きものサロンながしま福岡支店

福岡支店のスタッフが更新するブログです。
お着物に関するお悩みのあれこれを、より分かりやすくお答えいたします。

はいからさんが通る

2019-03-21 17:24:43 | 日記
昨日の午前中、お届けの帰りにある大学のそばを通る道を走ってた時です
何故か、すっごい渋滞。
「何か、事故でもあったのかな~」と思いながら、ノロノロ運転。


「あ~~そうか~。今日は卒業式なんだ」


先の方に見えるのは、華やかな着物と袴姿。
皆さんキラキラと輝いてます。
ご両親と一緒に記念撮影されてる方や、お友達同士で撮られる方、
いちばん微笑ましかったのは、車いすに座ったおばあちゃんと一緒に写真に納まってた女学生さん。
しわくちゃの笑顔のおばあちゃんの様が、なんとも素敵でした


4年前に高校を卒業し、2年前に成人式を終え、そして今度は晴れて社会人となっていく。
親御さんにとっては、加速された変化のありようだったと思います。


で、
袴の件ですが。。。
私が大学を卒業した頃は袴姿なんて、ほんの一握りだったように記憶してます。
殆どが、成人式に着用した振袖を着てたように思うのですが。。。
(昭和50年代半ばの話ですけど・・・
でも、
昨日はその殆どが袴姿。
そこで、ちょっと調べてみると。。。
やっぱり、あの『はいからさんが通る』の影響は相当強かったみたいですね~。
昭和62年にあった南野陽子さん主演の映画です。
大正時代の女学生がヒロインなんですが、その制服が矢絣に袴姿。


そんな事もあってか、平成以降は圧倒的に袴が主流になっていったんだとか。
どうりで、昨日は『はいからさんが通る』のてんこ盛り状態だったわけです。
ちらほらと草履を履いてる方もいらっしゃいましたが、それでもその殆どがショートブーツ。
なんだかステレオタイプのオンパレード。。。
「でも、こういう格好が出来るのも今だけだもんね
そう思うと、存分に楽しんで貰いたいなぁ・・・っていう気持ちが強かったです。


早速ですが、袴の丸洗いのご注文も増えてきました。
思い出の品をキチンと綺麗にしてお届けしたいと思います。



蛇足ながら。。。
「呉服」って、もともとは呉織(くれおり)とか呉服(くれはとり)と呼ばれてたそうです。
それを音読みにして(ごふく)
あの三国志の国、「呉の国」から伝わったのが呉服。
ちなみに騎馬民族が愛用してたのが袴です。

乞う ご期待!!

2019-03-17 18:46:06 | 日記
先日ご来店下さったK様。
F様をご紹介頂き、袋帯のお仕立てを承りました。


そのK様
「この前、呉服屋さんから案内状がきてタトウ紙が安かったから行ってみたの」と。
そうしたら案の定、あれこれと着物を着せられて帰るのが大変だったとのこと
「だって、着物だけで40万もするのよ~ もうビックリ
「その点、ながしまさんは良心的よね~」とも。
確かに当社で40万といえば、お着物と帯が2セット揃います。


で、
「私、時々ここのホームページ覗いてるんだけど・・・
 あ~~~いいなぁ~と思ったら、ほとんど品切れ
 やっぱり見てる人は見てるのね~」
「それに『お薦めコーディネイト10選』も参考にしてるの」
「でも、これもいいなぁ~と思ったら、やっぱり品切れ」
「もう随分、更新してないでしょ?第3回はいつ出すの」とK様


そこで。。。
お待たせしました
この度『第3回 お薦めコーディネイト10選』がまもなく更新される予定です。
10日くらい前から、当店の常盤さんが
「あ~でもない。こ~でもない」と頭をひねりながらいろんな組み合わせを試行錯誤しておりました。
時には私も相談を受けながら、かなり熟考された感性の高いコーディネイトになってると思います


『ながしまファンくらぶ』的なお客様は
当社ホームページの「新入荷商品」や、この「コーディネイト10選」を楽しみにしてらっしゃいます。
本当にありがたいです。


さて・・・
皆さんの反応や如何に?


乞う ご期待。。。です。 

飛梅伝説

2019-03-08 18:07:41 | 日記
先日、国道5号線を下って筑紫野市に行く途中
太宰府近辺で信号停車してる際に5~6人の着物姿の女性が横断歩道を渡っていくのを
思わずガン見してしまいました


たまたま先頭で待ってたので、幸運にもそれぞれのお着物を見ることができたのですが。。。
琉球紬の方や加賀友禅の訪問着の方、中には大島紬のアンサンブルをお召になってた女性もいらっしゃいました。
(おそらく男物アンサンブルを仕立て替えたのではないかと・・・)
季節柄、道中着や長コートもしくは長羽織など、皆さんそれぞれオシャレに着こなしてらっしゃったのですが、
特に目を引いたのが、
ちょっとふくよかな女性がIKKOさんが着てるような、グレー地の粋な鰹縞の小紋に黒の絵羽織を長くして羽織ってらっしゃったのが
とても印象的でした。
皆さん羽織物をお召だったので、残念ながら帯まではよく見れなかったのですが
やっぱり着物姿が5~6人揃うとパワーがありますよね
ほんとに、ちょっと見とれてしまいました


これから春に向けて、フォーマルな場面やカジュアルな場面でもお着物をお召になる機会が増えることと思いますが
ぜひ、ご自分の一番お気に入りの装いで
「いつのも自分とちょっと違う自分」を感じて頂けたらなぁ~と。


さて、タイトルにあります「飛梅伝説」の事ですが。。。
ご存知の方も多いかと思いますので簡単に。
(福岡県外の方もこのブログに目を通して頂いてるようなので、ちょっとだけご説明させて頂きます)


太宰府天満宮と言えば菅原道真公。
学問の神様としても有名で全国から合格祈願に受験生が訪れる地です。
その菅原道真公の和歌にかの有名な
「東風ふかば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」があります。
菅原道真が太宰府へと左遷されるとき、自宅の庭の梅の木を想って詠んだもので、
「春風が吹いたら、香りを風に乗せて届けてくれよ、梅の花。主人がいないからといって、春を忘れるなよ」という意味です。


で、
その想いが届いたのか、京の都から一晩で太宰府まで梅の木が飛んできた、という伝説が「飛梅伝説」です。
(福岡で国体があった時は「とびうめ国体」って言ってました)

現在、太宰府天満宮の境内にあるご神木「飛梅」が、まさにこの伝説の梅の木なのだそう。
飛梅は境内の梅の木の中で、一番早く開花するらしいです。


先ほどご紹介したお着物姿のご婦人方は、
もしかしたら、そのご神木の下で写真撮影をされたのかも・・・


な~んて、勝手に想像するだけでも何だか嬉しくなります

継ぐ

2019-03-01 18:42:41 | 日記
先日お伺いしたW様。
名古屋帯のほつれ直しとガード加工のご注文を頂いたお客様です。


「あの~ この袋帯、私にはもうちょっと派手になってきたのでもう締めないかな~と思ってるんですけど」
と、見せて頂いたのは両面の袋帯。
表地は銀地に波のような無地感ですが、裏面は黒地にグレーの独鈷(どっこ)柄。市松の地紋が入ってます。
「こちらの方だと使えるんじゃないかと思って・・・」とW様。


できれば名古屋帯にして欲しいとのご要望。
採寸したところ袋帯の長さは475cm(ここでは分かりやすいようにcmで表示致します)
名古屋帯の出来上がりは大体350cmという所が標準ですが、
お仕立てに必要な用尺は480~500cmくらいです。
なので、このケースの場合はギリギリかどうか。。。の線だと思い、
「一旦、持ち帰らせて頂いてこのままできるか継いで仕上げるのかお返事させて頂いてもよろしいでしょうか?」


で、その翌日
W様からお電話があり
「昨日の名古屋帯の事ですけど・・・できれば370cmにして頂けませんか」とのご要望。
こうなると確実に「継ぐ」方向になるかと思い、その旨をお伝えしました。


たまたま今回は全通の柄でしたが、
太鼓柄の帯となると垂丈や手丈の寸法の件も加味しなくてはなりません。
ヒップの大きさによって手丈の長さも違ってくるからです。


ご自分で着付けされる方の「あるある」ですが、
お腹の柄とお太鼓位置がピタッと決まった時は、やはり「よしっ」という感じになりますよね