伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ147

2020-06-26 18:46:45 | ジャコシカ・・・小説

 

 四人は慎重に足場を確かめながら、顔を蕗の葉の中に埋めて、柔らかそうな白くて太いものを選

 

ぶのに集中した。

 

 樹々の足下は蕗の葉で埋めつくされている。

 

 こんなに良い場所では、量を採ることに関心はなくなる。

 

 できるだけ柔らかそうな中心部を、間引くように採っていく。

 

 時々顔を上げては腰を伸ばし、ついでに誰が何処にいるか確認したり、声を掛け合ったりする。

 

 リツクはたちまち膨らんでいく。

 

 高志がもうこんなものでいいかと顔を上げた時、誰かが「あっ!」と叫び、続いて藪を踏みしだ

 

く音がした。

 

 「どうした!」高志の呼びかけと同時に清子の「千恵!」と叫ぶ声が上がる。

 

 「大丈夫かい」

 

 斜面を下りながらのあやの声も続く。

 

 蕗の葉をかき分けて近付くと、千恵はさして皆から離れていない樹の根株に腰を落として片脚を

 

投げ出し、もう一方の脚首を掴んでいた。

 

 幸い滑落ではなかったが、どうやらどこかを痛めて動けないでいる。

 

 「大丈夫、大丈夫」集まった皆に笑いながら言ったが、その顔はすぐに歪んだ。

 

 「どうしたのよ」

 

 清子は鋭く言って妹を睨んだ。

 

 そんな姉を泣きそうな顔で見上げて言った。

 

 

 「滑って足首捻挫したみたい」


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