こころの宝物

「きれい・ねっと」の本づくりのこと
「なおちゃん流ホ・オポノポノ」のこと
あなたのこころにも宝物が増えますように…

海底ハウスを知っていますか?

2009-08-11 22:22:22 | 本づくり
その本は、こんな一文から始まります。


「海底ハウスを知っていますか?」


私が四国の海を初めて見たのは
高校三年生のとき。
当時、愛媛大学の学生だったきしおくんを訪ねて
松山に行ったときのことです。

そう、私が最初に見た四国の海は
長年住んだ高知ではなくて
愛媛の海だったんですね。

島がたくさん見えて、波の穏やかな瀬戸内海を見て育った私。
島がない…どこまでも続く太平洋の海原
その眩しいほどの青さを
新鮮な驚きをもって眺めたものです。

そして、振り返ると段々になった蜜柑畑の深くて濃い緑。


まさか、その愛媛で生まれ育った男の物語と
今こうして出逢うことになろうとは。


人生というのは、ほんとうに不思議なものです。


海底ハウスを造り、民間で初めて海底で暮したその男、
名前を田中和栄さんといいます。


地方の豪農出身ゆえの窮屈さの中で
学歴もなく資金もなく
ただ、あふれんばかりの夢だけを携えて
時には、命をかけてでも
彼はひたすらに前へ前へと突き進みます。



海底に住んだから何?


理由は?目的は?メリットは?


彼はにっこり笑って答えることでしょう。

そうだなあ、それはたぶん
…海底に住んでみたかったから




先日の親バカ日記でこんなことを書きました。

 「利他」とか「良心」とか言うけれど
 人が生きるということは
 知識や情報や言葉で説明できるものじゃなく
 心身を使い、生身で感じていくこと。



無駄なことはやらないほうがいいのなら
音楽なんて必要ないのかもしれません。

モーツァルトの音楽を聴くと、脳に良い影響がある。
それは事実なんだろうけれど
そのために彼はあんなすばらしい楽曲をつくったのかな?



「やらなければならないこと」ではなくて
「やらずにはいられないこと」を選ぶ。



その道のりは楽ではないのです。


でも、どうしようもなく楽しいのです。


この本のカバーは
大の大人の、見たこともないような笑顔に飾られています。



2006年、海にもぐることが好きな男が
ひょんなことから
和栄さんの宝である「海底ハウス」を調査することになりました。

悲しい出来事を経て、今は海に沈む海底ハウス。

その威容に「何か」を感じた彼は
和栄さんと、このミクシィで交流を始めます。
現在寝たきりの状態になっている和栄さんは、
自分のことを本にしてほしいと彼に持ちかけます。

断っても断っても、あきらめない和栄さん。


そして、彼はその笑顔の写真に釘付けになるのです。



こんな男がいたんだよ



ただそれを伝えるためだけに
彼はペンを執る決意をします。


友人として、経緯を聴いてきた私は言いました。


「必ず本にしようよ」


それは、やらずにはいられないじゃないの。


忙しい仕事の合間を縫って
時には取材にまで出かけ、結局一年かかりました。

時には会社の人にばれないように
作業着のままで和栄さんの家に向かったこともあるといいます。


そう、彼の突き進む姿は
まるで和栄さんのようでした。


和栄さんが、彼…登坂将司という人間を見込んだのは
自分と同じものを彼に感じていたからかもしれません。



『海底ハウス 田中和栄物語』
    (登坂将司著 新日本文芸協会刊)
今月22日、ようやく出版の運びとなりました。

今、不安と混沌の中にあるこんな時代だからこそ
その生き様から見えてくるもの
躍動する夢を。
それをあきらめない心を。



ぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいと…

そんな想いで
最終校正をがんばっております。

眠くて、笑顔がひきつるぜ。
ある意味「見たこともないような笑顔」ではあるかも……とほほ。



さて、今月21日(金)の19:00からの
朗読会「こころの宝物」については、以前に告知させていただきましたが
(まだ、すこしお席ありますので、ぜひご参加くださいね♪)

翌日の8月22日(土)
『海底ハウス 田中和栄物語』の出版記念パーティーを
東京品川で、以下のとおり開催させていただきます。

幸塾の藤田副会長のご厚意で
すばらしいロケーションと美味しいお料理で有名なお店、
「櫻ダイニング」でのパーティーとなりました。

田中和栄さん、登坂将司さんをはじめ
たくさんの皆さまがいらっしゃいます。
もちろん私も参加します。

大の大人の、見たこともないような笑顔を見てみたいという

たくさんの方にご参加いただけましたら幸いです。
(お申込は、私までメッセージくださったらOKです)


『海底ハウス 田中和栄物語』出版記念パーティー

日時
8月22日(土)16:00~(開場15:30)
 (田中さんの体を考慮して早めに設定しました)

場所
京都祇園おいしんぼグループ
東京品川「櫻ダイニング」
http://www.gion-oishinbo.jp/shop/?id=7

会費
6,000円(お食事お飲み物代を含みます




お読みくださって、ありがとうございました

山内 尚子 拝