽織物を着用されてます。

で、
その裏地のお話しなんですが、
あるお客様は竹久夢二の長襦袢を羽裏として用いて、
その残布を無地感の小紋の八掛けに使ったというケースがありました。

また、別のお客様は大正玩具の柄の長襦袢を染名古屋帯としてお仕立てし、
その残布で半衿をお誂えになったということも。

それぞれ、ご自身だけのこだわりの一品として隠れたお洒落を楽しむという
何とも素敵な嗜好。
実際にご着用されたのを拝見した時は、
その現場に居ただけに感激もひとしおでした。

お持ちのお着物や長襦袢・羽織物の中に
案外、そういった再利用ができるものがあるやも知れません。
年末に箪笥の整理をされる折には、少しだけ頭の隅に置いて頂ければ幸いでございます。

私だけの。。。

2023-12-15 18:05:07 | 日記
先日、A様のお誂えバックが仕上がって参りました。

「この帯、多分もう締めないと思うんですよね~
 だけど、処分するにはもったいないし・・・
 バックにしたらどうかなぁ~と思って・・・」
と、ご注文頂いたのが10月下旬のこと。

そのバックの仕上がりが何とも素晴らしい

帯は青銅箔の独鈷(どっこ)柄。
微妙な玉虫色のような感じの帯です。
個人的にはそのご相談を受けた時、
(まだ締めれそうだけどな~)とは思ったんですが、
A様のお好みやお持ちのお着物との相性などを考えてそうおっしゃったんだと思います。

振袖の袖を詰めた時に出る残布でバックを作られたお客様や
ご自分で生地を選んで、それを浴衣にお仕立てし、やはり残布でバックを作られたお客様もいらっしゃいます。
お母様から譲ってもらった小紋をご自身は着ないからと
草履・スキヤ袋・名刺入れにされた方も。

(詳しくは当社ホームページの『小物リメイクお誂え』をご参照頂ければ幸いでございます)

私だけの超オリジナル
そんな、こだわりの詰まった小物には愛着もひとしおなのではないかと。。。

もし、ずっと眠ってしまってるお着物や帯がございましたら、
ぜひご一考頂ければ幸いでございます。



シーズンオフ

2023-12-08 15:59:52 | 日記
当社にはお仕事でお着物をお召しになるお客様が多くいらっしゃいますが、
11~12月になると、単衣や夏のお着物をお一人で10~20点程
丸洗いやシミ落とし、八掛けの天地替えや裾の擦り切れ直し等々、
さまざまなご注文を頂きます。

京都工場へ発送する前に、お店であらかじめ染みやホツレの点検をするのですが
さすがに一般のお客様のお着物より疲れ果てた状態です。
衿や上前、袖や裾など、やはりお仕事で頑張ってらしゃる分だけ染みも多いです。
袖付けや袖口のホツレもかなり見受けられます。

そんな一枚一枚を点検してると
(よく頑張ったね)
と、そんな言葉が頭をよぎります。

試合に出て懸命に戦えば、そりゃユニフォームだって汚れるし裂けたりもしますよね。

そんな着物たちだからこそ、
またシーズンがきたら思い切って戦えるように私たちがケアしないと。。。
と、思うわけです。

あるお茶の先生がこうおしゃってました
「着物は私たちにとって仕事着だから数は要るけど、その分お手入れにお金がかかるから
 それはそれで大変なんですよね。
 ながしまさんを紹介して貰って、最初は私の着物だけ試しに出してみたら
 安いのにあんなにキレイに仕上げて貰って・・・
 ましてや、こんな遠くまで取りに来て下さってまた持って来てくれるなんて
 本当に助かります。 
 だから、その後うちの生徒さんたちにも紹介したんですよ」

今ではD先生の生徒様8名様からご注文を頂くようになりました。

今回お預かりした単衣や夏きものも
また来年のシーズンにむけてリフレッシュ中です。